つーワケで、今日は2004年の俺的音楽事情を振り返ってみようかと。まずはお約束の、昨年の良かったアルバム選。例年ですとディスコグラフィ系は省くのですが、今年はそれを省くと10枚も選べなかったのでw、含めています。選出した基準は、2004年1月1日〜2004年12月31日までに購入した音源の中から愛聴した、あるいはインパクトを受けた音源を選出してみました。なお、デモやシングルは除外しています。また、例年ですと上位20選的なチョイスをしているのですが、今年は20枚も選べなかったので良かったと思えた12枚を選出しました。

  • ARTIMUS PYLE "Fucked From Birth"CD.(PRANK/PRANK 069)
  • CAN'T DECIDE "S/T"CD.(BOSS TUNEAGE/BOSTAGE5145)
  • CORNELIUS "Sounds Like Summer"CD.(Assorted Porkchops)
  • 植田佳奈 "かないろ"CD.(COLUMBIA/COCX-32860)
  • KOTOKO "羽-hane-"CD+DVD.(GENEON/GNCA-1002)
  • LIMP WRIST "Complete Discography"CD.(PARALOGY/PLGY 11)
  • LOVEJUNK "Amstradivarius"CD.(BLIND DRUNK RECORDS/LJBD 001)
  • メロキュア "メロディック・ハード・キュア"CD.(COLUMBIA/COCX-32653)
  • MONSTER X "Complete Discography"CD.(HATER OF GOD RECORDS/no number)
  • OUTKAST "The Love Below/Speakerboxxx"2CD.(ARISTA/828276-50133-2)
  • URANUS "To This Bearer of Truth"CD.(Great American Steak Religion Stonehenge Records/no number)
  • USHER "Confessions"CD.(ARISTA/82876-52141-2)

