• THE ARRIVALS "Exsenator Orange"(THICK)

 シカゴ産4ピース・ギター・パンクスの2nd。シカゴのギター・パンクスといえばNAKED RAYGUN〜PEGBOYという系譜がある訳ですが、このバンドも確実にキャリアを積んでそこに近づこうとしています。2000年リリースの1st("Goodbye New World")では派手さこそ無いもののツボを心得た渋いギター・ロックを披露。個人的にもMATICSなんかとともにその地味なサウンドを堪能していたものです。そんなARRIVALSの2ndは、前作よりもロッキン度が増し足腰が強化された印象。ちょみっとDILLINGER FOURなエッセンスも加味、といったところか。グイグイと突き進む要素も手に入れ、充実っぷりが伺える佳作。まぁどのみち地味っちゃあ地味なんですがw。この辺のサウンドってなかなか評価されにくいし支持も得にくい様な印象なんですが、違いの分かる貴殿にオススメ。個人的には大好きなんで、今回も堪能したいと思います。

  • THE BLACKTOP CADENCE "Chemistry for Changing Times"(NO IDEA)

 FloridaはGainesvilleの4人組の唯一のアルバムが待望の再発。地名でピンときた方もいらっしゃるでしょうが、あのHOT WATER MUSICのChrisとGeorgeが参加。他にもARMY OF PONCHのJackらが参加してますが、サウンドはどう聴いてもHWM。しかも最高にカッコ良かった96〜97年頃の録音なんで(HWMのアルバムだと"Fuel for The Hate Game"〜"Forever&Counting"の頃)今のHWMよか全然カッコいい!勿論ただのHWMの焼き直しではなく、そこにヴィオラを加えたストリングス・アレンジが光る。アグレッシヴさもあるんですが、じっくりと練り上げられた渋い楽曲が沁みるのなんの。HWM譲りの間と相まって、実に奥行きのあるサウンドとなっております。プロダクション的にも当時のHWMっぽい仕上がりで(往年のSteve Heritage(ASSUCKのG)@MORRISOUNDじゃないですが)過剰な装飾を排したシンプルな鳴りで文句無し。今のHWMがしっくりこない方にはマスト。個人的にも大絶賛な一枚です。も、最高。

  • GLASSEATER "Everything Is Beautiful When You Don't Look Down"(VICTORY)

 Miamiの5人組screamoバンドの4thはVICTORYからのリリース。アルバム出すたんびにレーベルを移籍する渡り鳥バンドなんですが、はたしてVICTORYにはいつまでいるのかw。個人的には2ndの"7 Years Bad Luck"で知ったグループでして(勿論EULOGY盤)、俺が本格的にscreamoにのめりこむきっかけになったバンドです。絶叫と歌唱の使い分け、キャッチーなメロディ、そして適度なメタル・テイスト。それらの要素のバランスが絶妙で今でも大好きな一枚です。ところがその後のGLASSEATERときたら、まずレーベルを移籍(Fearless)し、さらにvoxのJasonが脱退してしまいまして・・・。Fearlessからリリースされた3rdではDsだったJulioがvoxとなり、新たにDsを迎えての編成。Julioのvoxは正直Jasonより歌唱面では上なんですが、如何せんscreamがショボい(エフェクトでごまかしてたが)。結果的にポップでキャッチーにはなったものの、GLASSEATERらしさは希薄になったと思える内容でした(あくまで個人的には、ですが)。今回のアルバムでは、さらにポップ度をアップ。方向性としては正しいし、実際慣れてきたのかかつての様な違和感は減りました、がたまに挿入されるscreamとかでちょっと萎え。もう叫ばなくていいから。とても聴き易いしキャッチーでナイスなアルバムなんですが、やっぱ2ndの方が好きだにゃ〜というのが正直なトコ。2ndの微妙にいなたいトコとかクセのあるテイストが最高だったのですよ。でも今回のアルバムではもう別のバンドと割り切って楽しむコトが出来たんで、これはこれで良し!とあえて申し上げましょう。客観的には今の方が良いと思うし。でも、出来れば2ndも聴いてみてね。

  • THE MILES APART "Some Memories Last Forever"(GREENRECORDS)

 あぁ、もうカッコ良いなぁ!ってな逆ギレのりで紹介するのはイタリアのトリオの1st。前身バンドは言わずと知れたEVERSORなんですが、ドラマーの脱退と共にバンド名を変更したのでした。実はもう2ndがリリースされてるんですが、なんとなくバンド名変わってからチェックしてなかったんで今回購入の運びとなったのでした。つーかぶっちゃけなんも変わってねーっス。相変わらず熱くて泣けるイカしたギター・パンク・チューンのオン・パレード。その辺の有象無象のヘボいエモ〜インディ・ロック気取りとはモノが違うのですよ?EVERSORの時は来日してくれましたが、また来日してくれんかのう・・・(なんか来てた気もするがなw)。哀愁ギターパンク好きならいっとこう。さっさと2ndもゲットしないとね。