Minneapolisの5人組の1st。Moog使いがメンバーに在籍してることからも容易に想像がつきますが、そのサウンドWEEZER〜GET UP KIDS辺りを彷彿とさせる典型的なemoロック。ご丁寧にProducerはEd Roseだし、ここまでくると確信犯だろw。でもって、ここまでやるだけあってそのサウンドのクオリティは高い。つーか最近のpopなだけのWEEZERや地味なGET UP KIDSなんかよか全然カッコ良い(俺的にはWEEZERは2nd、GET UP KIDSは1stしか好きじゃないっていうトコを考慮してね)。単純にキャッチーでポップなメロディが炸裂しまくっていてきっちりとMoogを活かしたアレンジも光り、そして勢いのある演奏をがっつりキメるという文句無しの展開。敢えて難を言えば、前述した様にいささか類型的すぎるという所だろうが、デビュー・フルレングスでここまでやれてれば、さしたる問題ではないだろう。流石にepitaphが目をつけただけのことはある、といったカンジ。上記のバンドとかが好きなら要チェックの推薦盤。

 New Jerseyの5人組の、昨年リリースの2nd。vox&Gでソング・ライティングも全て手掛けているJimmy Gneccoが中心人物のようだが、その才能はかなり非凡なものがある。アメリカのバンドにしては珍しく繊細な感触は、Jimmyの声質もあって昔のRADIOHEADを思わせる。もっともその力量はJimmyの方が上だが(voxとしてはね)。繊細さの中にも激情を忍ばせており、所謂emo系とは違ったベクトルのエモーショナルさを秘めたサウンドは、悲壮さを漂わせつつも凛々しく力強い。ホント突然変異みたいなバンドだな。アコースティックな楽曲も多く、TRAVISCOLDPLAYなんかが好きな人にはたまらないだろう。とりあえずUKギター・ポップ好きならいっとけ。この季節にフィットする、沁みる一枚。オススメです。

  • PALOALTO "Heroes and Villains" (AMERICAN RECORDINGS)

 _| ̄|○<長いことバンド名間違えっぱなしだったよ・・・申し訳ない。思えば出会いも間違いからだったなぁ。レコ屋でたまたまアオリを見かけたらBREATH INって見えたのですよ。てっきりNew School HCのBREATH INのサイド・プロジェクトかと思いまして。だってRick Rubinのレーベル&Produceだったしw。ところがどっこい、帰ってから曲表見たら曲名だったりw。でも、そんな出会いのわりには意外と当たりだったりしまして。SWERVEDRIVERMY BLOODY VALENTINEが好きとか言ってるわりにはギター・ノイズなど殆ど無い、まっとうにCMJウケしそうな線の細いUK風味のギター・ポップだったり。こっちもやっぱりアコースティックを基調にした楽曲が多く、OURS同様TRAVIS辺りが好きなら結構イケるかと。個人的にはRick Rubinが手掛けてるわりには音の鳴りが普通過ぎて、そこら辺には不満が。ま、おかげで一般的には聴き易いかと思いますが。地味だけど良質なギター・ポップなんで、そのスジの方は要チェックかと。

  • V.A. "Deny The Report 4"(TOO CIRCLE)

 先日のINTENSITYの来日公演を主催したex.FOODCHAINの前田さんのレーベルの、日本各地のハードコア・バンドを集めたコンピの最新作。そっかー、もう第四弾になるんだね。前作ではまだ無名だったBLEED FOR PAINやFUTURES、MAN★FRIDAYなんかの電撃系HCなんかが面白かったけど、今回はUNDERGROUNDでは名を馳せているバンドが多いな。
 千葉のHELLISH LIFEは、この中では無名か。日本語詞でまくしたてるカオティック風味なストレート・フォワードなHC。THE MEDITATIONSは名古屋から参戦。90年代初頭のebullition〜GRAVITYを思わせる正統派カオティック・サウンドがナイス。rawな音質も心地よい。UNLEASHも愛知。正統派Thrashサウンドで真っ向勝負。ちょっぴりYouth Crew風味なトコも良し。札幌のBLACK FILM DANCEは、かねてより噂のバンド。ex.BONESCRATCH、NEXT STYLE、PLUGなんかのメンバーが中心になって結成。カオティック風味なディスコーダント・サウンドはなかなかムーディ。rawな音質のおかげでファッショナブル度ゼロなとこが好ましい。ex.FACE OF CHANGEなんかのメンバーを中心に結成されたANMAも同じく札幌。RITES OF SPRINGのカヴァーが嬉しいが、オリジナルはもっとYouth Crewなんだろう。現在活動休止中。BREAKfASTはex.OACのメンバーなんかのバンドっつーか有名だよなw。往年のFRUITYみたくセンス抜群なんだけどThrashなサウンドを展開っていうサウンドで、今回はそのセンスの部分を前面に押し出した楽曲。
 で、このコンピの目玉は福島のFIDO'S BRUNCH。カッコえーの〜。なんつーかジジィ的には「アメハー」っていいたくなるサウンドなんだけど、実はvoxの歌い方がDOCTOR & THE CRIPPENSぽかったりして、もう!もう!!。密かに80年代末のUKHC好き(JAILCELL RECIPESとかINTENSE DEGREEとかHERESYとか、あの辺)なんかにもオススメな、今一番live観たいバンド。単独音源も買うっス。WE MUST BURNは愛知。バンド名からPOISON IDEA好きなのかな〜とか思ったけど、あながち無関係でもないのかな?ってなカンジ。インスト・パートはちょっとそれっぽいかも。結構ゴリゴリ刻んでくる押しの強いサウンドはなかなか面白い。ロッキン魂も搭載されてる辺りに好印象。RISE AND FALLは以前も紹介したけど、ex.HALF LIFE。この渋みはよく比較されるように、後期VERBAL ASSAULTやEMBRACE、SUPERTOUCH辺りを彷彿とさせるが、そこにアグレッションも忍ばせているあたり、やはり一筋縄ではいかない。live観てみたいなぁ。ラストは惜しくも解散してしまったFOODCHAINのラスト曲。とにかく初めて観たときのインパクトは凄かった。ありえねぇぐらいのハイ・トーンで吼えまくるvoxとちょっとひねったファスト・コア・サウンドとの奇妙なアンサンブルの妙なマッチングがとても面白かった。当時は後にMAN★FRIDAYを結成する竹内さんもいたので、いかにスリリングだったかがわかってもらえるだろう。それがきっかけで番組にも出演してもらったんだけど、スタジオに来てもらう途中大栗橋かどっかで事故って車のリア・ガラスが粉々に砕けてた、というイカすエピソードなんかもあったりw。とにかく思い出深いバンドです。この曲は以前よりもカオス度が上がっており、かなり独自色が強くなっていて、上手くすればGUYANA PUNCH LINEみたいな奇天烈系になれたかも、とか思ったり。
 とにかく、これだけ現在の日本のシーンの美味しいトコを揃えた内容で\600という値段(ディストロ価格。店頭では+\100〜\200くらい?)なら文句無いっしょ。オススメの好コンピ・シリーズです。