 ARTIMUS PLYEはeast bayのトリオの2nd。たしか春先頃のリリースだった気が。HC/Punk系のチョイスの中ではLOVE JUNKと共に数少ない現役バンドw。近年主流の叙情派Dark Thrashではなく、gloomyなRaging Dark Thrashを披露してくれてて、最高。これぞHardcore!と言いたくなるような、徹底した攻撃性と重厚でharshなサウンドに、このテのバンドでは久しぶりにグっときました。初来日、観とけばよかった・・・。
 CAN'T DECIDEはlate 80's〜early 90'sにUKで活動していたバンドで、このアルバムは今年リリースされたディスコグラフィ。ex.RIPCORD、HERESYというコトで当時は物凄く期待されていたバンドだったのですが、蓋を開けてみたらRIPCORDやHERESYの面影がほぼ皆無な地味メロディックサウンドが展開されてまして、当時の評価は芳しくなかったです。俺も肩透かしを食らったクチだしw。でも、今聴くと渋くてカッコ良いなぁ、と。このディスコグラフィにはデモの音源なんかも収録されてますが、これがまたCAN'T DECIDEにしては珍しく素直に疾走するチューンで異常にカッコ良かったりするので、当時の音源を持ってる方でも要チェック。
 CORNELIUSは言うまでも無く小山田のほうじゃないんだけどw*1実のところよく知らないバンドだったり。この音源はディスコグラフィ的な音源なんだけど、とりあえずクレジットなんかを見る限りでは90年代中期にNorth Carolinaで活動してたトリオの模様。ディストロでなんか安かったんで買ってみたんですが、これがなかなかカッコ良い。その音楽性や活動時期なんかも含め、なんとなくSWIPEっぽいかなぁ、と*2。繊細で美しいメロディと線の細い、歌と絶叫の間を振幅するvoxの対比が、なんとも言えず切ない。いなたいルックスと微妙に危うい演奏も、また良しw。
 KOTOKOは楽曲単位だとシングルのほうが好きなんだけど、代表してアルバムをチョイス。アルバムとしては地味だけど、意外とlive映えする楽曲だったので、liveを観てから印象がちょっと変わった。でもロック系サウンドよか「覚えてていいよ」「Re-sublimity」という怒涛のトランシーなアッパー・チューン系のシングルの破壊力のほうが強烈。個人的には音色も含めて音楽として新鮮な鳴りなので、余計そう聴こえるんだと思う。
 LIMP WRISTはex.LOS CRUDOSなゲイ・ハードコアのディスコグラフィ。メンバー4人中3人がゲイという、PANSY DIVISION顔負けなメンツなのですが、演ってるコトはCRUDOSサウンドの延長線上なんで死ぬほどカッコ良いRaging Thrash。ほぼ押しの一手だったCRUDOSよか緩急を踏まえた楽曲は、今の俺にはCRUDOSよか心地良い。微妙なYouth Crew風味もナイス。LIMP WRISTでもステージ観たかったな・・・。
 メロキュアの1st&Lastアルバム。ウィスパー・ヴォイス系の透明度の高いツインvoxのハーモニーを活かした清涼感溢るるポップなメロディが魅力。意外とロック風味なアレンジとの相性も良く、そこら辺のテイストが新鮮に聴こえて面白かった。ご冥福をお祈りいたします。
 OUTKASTはソロ×2な仕様なんでちょっと散漫ではあるんだけど、ダラダラ聴くにはこれぐらい隙があったほうが心地良い。最初は派手なAndre 3000のサイドが好きだったけど、最近はBig Boiのほうをよく聴いてます。次はグループとして音源作ってくれw。
 URANUSは当時のインパクトも含め、後のHIS HERO IS GONEやTRAGEDYよか好き。叙情的なフレーズはあるものの、それを凌駕する残虐性と陰惨さを兼ね備えたdarkでgloomyなサウンドが全てを飲み込む。ラフで粗削りな部分があるところも、後のバンドには無い魅力。何度か書いてるけど、俺にはTRAGEDYはソツが無さ過ぎてあんま魅力を感じられないのですよ。無論敬意は払ってるし評価もしてるけど、俺はやっぱUNION OF URANUSのほうが好き。
 USHER。ヘタすっと、今年一番家で聴いてたアルバムかも。適度なアッパーさと下品さ、そしてトロトロに甘いメロゥなテイストを網羅した上質のトラック群と、極上の音の「鳴り」。鳴ってるだけで心地良いです。
 植田佳奈、LOVE JUNK、MONSTER Xは過去にreviewしてるので割愛。
 いわゆる普通のロックとかが全く入ってないっつーのも、らしいっちゃーらしいかもw。邦楽系もちょこちょこチャート番組とかでチェックを入れてはいるんですが、全くフックを感じませんな。アジカンのアルバムは良かったけど、ちょっとシングルの再録が多すぎて新鮮味が感じられなかったのでパス。ま、昨日書いたようにあんま音源買うときに冒険しなくなってるんで、必然的に保守的なチョイスになっちゃうよね・・・。もっと色々新しいジャンルやバンドを開拓したいんだけどねぇ。
 そういった観点から見ると、今年の収穫は声優系というコトになるのかな。以前とは違い、普通にポップスとしてクオリティの高い楽曲が多く、新鮮な驚きをもって聴くことが出来ました。千葉紗子田村ゆかりとかのアルバムも良かった*3し、徐々に水樹奈々とかにも興味を覚え始めているw。昨年のI'veとかにしてもそうなんだけど、やっぱ自分が知らなかったジャンルやアーティストと出会えるっていうのは、音楽を愛する人間にとっての醍醐味の一つだよね。今年もそんな出会いがあることを信じ、様々な音楽を掘っていきたいですな。

*1:そっちのCORNELIUSも好きだけどね

*2:THERE IS A LIGHT THAT NEVER GOES OUTの前身バンド。俺はThere Is〜よかSWIPEが好きでした。もっと言えば、唯一の7"よかデモのほうが全然カッコ良かったw

*3:どっちも自分で編集した音源を愛聴してるので、アルバム単体の印象は弱かった