Californiaの5人組の5th。以前からちょこちょこ耳にしたことはあったのだが、フル・レングスを聴いたのは初めて。ちょっと翳りのあるメロディを基調にしたメロディック・パンク・サウンドは、目新しさこそ無いものの単純に聴いていて心地よい。このテのバンドにありがちな、うわついた雰囲気が感じられないあたりも好感が持てる。
 所謂メロコアのりな疾走するナンバーから軽快にドライヴするチューン、ちょっと激しい展開の楽曲まで、コンパクトながらもそれなりにヴァリエーションを持たせた仕上がりでアルバム一枚飽きずに楽しませてくれます。こういう外連味の無い芸風は嫌いじゃないですよ。

  • VITAMIN X "See Thru Their Lies"(UNDERESTIMATED)

 Dutch Youth Crew Thrasherの雄の1stフルレングス。ちなみに4人組。しっかしこのバンドが来日する日が来るなんて夢にも思わなかったなぁ。昔友人に聴かせてもらった(一緒に買いに行って、俺はONE X MOREを買った)シングルはB級Youth Crew丸出しのもっさいサウンドでお世辞にもカッコ良いとはいえない代物だったのですが、それから2年足らずでリリースされたこの1stを何気に買って聴いた時は、一瞬同じバンドとは思えませんでしたよ。従来のYouth Crewテイストはそのままに、当時猛威を振るっていたThrashテイストを大胆に導入するコトによって、通り一辺なYouth CrewやバンダナThrashとは一線を画す独自の路線を確立。特にこの1stではポンコツ気味な演奏が相まって、なんとも言えない微妙なカッコ良さにシビレまくり。後述する2ndでは演奏や音質などがバッチリ決まり過ぎていてあんま面白味は感じないのですが、この1stはなんとも色んなイミでスリリングw。出来ればこの頃観たかったなぁ。

  • VITAMIN X "Down The Drain"(HAVOC/UNDERESTIMATED)

 で、この2ndはもうがっつりThrashノリ丸出し。や、もうド直球でイカすコト受けあいのカッコ良さなのですが、俺はやっぱ1stがいいなぁ。ってな個人的な嗜好はさておきまして、客観的に評価するならやっぱこっちでしょう。大幅なサウンド・プロダクションの向上(2枚続けて聴くと笑うぐらい)を背景に、US勢とは一味違うセンスを感じさせるヒネリの効いたThrashサウンドを前面に展開。得てしてこういうThrash系のバンドはアルバムだと冗漫に陥りがちだが、このバンドに関してはそんな不安は無用。ミッドの曲でもしっかりと聴かせる辺り、流石はFelix Havocが見込んだだけの事はあるってカンジ。なんだかんだ言っても、これはこれでカッコ良いよなぁ。