• ドレポール「レオパル本4」

 レオパルドさんの個人サークルの新刊は、マブラヴ冥夜本。むっちりとしたエロい絵柄を持っていながらも、ちょっとおちゃらけに頼ったりツメの甘さが目立つ作家さんだったのですが、ここんとこは真正面からエロと向き合い、メキメキと頭角を現してきています。今作はレオパルドさんの作品としては一つのマイルストーンと言っても過言ではない、パワー溢るる入魂のエロを披露。その要因の一つには、作画面での進歩が挙げられます。前述したように肉体面の描写は良かったのですが、顔や表情の造形にちょっとクセがありまして、それはそれで魅力的ながらもうひとつ一般受けしにくい、とでも申しましょうか。そこら辺が今作では大幅に改善され、一般的にも受け入れられ易い可愛さを獲得したかと。以前より魅力だった舌に代表される口元のエロさは損なわれていないので、かねてよりのファンも納得。また、初期の作品に顕著だった男キャラのギャグ風味も大幅に緩和。不細工さは引き継がれてますが、それをリアル風に描くことによって中途半端なテレの部分が払拭されています(後半のキャラにかつての名残がw)。相変わらず開脚やバックのシチュやシーンが多く、尻フェチにはなかなかアピールするのでは。かつての軽妙さも捨てがたいのですが、この迷いの感じられないまっすぐなエロっぷりに乾杯。オススメです。

  • PINK VISION「Transaction_One」

 ここにきてコンスタントな同人活動を再開した都築真紀さんトコの新刊は、新作・商業作品の再録・盟友馬並平さんのゲスト原稿の3本立て。新作「A.O.S」は都築さんらしさに満ち溢れた号泣emo。犯罪抑止の名目で製造・販売される人造人間の奴隷。仮にも生命体ではあるが、モノ以下の扱いすら容認されている狂った世界。そんな世界に生きる、一組の奴隷と主人の切ない物語。直接的なBrutalな描写は無いが、テキストやそれを目撃した主人公たちの描写によって、想起させるに余りある効果をもたらしている。「薬物投与」「人体改造」「凌辱」「破壊」・・・陰惨極まるキーワードとは裏腹に、その物語はあまりに切なく儚い。都築さんの持ち味である、青臭いまでの煩悶やヒューマニズムが前面に押し出されており、ともすれば鬱陶しくすら思えてしまいそうだが、何のてらいもなく清々しいまでにまっすぐにそういった想いを描写している為に、素直にそんなメッセージを受け取ることが出来る。正しくEmotionalな素晴らしい作品。大推薦。
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