4/18の記憶

 つーワケで、今日は家中の窓をアルミサッシ化する工事が行われまして。
 今までのウチの窓って、気密性が低いっつーか、日本家屋?と訊きたくなるぐらい風通しが良い建てつけでございまして、台風クラスの暴風雨になると、フレームの隙間から雨が入ってくるというステキ仕様。しかも、換気用の小窓のゴムとかのパッキンが施されてないので、夜になると隙間から羽虫の類がガンガン侵入してくるというオマケつき。だもんで、今まではフレームの外周をガムテでシールドし、小窓の隙間にはラノベとかに封入されてるリーフレットとかを詰め込んで難を凌いでいたという涙ぐましい努力を強いられてたワケで・・・。
 そんなところに、俄かに降って湧いた全戸アルミサッシ化のお話。こんな美味しい話を見逃すはずもなく、飛びついた次第。下準備には多少の苦難も伴いましたが、隙間風や羽虫の被害を思えばそんな艱難辛苦も乗り越えられようというもの。
 で、本番当日。8時過ぎから工事開始だったので、いつものように7時に起床し、支度を整える。すると、8時ちょい過ぎに業者さん登場。詳細な段取りの説明を聞くと、4箇所ある窓を同時進行で作業していく模様。まぁそれが一番手っ取り早いっつーのは理解出来ますが、そうなると作業の間、ワタクシは何処にいればいいのかしら・・・?と不安に駆られる間も無く、家中にビニールシートが敷かれ始める。予想以上に大掛かりな支度を目の当たりにし、暫し呆然と階段に立ち尽くしていたのですが、そこも安息の地には程遠かったため、已む無く唯一の安全地帯である風呂場に逃げこむワタクシ。そこで一旦様子を窺っていたのですが、どうにも他に居場所も無さげだったので、腹を括って風呂場で作業終了予定時間である17時まで過ごすコトを決意。
 そうと決まれば、速やかに最低限の装備を調達せねば。何故なら、ウチの風呂場にはTVなんて気の利いた文明の利器は設置されてないので、何がしか時間を潰すアイテムを用意しないことには如何ともし難いワケで。幸い、まだ工事の下準備の段階だったので、各部屋にちょこちょこ入り込んでは適当なラノベiPod、新聞なんかを調達し、最低限の支度を整えたところで、タイミングよく作業が本格的に開始されまして。
 ワタクシはというと、湯船のへりに腰掛け、新聞を読み始めたのですが、程なくしてその手を止めまして。なんつーかアレだ・・・寒くね?風呂場の換気用の窓を閉じているにも関わらず、出入り口付近から隙間風が吹き込んできやがりますよ?考えてみれば、各所の窓は撤去作業のために開いてるし、出入りが多いんで玄関も開けっ放しだしで、必要以上に風通しが良い状態な上に、冬に逆戻りしたかのような気温だったため、冷えるのは自明の理なワケで・・・。
 一応パーカーを着用してたし、念のために靴下を履いていたので耐えられないほどではなかったのですが、身動きはろくすっぽとれないし、温かい飲み物を飲める状況でもなかったので、能動的に身体を温める術が無く、時間が経つにつれ芯から冷えてきまして。おまけに、途中からは室内の工事音に加え、団地の修繕工事の音、果ては市議会議員選挙に伴う街頭演説までもが入り混じり、新手のフィールド・レコーディング系のノイズが展開されてしまい、心身ともに大ダメージを被る始末。
 てなカンジでノックアウト寸前まで追い込まれたところに、ゴングの音にも等しい福音がもたらされる。なんと業者さんから休憩時間に入るというアナウンスが。いやまぁタイミング的にはとても有り難かったのですが、現在の時刻は9時半前。・・・えーっと、作業開始から1時間ちょいで休憩タイムに突入っていうのは、どういうコトなのカナ?カナ?工事開始時間前の仕込みの時間を考慮したところで、さすがに早すぎる感は否めないのですが。しかも、たっぷり30分ご休息という英国貴族ばりに優雅なスタイル。こちらは、その間にジャケットやら毛布やらの防寒アイテムを用意することが出来たので助かりましたが、以後も「1時間労働30分休憩」なんてピッチだったらどうしよう・・・と本気で不安に駆られましてよ?
 が、それは杞憂に終わりまして、休憩復帰後は12時まで作業作業。新しいフレームのサイズが合わず、それに関する怒号が飛び交ったりしてましたが、気にしない方向で。そして正午となりまして、業者の方々が昼休みに突入し、一旦ウチから退去されたので、ワタクシは各部屋の進捗状況を軽くチェックしてから、なんか温まるものでも作ろうかと台所に向かったのですが・・・あら?なんかテーブルからキッチンまで、見事にシールドされてて使えなさげでございますよ?
 ご丁寧にレンジまでシールドされてるので、冷凍食品をチンすることすら出来やしねぇ。絶望に打ちひしがれ、半べそをかきながら風呂場に立てこもるワタクシ。その道中、しっかりと「若草物語」最終回の録画予約をしてきたのは、ココだけのヒミツだ。
 結局、13時になって業者さんが戻ってきたところで、入れ替わるように近所のスーパーまで買出しに出向きまして、昼飯を風呂場で摂るというステキなシチュを堪能。人間、なかなか風呂場でメシを食うって機会には恵まれないんじゃないでしょうか。まぁ一生恵まれなくても全く困らない縁ではございますが。
 食後は、粛々と時が過ぎるのを待つばかり。途中、若干慌ただしくなる場面も見受けられましたが、意外にも予定作業終了時間よりも早く終了しまして、一安心。一刻も早く新しい窓の具合を確かめたいところでしたが、先ずは作業終了確認の印を各種書類に押し、業者の皆様にお礼を言って送り出し、晴れて自由の身となったところで、チェックチェック。
 やはり、かつて最も建てつけが悪かったメインの居室からチェックするのがスジだろうっつーコトで、2階に駆け上がり、逸る心を抑えつつ窓を開けてみると・・・おぉ!滑るように開くじゃありませんか。その開け心地に暫し酔い痴れるワタクシ。他の部屋の窓も同様で、文句無し。色々バタバタしまくったけど、その甲斐あったわー・・・と、ひとしきり喜んだ後は、粛々と食器を棚に戻したり、CDや本を棚に戻したり・・・という地道な作業が待っておりましたとさ。どっとはらい