旧サークル「ぷにょーんソフト」時代のラブひなネタのフルカラー本と、マリみてコピー誌。ラブひなは、しのぶのレイプ・ネタ。今でこそ若干ソフトになりはしましたが、当時の特徴であった陰惨なレイプ・シーンがフルカラーで再現されてます。何故かイントロとラストは軽い風味なんですが、本編はNo Way Outな救いゼロなテイスト。読んでて暗い気持ちになるコト請け合いですw。個人的にはレイプ系は全然ダメなんですが、客観的に評価すれば、ヘタな救いがない分破壊力はあるかと。一方のマリみては、祥子様×祐巳のラヴラヴ・レズ風味。作品毎の落差が激しいのも、なかなか懐が深くて良いのではないかと。ま、ラブひなネタの方が「らしさ」が発揮されてるとは思いますが。
HP>http://blue.ribbon.to/~archives/
ex.>id:PIG-M:20030822

  • イミテーションゲノム「天地幻想 Once upon a time in Vana'diel」

 笹倉綾人さんトコの新刊は、FF11本。かなり健全なファン・ブックの色合いが濃く、以前リリースされたコピー誌の再録以外にはエロ無し。タルの1Pギャグとかが数本載ってて、それが意外と面白かったり。数値系のデータなども多く、そこら辺はゲームやってないとさっぱり分かりませんw。個人的には「山串」のリアル調理ネタがOld School Spirit溢るるノリで面白かったっス。チャットとかも載ってたりして、正しいファン・ブックといった趣。ゲームやってなくても興味深く読める内容だと思います。
HP>http://samchai.versus.jp/
ex.>id:PIG-M:20040627

 菊田高次さんトコはA4サイズの、ちょっと大きめなコピー誌。これが一筋縄ではいかない作品でして、きちんとコマ割してあるのですが、いわゆる普通のマンガのスタイルの作品ではなく、基本的にイラスト&テキストの内容なんですね。イラストとテキストにはある程度関連性はあるのですが(無論脈絡無いのも混じってますw)それをコマ割のスタイルで読ませるっていうアイディアが面白い。つーか、冷静に考えれば菊田さんの普通のマンガでも、こういったアブストラクトな手法って頻繁に用いられたりしてるんで、あんま違和感無いっちゃー無いかも。散文的な内容のテキストもラフな手書きの文字もいいカンジだしw、なんてコトないコピー誌一つとってみても菊田さんの個性が滲み出ていて、読み応えがありました。でも、コピー誌なんでオススメしても入手困難なのが玉に瑕か。
HP>http://ikebukuro.cool.ne.jp/gabba12/
ex.>id:PIG-M:20030825、id:PIG-M:20040114、id:PIG-M:20040627

  • さくらぢま「既刊」「Re:MEMBER MY SISTER」「妹本設定集」

 相変わらず精力的な活動を続ける「さくらぢま」。今回は既刊本も含めて買い逃し分をフォロー。「既刊」は6月のサンクリ・リリースの、お馴染みこみパ本。これがえらく気合の入った内容で、なんでオフセでリリースしなかったのかが不思議なほどのクオリティ。短編3本に実録猪名川町兵庫県川辺郡に実在する町。言うまでも無く、こみパ猪名川由宇の元ネタ)探訪記などのテキストも充実。短編のほうは「この恋」に代表される、「さくらぢま」のオリジナルな世界観での「こみパ」ネタ。勢い重視のギャグや、和樹とちゃん様の過去のエピソード(二人の在りし日のちょっとした出会いを描いてますが、それの衣を借りた同人作家の悲哀が滲み出るコンビニのエピソードが秀逸。かなり他人事ではないものを感じますがw)、そしてちゃん様の高校生活の一幕を切り取った、ちょっと切ないemoテイストなエピソードなど、どれも味わい深い内容。今回は実写サンプリングなどの手法も用いたりして、細かい部分で工夫が見れます。やっぱこれでコピー誌って勿体無い気が。ちゃんとオフセで流通させる価値は充分あると思うのですが、はてさて。
 「妹〜」は、後述する「Re:〜」の設定資料の一部。なにげに解説を由宇やすばるがやってたりして、こみパのパロディのとしての矜持を見せてくれてますw。キャラの設定がメインなんで「これを読まないと作品が分からない」的な内容ではないんで、ご安心。
 で、「Re:〜」はやはりこみパ本で、続きモノの第2話。大志の妹たち(オフィシャルで設定されていたキャラと、オリジナルのキャラ)を軸にした話で、こみパの主要キャラ総出演(とはいえ、過去にさくらぢまの本で出てきたキャラのみですが)。マテバさんとバーニアさんの持ち味である、過剰なまでのやり過ぎテイスト全開でコミカル&パワフルに展開しつつも、同人の世界の様々な問題点を浮き彫りにさせ、それの是非を問うていくような重厚さも兼ね備えています。そして各々のキャラの同人誌に対する主義主張やスタンスなども巧みに反映させ、きっちりこみパのパロディとしての本分も忘れてません。とにかくハンパないぐらい「熱い」内容。作品に対する愛や同人誌にかける情熱などが満ち溢れていて、しかもそれを押し付けがましくなく、しっかりとエンターテインメントとして読み手に提示させている、その力量には脱帽。普通のマンガとしても間違いなく面白いし、こみパをやったコトのある人にとってはさらに読み応えが倍増。これをしっかりと完成させれば、「こみパ」同人誌の輝かしいマイルストーンとなるはず。絶対オススメ。多くの人に読んでいただきたい、素晴らしい作品です。
HP>http://homepage3.nifty.com/dima/index.htm
ex.>id:PIG-M:20031010、id:PIG-M:20040227