• P-n=G「Fake-Be drowned into love-」

 P-n=Gの新刊はFate本。短編が二本収録されてまして、一つはイリヤ×士郎×セイバーの甘々エロ作品。どうもこのサークルの特徴として頭身を下げる*1という傾向が見受けられまして、今回もセイバーが炉化。イリヤと同等といえば分かり易いか。この方向性は「ぷよん」さんの絵柄ともマッチしているので、正解かも。ぷにぷにした体型がナイスです。そして、この作画の傾向はP-n=Gの作品のもう一つの特徴である巨根描写ともリンクしてくるというか。ただでさえデカいちんこと炉の対比っていうのは、背徳感を増幅させますな。ところでこの作品、ちょっと変わったフォーマットで描かれてまして、普通のコマ割りに準じたフォーマットで作画されてるのですが、セリフだけ画面の一角にまとめて載せられており、コマ内の文字は擬音だけ、という仕様。特にセリフを小説っぽくエフェクトしているワケでもなく、ただ単に抜粋してるだけ。実験的な姿勢は評価しますが、イマイチその効果のほどが伝わりにくいというか。
 もう一本はイリヤ×ライダー。こちらはP-n=Gの持ち味の一つであるコミカルなテイストを押し出してまして、いい塩梅のエロコメ風味。放尿のアクセントも効いてますw。
 そういえば、前回のreviewで「某サークルに似てる」と書きましたが、その理由は明快で、某サークルと関係の深い方だったご様子。そりゃー似るわねw。でも独自の進化を遂げてきてると思うので、じきにそんなコト言われなくなるんじゃないですかね?とりあえず炉属性を持ってるんならいっとけ。
HP>http://p-n-g.s55.xrea.com/index.html
ex.>id:PIG-M:20041216

  • BLACK FLY「Do You Believe in Magic?」
  • BLACK FLY「むすんでひらいて」

 最早ヴェテランと言っても差し支えないであろう、池上竜矢さんの個人サークル。昔から好きな作家さんだし同人誌もチェックしてきてるんだけど、意外とココで扱うのは初めてだったり。「Do You〜」はFate本で士郎×凛。最近の商業作品ではコミカルなノリが多いですが、実は池上さんの作品はレンジが広く、コミカルからシリアスまで幅広く魅力的な作品を描かれてらっしゃいます。この本では、池上さんのemoテイストが炸裂。コミカルなテイストとdarkなノリを隠し味に用い、しっかりとエロを活かした切なくも晴れやかな恋物語を描いています。凛のツンデレっぷりも如何なく発揮されており、良い塩梅。
 「むすんで〜」は、ひぐらしや雫、商業作品、各種イラストなんかをコンパイルした作品。ひぐらしではコミカルなノリとゴリゴリのエロが交錯し、ラストは超投げっぱなすというSTUPIDSばりの爆走Thrashノリが最高。商業再録系も基本的にはその系譜で、もう全編"Wipe Out"*2みたいなノリですよw。全編このノリで圧しきるのかと思いきや、ラストにダウナーな雫の非エロ作品が用意されてまして、これが良い!抑制を効かせ、gloomyで鬱なテイストに満ち溢れており、カタルシスのない閉塞した日常に回帰していくという、やるせないラストも秀逸。こういう作品も描けちゃうトコが池上さんの魅力だよなぁ。
 最近は飛ばしてる作品が多いけど、たまにはこんなgloomyな作品も描いて欲しいですね。2冊併せて読むと、今の池上さんの作風の大半はフォロー出来るんじゃないかな?どちらもオススメです。
HP>http://park17.wakwak.com/~blackfly/

*1:=低年齢化。ただし身体だけです

*2:無論"Peruvian Vacation"のテイクw