R.A.M.B.O. "Wall of Death The System"CD.(625THRASHCORE/62560)
 Phillly's Finest、Revolution Anarchy Mosh Bike Overthrow=R.A.M.B.O.の1stアルバム。ウチの日記では、俺が何かに憑かれたの如く「東京公演〜東京公演〜」とバカの一つ覚えみたく連呼してたので、名前ぐらいは皆様ご存知かと。こんだけあおった挙句に「東京来ない?じゃシラネ」っつーのもナニなんで、reviewしとくか、と。
 一応5人組なんだけど、HAPPY MONDAYSでいうところのBezみたいなメンバーなんかもいる大所帯。Youth Crew風味なThrashサウンドに、Fastcoreみたいな突貫テイストを織り込んだ爆走HC。イメージ的には、INFESTをYouth Crewよりにしたカンジっつーか。結構シンガロングなコーラスなんかも挿し込んじゃって、なかなかキャッチーだったりしますが、Lyricは意外とポリティカル。でも、Crust系みたくシリアスでピリピリしたバンドではないところがミソ。
 で、このバンドの最大の魅力は、なんといってもlive。このCDにはlive映像なんかも入ってるんですが、これがもうスゲーのなんの。ハードコアにしては極めて稀なコトなのですが、かなりtheatricalな要素を盛り込んでいるのですよ。もっとも、その要素は客側に集約されているのですが。
 で、件の客がすげーの。なんか皆ダンボールとかでコスを作って、それ着ながら暴れてんのね。しかもtheatricalというだけに、ちょっとした芝居じみたテイストなんかも入ってまして、ヴァイキング側(小さなバイキング ビッケとかのイメージでw)と警察側に別れて、警棒やオノ、盾を構えて大暴れw。なんなんだ、一体w。そんな一幕なんかも織り込みつつ、妙にフルチン率の高いw客席の盛り上がりは沸点へ。客席奥のほうからデカいロボット風味な輩は登場するし(ステージ前方に辿り着く前に、皆にボコボコにされてるしw)メット被ったヤツやら、星条旗マントでキメたヘンなのやら、D.R.I.のTシャツ着たヤツらなんかが、皆ニコニコしながら大暴れ。演奏のテンションは勿論高くて超カッコ良いんだけど、それ以上に会場全体に満ち溢れているハッピーでにこやかなヴァイヴが素晴らしい!最後の方とかはもう会場全体がカオスと化してて、暴れっぷりもハンパない(オノやらなんやらが乱れ飛ぶは、周囲で観てる客にタックルで突っ込んで行くは、ロボットの残骸のダンボールに競うようにダイヴして、それを周囲の連中がタコ殴りにしてたりするわw)んですが、もう皆楽しくてしょうがない!ってなカンジ。こんなにグチャグチャで狂ってるステージは久々に拝みましたよ。これぞ"Show"。
 一昔前だとDOCTOR AND THE CRIPPENSみたくエンターテインメント性満点のバンドなんかもいましたが(大好き!)、最近のバンドではかなり希有な存在かと。こういったFunな要素っていうのは、明らかに今のハードコアのシーンに欠けている要素。voxが着てるジャケットの背中にHERESYのパッチが縫い付けてあるのが象徴的です(この意味、分かるよね?)。この楽しさを近畿、東海の方はナマで味わえるのですよ?さぁ!今からダンボールで衣装を造るのだw。
 liveで思いっきり楽しんで、そして家に帰ってから改めて歌詞を反芻する。これもまた、ハードコアの在り様の一つなのですよ。いつでも苦虫噛み潰してるような顔してるだけがハードコアじゃないんだぜ。そんな、このバンドのバランスやスタンスが、俺にはたまらなく魅力的に映るのですよ。最高!