• B・W・F "Un-Sentimental"(TOY'S FACTORY/TFCK-88662)

 CAはVeniceを拠点として活動していた4人組の、1993年リリースの3rd。EXCELなんかと共に、SUICIDAL TENDENCIESのcrewの一派として知られてますな。昔(80年代w)、ラジオかスケートのヴィデオかなんかで曲を聴いたコトがあったのですが、なんつーか微妙なスピード・メタル(スラッシュ・メタルとも微妙に違うニュアンス)風味で、いかにもSUICIDALの舎弟くさいwテイストだった印象があったのですが、改名してから一発目のこのアルバムでは随分印象が違います。やはり、アニキ分であるS.T.の名作3rd"How Will I Laugh Tomorrow...When I Can't Even Smile Today"の影響だろうか。
 ド頭から、湿り気を帯びた哀愁ドライヴィング・ハード・ロックが炸裂。矢継ぎ早に、中期STIFF LITTLE FINGERSを彷彿とさせる味わい深いメロディの楽曲へと雪崩れ込み、完全にノックアウト。やべー!超地味wだけどえらくツボなカッコ良さ。個人的には同時期に活動していたBNU(BRAND NEW UNIT。CANADAはVancouverの4人組)辺りを彷彿とさせられましたよ。
 そのサウンドのツボは、やはり主要メンバーたるDale Hendersonが握っている、といっても過言ではなかろう。なんたって唯一のオリジナル・メンバーだし、楽曲も全て手掛けてるし、voxだし。基本は前述した様に湿り気を帯びたメロディなんですが、それを歌い上げるDaleのvoxが実にパワフルで表情豊か。あー、マッチョな風貌といい独裁的な姿勢といい(改名前にメンバー全員脱退したりしてるし)Glenn Danzigとキャラかぶってるかもねw。それはさておき、Daleのvoxと共に味わい深いのがG。このバンドのハードロック感を一手に担ってるっつーかw。ちょっと弾き過ぎなソロなんかもバンバン挿し込んでくるんですが、それがこのサウンドには良い塩梅だったり。時折展開するスピード・メタル風味なパートなんかでも、その持ち味を如何なく発揮。リズム隊に関しては、特にコメントは無しw。メロディとかが濃い口なんで、これぐらいシンプルで手堅い演奏の方が正解なのかも。楽曲自体も良く練られていて、ちょっと全体的に長めではあるんですが、ドラマティックな展開やテンポ・チェンジなんかも巧みに織り交ぜていて、飽きさせません。時折入る、微妙にVeniceっぽいフレーズ(ストリート風味w?)なんかもご愛嬌。曲の並びも良いしね。それと、個人的にポイント高いのがプロダクション。中音域重視の仕上がりで、バンドのドライヴ感を実に見事に表現しきっています。適度な音の厚みが心地好い。
 う〜ん、なんか凄く気にいっちゃってます。いそうでいないんだよね、こういうサウンドのバンドって。グランジとかとも一味違うし、かといって間違ってもemo〜インディ・ロックの範疇ではないし。前述したBNUとかPEGBOYとかV.CARDとか、そんな微妙な立ち位置のバンドには弱いのですよ?骨太なギター・パンクを愛する方は、是非。SUICIDAL一派だからって敬遠してると勿体無いです。_| ̄|○<どうせ中古で安く転がってるしな・・・。
 その後。確認出来る範囲では、1995年に再度バンド名をBEOWULFに戻し、"2¢"というアルバムをリリースしてます。多分、アルバムはこれで最期じゃないかと(詳細をご存知の方はツっこんで下さい)。件のDaleは、2000年に新バンド"KOOL-WHIP"を結成。自らもKool-Whipと名乗り活動してました。かなり真っ当なハードロック(ハードさ薄めの)で、その歌い上げっぷりには拍車がかかってますw。でもスマート過ぎて、個人的にはピンとこなかったですが。
 蛇足。帯とかには「べオウルフ」っルビがふってあったけど、うちらは「べオルフ」って言ってましたが。個人的にはべオルフでお願いしますw。