7/15 "ラウンジユーエヌケー"@小岩eM SEVEN/WHY NO CHARACTER?/EXTRUDERS/51717/UHNELLYS/KIYASU ORCHESTRA/TRIKORONA

TRIKORONA

 後編ー。
 三番手は、51717。ex.HITSのフロントマン*1のソロだそうで。つーか、HITS自体知らないんで、どんな音なのか皆目見当もつかず。ステージ上はドラムキットとかも壁際に移動させ、かなり広々とした空間を確保。さらには、ステージ袖からライティングするという微妙に凝った設定。そんな中、黒い服を着た女性がカリンバ片手に現れまして、ステージに正座。この時点で、なんかイヤな予感がw。
 機材は、ラップトップにディレイ、カリンバ、それにでっかい数珠風味*2な腕輪。座って演奏するんで、マイクも低位置にセット。
 各種セットの微調整を済ませ、演奏開始。ラップトップでシンプルなビートを鳴らせつつ*3カリンバで同一フレーズを延々爪弾き、同一フレーズを延々と詠唱し続け、一定のテンポでカリンバを打楽器風に叩き続ける。
 一応ディレイを使って、ちょみっと変化させたりはするものの、ちょっとツマミを弄る度に意図せざるノイズが発生し、慌てて音を下げる・・・ってなカンジで、あんま意味無し。終盤、ラップトップのボリュームを上げ、ビートが多少前面に出ると、まぁ聴けなくもないっつーか。延々とワンフレーズをループし続けるんで、ちょっとだけ心地良くなる瞬間もありましたが、悪い意味で単調なんで、そんな気分も束の間。
 結局10分ぐらい*4それを繰り返し、ようやくslow downして終わった・・・と思いきや、2曲目なんだか1曲目の延長線上なんだか判別出来ませんが、再度音量が上がりまして、心底暗澹たる気持ちになる。
 幸いにも2曲目は5分ちょいで終了し、そのまま終演となったので事なきを得ましたが、久しぶりにキビしいステージを観てしまった・・・。例によって真ん前で観てたんで、出るタイミングを逸してしまいましたよ・・・w。音源で聴けば多少はマシかもしれませんが、個人的にはナマで観る意味は見出せませんでした。これがアメリカの最先端の音って言うんなら、俺は理解出来なくても構わないやw。
 お次はUHNELLYS。なんでも、リハを観たHTさんやNMさんから、ラップがMSCっぽいとかいう話を聞いていたので、興味津々。メンバーは、女性Ds&MCと男性G&B&Tp&MCという、なんとも曲者な二人組。しかも、ドラムキットの背後や、男性の足元には多彩なエフェクター等がセットされており、期待が高まる。
 マイクを握り、ヒューマン・ビート・ボックス風味なビートっつーかフレーズをラップしたと思いきや、それをディレイのホールド機能を使ってループさせ、そこにベースのフレーズを重ねていくという、思いも寄らぬ奏法が炸裂し、のっけから目が点。その後もディレイを巧みに操り、声ネタやベースのフレーズ、ホーンの音なんかをループさせまくり、たった一人でウワモノのネタを多彩に彩りまくり。この凄さは、ナマで観ないと分かんないと思う。はっきり言って衝撃的です。終始そんな圧巻のプレイを披露しまくりで、ホント凄いモノを拝ませていただきました。
 が、肝心の音自体は、奏法ほどのインパクトは無し。ラップは、韻も踏んでたりして、まぁ悪くない気が。とは言え、演奏に比べると没個性だし、デリヴァリーも特筆すべき点は無し。しかも、ドラムが完全にロックのノリなんで、その時点で興醒め。音数も多いし、ヒップホップ特有のグルーヴも無いしで、個人的には苦手なタイプ。ラップを載せるのに向いてるリズムとは思えないんだけどなぁ。
 まぁヒップホップ/ラップ寄りではなく、ロック寄りとして捉えた場合はアリなのかもしれないけど、俺はヒップホップとして捉えてしまったんで、評価は辛めっつーコトで。でも、フォローでもなんでも無く、ライブはホント必見です。
 続くKIYASU ORCHESTRAの時は、外で休息してました。
 で、トリの鶏。4人編成になってから2度目のライブで、ワタクシは初見。妙に広々としたステージの光景をニヤニヤ視姦していたら、同時多発アクシデントを目撃。コレエダさんのギターの弦が切れ、張り直してるトコに*5、今度はノモトさんのサウンドの要たるFuzz Factoryが昇天*6
