近親シモネタ4コママンガ、待望の第三巻がリリース。冷静に読むと結構エグいネタなんかも混じってるんですが、独特の淡白さとフラットなテンションのせいか、ともすれば清潔な感じさえ漂っていたり。淡々と、しかしシモなネタが永続していく感覚は所謂脱力系とも異なったノリで、かなりオリジナル。同時収録されてる「妹はひまわり組」の方は割と真っ当なシモ系なんで、単行本全体のバランスも良い塩梅。適度に不安定な絵柄といい、良い意味でラフなところが魅力的な作品かと。個人的にはオススメ。

 コゲどんぼさんの新作は「なかよし」連載作。でじこやらなんやらでどうにもイメージが一人歩きしてる感の強い作家さんですが、コゲどんぼさんの描かれるマンガ自体は、真っ当に面白かったりするんですが。本作は掲載誌が子供向けということもあってか、序盤からかなりキャッチーな展開で飛ばしてます。元気がありーの笑いもありーの涙もありーので隙のない仕上がり。しかも要所要所で持ち前のemoさも発揮されていて密度の濃い作品となっております。萌え云々といったカテゴライズでは収まりきらない正統派のマンガなんで、偏見をもってらっしゃる方にこそオススメしたい作品。

 「シャイニング娘。」以来の単行本がリリース。いじめられっコの美少年のチンコがもげちゃって・・・というカンジのお話なんですが、エロマンガ界の大ネタであるチンコもげシチュをこれだけ執拗に扱った作品も珍しい。チンコそのものの特殊性や周囲との関連性も面白く、流石は師走の翁と思わせてくれる秀逸さ。エロ度に関しても相変わらず文句の付けようのない濃厚さで素晴らしい。・・・んだけど、前作同様個人的にはどうにもしっくりこない。原因は明快で、もう一つの大ネタに納得がいかない事です。前作は言わずもがな、本作でもかなりの大ネタが用いられているんですが、正直どうよ?パンチは効いてるかもしれませんが、このチョイスには納得いかないなぁ。敢えてこんな大ネタを扱ってるっていうのは百も承知なんですが、効果的かどうかは微妙。やりっぱなし、投げっぱなし系は大好きな俺ですが、これはそういうのとは別だよね。「そうきたか!」つーよか「ハァ?」ってカンジ。そこ以外は完全にツボな作品なんで、余計納得いかないっつーか。ま、それを抜かせば抜群に面白い作品なんでオススメなんですが。ついでに言及しとくと、ジャケ(特に裏ジャケ)もどうなのかね?ちょっとおざなりなカンジがするんですが。

 自らのヲタ性を晒す自爆系マンガの先鞭をつけた作品の一つの最新刊。一応名目上は妹マンガってコトなんでしょうが(そのネタも壊れてて面白いですが)、やっぱキモはヲタネタでしょう。古いネタから最新のネタ、声優、やおい、同人等のオール・レンジ攻撃は身につまされますっていうか勉強になるかもw。本編の方もキャラが増えてますますカオスっぷりがアップし、まさにやりたい放題好き勝手絶頂な展開。俺なんかよりはもう少しtypicalな古参ヲタの人なんかの方がグっとくるんじゃないかなぁ。俺は知識が偏ってるからね。ともあれ、面白いコトには違いないので、チェックしてみてください。まさかこのマンガ読んで怒るような厨はいないよな・・・。

  • 米根真紀「小桧山中学吹奏楽部」

 虎にてジャケ買い。全然知らない作家さんなんですが、リリース元がラポートなんで納得。俺古参のヲタのクセにファンロードまともに読んだコト無いからな(ラポート・コミックスは結構持ってるのにw)。ついでに言うとニュータイプも手に取ったコトすらない(こっちも単行本はがっつり買ってるのに)。それはさておき、家に帰ってチェックしてみたら1年前のリリースだったのでびっくり。一応平積みになってたんで新刊かと思ってたよ。で、中身なんですがタイトルまんまな中学校の部活もの。ありふれた日常の機微を描いていくタイプの作品。何度か書いてるケドこういうのには弱いです。しかも高校の頃合唱部だったんで(笑わないように)、ブラバンとの因縁も浅からぬものがw(や、実際は仲良かったんですが)。設定がやたら細かく決められてるのはファンロードならではか。全体的に薄味ではあるけど悪くはないです。「かっちぇる」(かわくぼ香織講談社)みたく地域ネタとかも織り込んであればもっと面白くなりそうだったが。蛇足ですが作者名は「べいこんまき」と読みます。念の為。

 町田のまんがの森でポスターを見かけ、どうにもフックを感じたので購入。様々な年代のダメで冴えない男を描いた短編集。なんつーかもうダメ人間には刺さり過ぎるセリフが満載で、堪えられない人もいるのでは。ここでの登場人物たちは基本的に「なんとかしなきゃ」と思ってる人が大半なので、まだ救い様があるだろう。リアルにダメな人間はそういった現実に正対することすら出来ないからね。このままじゃダメだ、と思って行動したとして報われるワケでもないんですが、言うまでも無く何もせずに傍観してる人間にはそんな人を哂う権利すら無いワケで。そんな痛い作品の間にイメージどおりなガロ系っぽい話が挿入されてます。人によってはこんな風に考えるコトすらアホらしいのかもしれませんが、タイトルとかにちょっとでもフックを感じた人にはお薦めします。俺は好きです、こういうの。