• じどうはんばいき「初期作品集/A/」

 甘詰留太さん(a.k.a.A・浪漫・我慢さん)ときょーじゅさんの二人サークルで、この本は甘詰留太さんの1994〜96年頃の作品をコンパイルした初期作品集。初見の作品が多かったのですが*1、甘詰さんの現在の作品にも脈々と受け継がれている鬱屈した感情や閉塞した世界観などがすでに描かれていて、なにやら感慨深いものが。絵的にも作品のテイスト的にも、90年代中期頃の炉系同人誌の香りがするなぁ、と。
 当時というか昔の炉系の同人誌って結構退廃的でインモラルでささくれだっているものが多く、今回収録されてる一連の作品は、そんな時代を色濃く反映してる気がしました。なんつーかECHONOCHRIST風味っつーかw。絵的にはまだまだこなれてなくてかなり硬い印象なんだけど、前述したように当時はこのテの絵の系統は多かった気がします。なんとなく昔の猫玄さん辺りに通ずるテイストかな?
 対談も含め手書きのテキストが多く、細かい作品に関する解説や裏話なんかも網羅されてるんで、非常に読み応えのある内容です。ただ、基本的に資料、もしくはアーカイヴとしての価値が高い作品ですんで、マンガ単体としてはオススメしかねます。ある程度酸いも甘いも噛み分けた方にのみオススメしたい一冊。
HP>http://www33.ocn.ne.jp/~nichieto/enter.html

  • 自爆SYSTEM「苺 おねがい☆生徒会長様」

 涼樹天晴さんトコの新刊はおねツイの苺本。跨×苺のサイレントえちマンガ@生徒会長室というシチュ。当初はちゃんとセリフがあったそうですが、そぐわないという理由から急遽カットしてサイレント仕様になった模様ですが、結果的にサイレント仕様で正解だったんじゃないかと。わりと細かくコマを割ってたり随所に視線を絡ませるシーンなんかを挿入しているので、充分に意思の疎通というか感情の交錯する機微なんかを描けていると思います。これでセリフなんかが入ってきちゃうと、ちょっと画面もゴチャゴチャするし、なにより作品のムーディな雰囲気が台無しになってしまったんじゃないかなぁ?いっそのこと冒頭部のモノローグ的なテキストなんかも排してしまっても良かったかも?エロに関しては、涼樹さんお得意の炉系なんだけどむちっとした肢体&ぱっくり描写wも冴えており、作画面ではも文句無し。小説を含むゲストによる寄稿も含め、ヴォリューム面も読み応えも過不足ない、ナイスな一冊でオススメです。
HP>http://home9.highway.ne.jp/jibaku/
ex.>id:PIG-M:20030826、id:PIG-M:20031010、id:PIG-M:20040216、id:PIG-M:20050308

 ここんとこFate本が続いてましたが、今回はひぐらし本です。最近の西月さんお得意のスタイルである軽妙な要素とエロエロを両立させた内容で、薄い本ながらも濃度は相当です。女性陣は観音、レナ、梨花、沙都子と総出演。魅音と詩音のイラストもアリ。気持ち沙都子がメイン風味?個人的にはラストに載ってる「はじめのひぐらし」という一発ネタがツボ。レナのデンプシー・ロールが火を噴いておりますw。全体的に詰め込みすぎな感は否めませんが、ひぐらしにハマってる愛が満ち溢れてるので、それもまた好し。ラフ画なテイストが嫌いじゃなければオススメでございます。
ex.>id:PIG-M:20040909、id:PIG-M:20050126

*1:学漫とかで活動してたのね