URBAN TERROR,ECHO,TROPICAL GORILLA,FUCK YOU HEROES live@新宿D.O.M

 行って来たー。U-23の試合終了後、おっとりがたなで新宿へ。知人にちょろっと会ってから、18:40頃にD.O.M到着。予想どおりと言うべきか、あんま人居ないw。もう開場時間は過ぎてるので、さっさと場内へ。
 むー、まずまずの入りですか。D.O.Mの広さは20000Vぐらい、かね。気持ち小さいかも。そんな会場におおよそ100人強ぐらいの入りかと。しかも客層が若い。つーか、対バンの客じゃねぇかw。ぱっと見、あんま気合入ってる方も見当たらないし、たまにいたとしても今風(TRAGEDYのバックパック背負ってたり)の気合の入り方なんで、往年のやさぐれ風味は皆無。わかっちゃいたんですが、やっぱ疎外感はぬぐえない。
 で、19:00過ぎにFUCK YOU HEROESからスタート。ステージ前には彼らのTシャツを着込んだcrewの面々20人ほどが集結。残りは後方で様子見。俺はcrewの後ろに陣取り、やはり様子見。トリオ編成のバンドで、Thrashノリの楽曲にシンガロング・テイストを加味した分かり易いサウンド。アクションなんかも明快で、ステージングもこなれた印象。客も(crewだけだが)楽曲を心得ており、一体感に包まれていました。つーか、FUCK YOU HEROESのliveセットを観賞してるだけっつーか。バンド側はしきりに煽っているのですが、それはあらかじめ用意されていたシナリオに過ぎず(だって場内の反応お構いなしだったし。レスポンスがcrew以外からはほぼ皆無にもかかわらず、そこをいじらずにスルー。予定調和丸出し)crew以外の観客おいてけぼり。現に、最後までcrew以外の客が前列に加わるコトは無く、なんとも閉じられた世界を見せ付けられて終了。初心者には分かり易くていいでしょうが、少なくても俺は今後自発的に観たり聴いたりするコトは無いです。
 お次は本日唯一のポップ・パンク系TROPICAL GORILLA。今風の青春パンクやメジャー系メロディックとも一線を画した、ある種懐かしさすら感じさせるポップ・サウンドは悪くない。そこにTwo Toneやハードコアっぽい突進風味なんかも加え、なかなかヴァラエティに富んだ楽曲を披露。持ち前のファニーさもあって、好感をもって観ていたのですが・・・えーっとステージも楽曲も長すぎ。中盤辺りから妙に長めの楽曲が増えまして、これがなんとも間延びするする。やはり、こちらも盛り上がってるのはcrew(今度は30人強)の面々。途中数人後方から取り込みましたが、それをさっぴいても場内が盛り上がっていたとは思えず。で、こちらもMCとかが長い。一応場内の反応とかも察知して喋っているあたり、キャリアを積んだヴェテランという気もしましたが、基本的にムダ話がメイン。チューニングとかの場繋ぎという側面があるにせよ、長い楽曲共々飽きてしまいました。最後にハードコア風味なショート・カット・チューンを連発しましたが、ここで終わっとけば良かったのにさらに追加して、個人的には萎え萎え。
 楽曲はポップでキャッチーで、音源聴いても楽しめそうですが、ステージの構成とかに難あり。FUCK YOU HEROESとかもそうなんですが、喋るからにはちゃんと全員に向けて喋ってください。そして場内の空気を読んで喋る技術も身につけて下さい。喋る以上は。
 ここで入れ替えタイムw。TROPICAL GORILLA終了後、あからさまに前列の集団が後方or場外へ。ここで一部の客が帰りました。帰れ帰れ。
 で、ECHO登場。akaターボズゴックな横須賀CITY HARDCORE。ECHOになってからは未見&未聴だったんですが、これがスゲェ。とにかく、登場した瞬間からさっきまでのチャカついた空気が一変。にわかに緊張感が増していく。そしてスタート。これがなんとも形容しにくいサウンドでして、基本的にはStop&Goや、間や、タメを活かした変則的な楽曲。そこにガンガンストレートなハードコアをブチ込んでいくのですが、所謂オーセンティックなカオティック・ハードコアとは明らかに一線を画すサウンド。CONVERGEみたいなNew SchoolでもなければGUYANA PUNCH LINEみたいなヒステリック系でもない。勿論往年のVermiform/Gravity系とも違う。そのスタイルは、しなやかでロックの旨みをたっぷりと含んでいながらも、圧倒的なまでにハードコアなのですよ。言うなれば、VERBAL ASSAULTにTODAY IS THE DAYの遺伝子を注入した、とでも申しましょうか。とにかく個性的で不穏なサウンドを撒き散らしていて、ともすれば往年のジャンク系みたいな方向に行きそうなものですが、このバンドの場合は根底にハードコアの血が脈々と息づいているので、そんな頭でっかちなコトにはならなさそう。展開が激しくてノりにくいんですが、そんな瑣末なコトが気にならないぐらい引き込まれました。結構キャリアも長いのに、なんでこのバンドがあんま話題にならないんだろう?凄いよ、マジで。今度のUNSANEの来日公演でフロント・アクトとか演ったら、絶対ウケるのになぁ。俺も今度音源聴いてみよう。