 コレエダさんのハプニングはともかく、ノモトさんのアクシデントは致命的。今更大幅なセッティングの変更など望むべくも無く、新たな歪み系エフェクターを追加せず、Fuzz Factoryを外したセッティングで挑むコトに・・・。結果的に、このアクシデントがサウンドに大きな影を落とすコトに。
 一発目は、新曲。TRIKORONAにしては若干メタリックな印象もある暗く激しい曲で、カッコ良い!トラブルはありましたが、この日はメンバーのテンションが全員一定の領域に保たれていたんで、バンドとしての一体感が強かった。
 voxのコヤマさんは、フロアとステージを行き来しながら咆哮を上げ続け、なかなかアグレッシブ。終盤は精根尽き果てて、ステージ上でのた打ち回ってましたがw。もうちょっとマイクの音デカめでも良かったかも。
 Gのコレエダさんは、ホントここ半年くらいの間に相当気合が前面に出るようになった気が。動きもそうなんだけど、表情が以前と全然違う。しかも、モニターの上でダウンしてたコヤマさんを蹴るなど、brutalな一面も垣間見えまして、良いカンジですw。音のほうも、ノイズが無くなった分、細かい音色の機微やフレーズなんかが鮮明に浮かび上がり、実に印象的。
 Dsのハットリさんは、先日のVOMITUK@WALLに続き、この日も絶好調。タイトでパワフルなドラミングを終始キープし続ける、抜群の安定感を披露。しかも、幕間でのダメなMCもカット。でも、そんなプレイを披露してたおかげで、ダメMCを煽るヤジは飛ばずじまいw。この日みたいなカンジでいけば、きっとモテるってw!
 で、Bのノモトさん。前任者のダイケンさんがカッチリしたスタイルのプレイだったのに対し、ノモトさんは、うねるようなスタイル。そのプレイの質の違いがサウンドに反映していたのですが、前述したように、サウンドの中枢を担っていたFuzz Factoryが使えなくなったことにより、出音のエッジが失われてしまい、結果としてノモトさんのプレイのマイナス部分が気になってしまいまして。
 まず良い点は、グルーヴ。特にスローなパートでのうねるような感覚は以前には無かった魅力で、これが抜群にカッコ良い。悪い点は、速い曲で顕著なんですが、一音一音が判別出来ず、メリハリの無い音になってしまってたコト。しかも、音のエッジが無いんで、完全に音が埋もれてしまい、単なる低周波になってしまってまして。現在のTRIKORNAはスローなパートの比率が低いんで、ノモトさんの魅力は存分には発揮されなかった印象。とは言え、今回は万全では無かったので、次回に期待。
 バンドとしては、総じて演奏にムラが無く、トータルでのムダも無く、カチっとストイックにまとめ上げた印象。「ハードコア」として考えると、現状のサウンドのほうが万人受けすると思うし、このまま続けていけば、人気を博すると思う。ただ、TRIKORONAという「バンド」として考えると、個人的には現在の編成に甘んじて欲しくない。
 TRIKORNAは、「ハードコア」を呑み込んで、その先を目指せるポテンシャルを秘めたバンドだと思うのですよ。そのためには、やっぱ「ノイズ」という御し難い要素を含んでたほうが、表現の幅が広がるんじゃないかなぁ、と。単なる飛び道具ではなく、「曲」の一環としてノイズを駆使するのは非常に難しいのは百も承知なんだけど、TRIKORONAなら、それを具現化するコトが出来ると、俺は信じてるのですよ。
 現在のスタイルで切磋琢磨するのも、バンドとしての基礎体力の向上を図る上では有効だけど、あくまでも修行の一環に止め、最終的には唯一無二のサウンドを目指していって欲しいなぁ。
 てな具合に、なかなか考えさせることが多く、実に興味深い企画でございました。

*1:ウーマンと言うべきか

*2:貝かなんかを繋ぎ合わせたもの

*3:序盤は微かな音量で、終盤にかけてじわじわ音量を上げてました。あんま効果的とは思えなかったけど

*4:もっと長かったか?

*5:どうでもいいですが、VOXのギターの構造ってスゴいのね。背面のパーツを外し、そこから弦を表に挿し込むという、なんとも奇天烈な構造

*6:電源スイッチが逝っただけみたいなんで、リペア可能みたいですが