■
今日は漫画/同人誌関連の2004年事情について。id:PIG-M:20041231のデータを見ていただければ早いのですが、単行本、ラノベ、同人誌を合わせると、年間で1000冊以上買ってんのな・・・_| ̄|○<正直、本人も軽くひいてます・・・。
で、今回はメジャー・同人のジャンルの垣根を取り払い、俺が読んで「面白かった」「沁みた」「エロかった」「衝撃を受けた」といった評価軸の基、20冊チョイスしてみました。中にはサークルや作家として常に好きだけど、今年は「これ」といったリリースが無かったってなケースもありますんで、そこんとこはご了承くださいませ。今回選出した作品に関しては、ウチの日記を好んで読んでくださってる方ならきっとお気に召していただけるであろう内容だと思いますんで、機会がありましたら是非一度ご覧になっていただきたいものです。
- 秋山瑞人「イリヤの空、UFOの夏」(シリーズ)(メディアワークス)
- 絵夢「日記マンガ3」コピー誌
- おおた堂&楓のはらわた「黄昏の気紛れ」
- 我流痴帯「ヒザマクラ」
- CHRONOLOG「Sweet Memory」
- cota「てぐるまみ」
- 今野緒雪「マリア様がみてる 特別でないただの一日」(集英社)
- さくらぢま「この恋〜kono-koi〜」
- 砂々塚「きみとならんで歩く。ぼくといっしょに歩く。」
- 時雨沢恵一「アリソン」(シリーズ)(メディアワークス)
- 千本ノック座談会「ナッ・ツィ・オ」
- 田中ユタカ「愛人[AI-REN]」(シリーズ)(白泉社)
- Digital Lover「DL-RO 総集編 01」
- PEACH-PIT「Rozen Maiden」(シリーズ)(メディアワークス)
- BBBえくすとら「さくらちゃんが大変な事になっちゃう本。」
- 平野耕太「ヘルシング」(シリーズ)(少年画報社)
- Misty Isle「バンブルビーズ」
- 森山大輔「CHRNO CRUSADE」(シリーズ)(角川書店)
- 龍々亭「真田さんのさなさな劇場」「双変2(ふたへんのじじょう)」
- 龍炎狼牙「魂の鎖」(フランス書院)
同人誌が12冊、商業単行本が5冊、ラノベが3冊という結果。なんつーか、買ってる比率と比例してるよーなw。では、各作品ごとに選出した理由を簡単に。なお、同人関連は過去reviewを参照してください。
秋山瑞人さんの「イリヤ〜」は、言わずと知れたラノベの名作。今年の上半期は色々とラノベを買ってまして、その中でも気に入ったシリーズの一つ。エヴァ以降なテイストではありますが、無力感や喪失感、焦燥といった感情の機微をしっかり踏まえた内容と、ラノベならではの夢見がちな設定とが俺のダメヲタ心を刺激する。思春期のうちに読んでおきたい。
「マリみて」は刊行ペースが早いものの話自体は遅々として進まなかったのですが、個人的には昨年度最優秀ツンデレ・キャラであった瞳子が大活躍な一年だったので、それはそれで良しw。俺は祐巳×瞳子推奨派です。
時雨沢さんの作品っていうと世間的には「キノの旅」シリーズなんでしょうが、俺は断然「アリソン」シリーズが好き。Straight Forwardな冒険活劇にして王道極まるBoy Meets Girl*1モノ。先日再放送してた「ラピュタ」に代表される、ジュヴナイルの王道を往く作品には滅法弱い。そいうノリが好きな方は必読。
リリースが遅れに遅れた田中ユタカさんの「愛人」の最終巻がようやくドロップ。真正面から「生」と「死」、そして「愛」を描いた渾身の力作に相応しい、切なくも力強いラストは号泣emoの面目躍如といったところか。全体的に不器用な作品ではあるのだけど、作者の逡巡や想いが如実に作品に反映されていて、俺はそこに惹かれました。こういうのをemotionalと言うのだ。素晴らしいです。
いまさらPEACH-PITにハマるというのもナニですがw、面白いんだからしょうがない。なんつーか印象としてはもうちょっと「萌え」くさい往年のハイ・エンドw系かと思ってたのですが、全然そんな小洒落た風味はなく、キャッチーなんだけど微妙にラフさも残る絵柄で好印象。デフォルメしたキュートな絵柄を効果的に挿し込んだりするトコなんかも好み。DearSの他にもう一シリーズあるので、そっちも買ってこよう。
平野耕太さんの「ヘルシング」の上がりっぷりは凄まじい。完全にラリってるとしか思えない鬼気迫るテンションで叩きつけられる情念丸出しの作画と、パンチライン連発のセンテンスを紡ぎ出すデリヴァリーのセンスの異才っぷりは、完全に常軌を逸しています。絶叫激harsh系のブチキレHCノリで全てを粉砕するキ印作品。U.K.暗黒メタル・クラスト系のジャケみたいなカット満載w。HC好きなら読んどけ。
長き渡るシリーズがようやく完結した森山大輔さんの「CHRNO CRUSADE」。終盤にかけての盛り上がりはかなりのものでしたが、なんといっても最終巻に描き下ろされたエピローグに尽きるかと。長期シリーズの幕引きに相応しい、切なくも美しい号泣emoテイストが沁みる。このラストを読むためにシリーズを通して読む価値アリ。それぐらい見事なラストでした。
龍炎狼牙さんの「魂の鎖」は、商業系唯一のエロ。エロマンガでストーリーものって色々難しいんだけど、この作品は健闘したほうかと。とにかく主人公のキャラの魅力に尽きる作品。一国の皇子から両性具有の肉奴隷へと貶められてしまうのですが、肉体や精神の変遷とその機微を丹念に描写したおかげで、作品の性質上ディテールが不足してしまうストーリーの不足分を補って余りあるキャラ立ちに成功したかと。ちゃんと両性具有にする意味も持たせ「作品」と「エロ」の両立を成立させるあたり、さすがヴェテランといったところでしょうか。
上記の作品、作家、サークル以外で2004年を通して楽しませてくれた方々も参考までに紹介。
近傍租界、Domestic animals、とろりんこ、MAGIC MACHINERY、木村太彦、氏家ト全、あずまきよひこ、篠房六郎、桑田乃梨子、赤松健、堂高しげる、やまむらはじめ、熾鸞堂、沖田雅、キングリボルバー、絶対少女、おかゆまさき、ひぐちアサ、渡辺航、沙悟荘、酸欠集、帝国宇宙軍、広江礼威、楓牙、海藍、ばらスィー、阿部川キネコ、イダタツヒコ、米村孝一郎、和月伸宏
resultを12月から1月まで遡ってリスト・アップしたんで、順番メチャクチャだけど気にすんなw。さすがに今年はもう少し数をしぼりたいですが、相変わらず書店でジャケ買いしちゃうんだろうなw。
*1:この作品の場合はGirl Meets Boy的ではあるが