 そんなこんなで、いよいよ残すはURBAN TERROR。さぁ、急いで最前線のポジション確保しないと!・・・って、あんま皆様前に来ないですよ?俺は難なくNOZOMUさんと田口さんの間のポジションを確保。でも、本来なら圧すな圧すな!ってなイキオイで始まる前からわやくちゃになってても良さそうなモンですが、な〜んか肩透かし。ともあれ、URBAN TERRORの萌えキャラwコニーさんやKIMさん、NOZOMUさんらが次々と登場するにつれ、否応なしにテンションが上がってくる。俺が最後にURBAN TERRORのlive観たのが'94のHALF LIFEとのツアーのLOFTだったんで、実に約10年ぶりか・・・当時、俺23ですよw。若っ。などと回想に耽っているところに、御大田口さん登場。相変わらず手にはグローヴw。ちょみっとぽちゃっとしたかなー、とか思って見てたら始まっちゃいました。
 そっからはもうナニがなんだか・・・w。俺の鼻先10cmほどのトコで田口さんが絶叫してるし、コニーさんの、ケツの穴みたいにタイトなドラミングは相変わらずだし、KIMさんのギターはえげつないノイズを垂れ流してるし、珍しくNOZOMUさんがジャンプしてるし、そんな中で冷静にしてられるかっつーの。俺も開始と同時に頭と身体をガンガン振りまくり&揺らせまくりながら絶叫しっぱなしw。やっぱクソかっこいいなぁ、もう!全盛期以上、とは言いませんが全盛期ばりのテンションでグイグイ引っ張る引っ張る。その牽引力とパワーには翳りはみられませんでした。田口さんも相変わらずダサカッコいいwステージングを披露。やっぱり目がイっちゃってるよーw。
 バンド側は過不足ない出来だったのですが、個人的に不満が残ったのが客側。完全にパワー不足。俺は始終最前列でかぶりついていたので後ろの状況は分からないのですが、ほとんど背中に当たってくるヤツはいないし、いきなり後頭部を蹴られるコトもない。それどころか、曲の最中にも関わらず動きが小さくなる連中も・・・。お前ら顔洗って出直してこい。なんなんだ、この歯ごたえの無い連中は。URBAN TERRORのliveっていったら、たしかに当時から9割近い客がだだ引きだったけど、残りの1割の狂いっぷりはハンパなかったんだよ。俺も何度後頭部にケリを受け、正面からフライング・ボディ・アタックをくらい、あらぬ方向からのエルボーに怯えたか(そして同様の真似を他人に加えたか)分かんないぐらいヒドい目にあったケド、そんなフロアのカオスがURBAN TERRORにフィード・バックされ、より狂った音を吐き出させていたんだよ。こんなヘタれた暴れっぷりじゃあ、バンドはなんにも感じないよ。現に、残念ながら今日のliveはURBAN TERRORとしては平均点な出来だった。無論他のバンドとは平均点のレヴェルが違うが、往年のURBAN TERRORの力はこんなもんじゃない。そりゃあ懐かしさや思い入れの深さもあって、それでも十二分に楽しめたけど、正直物足りなさも感じた。それは主にバンドというよりは客の側の責任なんではなかろうか。良いステージのliveは、バンドと客が相互に作用しあうもんでしょ?平均点の出来のURBAN TERRORのパワーも受けとめきれないようじゃ、本域に達した時なんてなす術ないよ。
 ・・・とはいえ、所詮はジジィの戯言なのかな。俺の言い分は、ただの郷愁に過ぎないのだろうか。ムダに暴れろとは言わないが、やはりそういった衝動もハードコアの一つの側面だとは思うんですが。最近のスポーティなノリとは似て非なるモノなんですがね。そういったカルチャーも失われていくのだろうか・・・なんか切ない。
 なんか湿っぽくなってしまいましたが、URBAN TERROR未体験の方は、是非一度体感してみてください。往年のハードコア・パンクの、ヒリヒリした空気を生で体験出来る貴重な機会を見逃すな!なんだかんだ言っても、やっぱ大好き!それを再確認出来ただけでも良しとしますかね。