• Chill Out「淫縛乃巫女」

 ナコルル大好き深水直行さんの個人サークルの新刊は、お馴染みナコルル凌辱モノ。深水さん、というよりも昨年の冬コミでリリースされて、一部のフリークス諸氏を熱狂の渦に巻き込んだ「淫辱ノ禍実」の原画の方、といった方が分かりがいいだろうか。今回はサムスピ10周年を記念しての大作、といった趣でその前編が収録されています。今作を一読して感じたんですが、ちょっと絵柄が変わりました。全体的に少々ぷにっぽいテイストになっていて、炉でキュートなテイストが加味されました。やはり「淫辱〜」でゴア・グラインド欲が満たされてしまったのでしょうかw。でも、やってることは変わらないんで、逆に破壊力が増しています。ちょっとぷに入った愛いナコルルが触手に肛辱され、脱糞してしまう・・・。萌え<死んだ方がいいです。前編というだけあっていささかソフトめな印象ですが、後編ではもっと気合いれたシチュで責めてくるそうなんで期待したいところです。

  • Domestic Animals「出産」

 なんか濃ゆいタイトルが続くなぁw。妊婦モノからオリジナル・ファンタジー(非エロ)まで幅広いフィールドで活動されてる村雨丸さんの個人サークル(後でレヴューする鋏家とはほとんど兄弟サークルといった感もありますが)の新刊はタイトルどおりの内容です。相変わらず何気に猟奇で狂った設定ですが、ほぼ出産シーンにのみ比重を置いた展開はインパクト大。呼吸もラマーズ法だしw。可愛い絵柄で狂ったストーリー、という村雨丸さんの魅力が如何なく発揮されたショート・チューン。村雨丸さんはかなり実験的な作品なんかもリリースしたりするので、目が放せない作家さんの一人です。

  • とろり「Small Potatoes」

 とろりんこの初オフセキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!!!!いやーついに出ましたよ、とろりさんの初のオフセット本。今まではコピー誌オンリーだったんで、とにかく入手困難だったんですよ。個人的には結構前から(とろりさんが誰も知らないかも、っていってる白雪のコピー誌あたりから)好きなサークルだったんですが、最近はほとんど入手出来なくなっていたので(コピー誌とか瞬殺だし)こうやってオフセットで(ある程度)確実に入手出来るようになって嬉しい限りです。初オフセは過去のシスプリコピー誌の再録本。とろりさんの魅力は、やっぱ可愛い絵柄でありながらやたらねちっこいエロ描写を展開させるとこでしょう。勢い重視のハードコア・スタイルではなく、粘着質なストーナー・テイスト、といった趣。このねちっこさがエロいんじゃよ。これで入手しやすきゃ文句ないんだけどね〜。このシスプリ本にしても、これで打ち止めとは言わずに、是非とも残りの原稿もオフセ化していただきたいものです。オススメ。

 みさくらなんこつさんの夏の新刊は、タイトルどおりのゆめりあ本。ハースニールはそこそこ初期から(Belladonnaからだからあんま早くないが)チェックしてるサークルで、みさくらさんは大好きな作家さんの一人です。この人の魅力は多々あるんですが、代表的なとこを幾つか挙げるとするなら、まず真っ先に挙げたいのが幼児退行白痴エロ・テキストです。書き文字もコミで、この人のテキストはいい味出してますよね〜。セリフは勿論エロいやらおもろいやらで、このノリがたまらんのですが、普通のテキストなんかも独特の調子で綴られていて、このセンスに反応しちゃう人はハマるんですよね。逆にいうと、このノリに全く反応しない方にとっては、全然みさくらさんの良さが分からないという(実際にそういう友人も何人かいますし)。それと、個人的にはラフの一枚絵もポイント高いんですよ。ともすれば漫画よりも好きなケースがままあるという。今回も巻末に何枚か載ってるんですが、こういう一枚絵だと、よりみさくらさんのテキストの破壊力が際立つのですよ。結構テキストで状況説明しちゃうんで、テキストが過剰になるワケでして。その結果、もうたまらん言語世界が展開されるのですよ?その最たる例としては、以前リリースされた鰤本の巻末(サンクリで出た鬼脚堂とのsplitの方)の鰤が飛び跳ねてオナニーしてる絵があるんですが、あそこのテキストの一節の「ぴょんぴょんちゅき〜」っていうフレーズが、もうたまらなくツボに入ったんだよねー。今回もナイスなセンテンス満載で、期待を裏切りません。しかも完成原稿で結構丁寧に描かれてるし(じつはちょっとラフなくらいが好きなんで、ここはなんともいえないんですが)で気合満点。ゲスト原稿もあるし、謎の実写ネタ(昔っから好きだよなー、こういうの)やキバヤシネタという飛び道具(しかもそれだけじゃない)まで搭載して、ほんっと好き勝手絶頂な一冊。オールド・スクールにも通ずる悪ノリも許せる濃厚な仕上がり。勿論オススメです。

  • 鋏家「夢想錬金」

 クロスオーヴァー・パロディで毎回楽しませてくれるサークル、鋏家(ハサミウチ)は、海老沢赤斉さんの個人サークルです。ここ最近は月姫ベースなんですが、今回はなんと武装錬金和月伸宏)を絡めてきました。相変わらず意味深なセリフと小気味いいアクションとケレン味たっぷりの展開で楽しませてくれます。こういうやりたい放題やってる作品に出会えるのが、同人誌の醍醐味です。結構発行点数が多いんでフォローしていくのが大変ですが、前述の村雨丸さん共々、毎回新刊が楽しみな作家さんの一人です。

 うすいけんさんの個人サークル、バター軒。今回入手できたのは2冊。「Final〜」は過去に出していた格ゲー本の総集編。俺が初めて買ったのもこのシリーズでした。今よりもG=ヒコロウテイストが強めなのが微笑ましい。「Over〜」が月姫メルブラ本。この人の魅力は、やっぱ独特の画風と分けては語れないでしょう。リアル頭身のカッコよさ&綺麗さと、SDキャラの可愛さのギャップが目を惹きます。それにプラスしてかなり投げっぱなしかつ激しい展開で強引に突き進んでいく突進力が、かなりオリジナル。G=ヒコロウの影響は丸見えですが、他にも細々とサンプリングしていて、系統的にはクロスオーヴァー系といえるかも。ただ、そんなコトは瑣末な話で、うすいさん本人のオリジナリティがそれらの要素を飲み込んでいます。ポップでキャッチーなんだけど、ものすごくカオティックでもある、というなんとも不思議な世界を構築しているし、何より楽しそうに描いてる雰囲気が伝わってくるんで、とても好感が持てるワケです。ちょっとクセが強いですが、一読の価値あるサークルです。