• MOGWAI "Happy Songs for Happy People"(TOY'S FACTORY)

シングル"My Father,My King"を挟んでの、2年ぶりの4thをドロップしたU.K.の至宝MOGWAI。往年のシューゲイザー系w大好きっ子な俺としてはたまらんバンドの一つなんですが、今作はヤバいです、つーか死ぬる。前作"Rock Action"は冒頭の"Sine Wave"があまりにも名曲過ぎた故に、いまひとつアルバム全体の印象が薄いんですが(音響的には良かったんですが)今回はアルバム一枚としての破壊力がハンパないっす。冒頭からソソる展開でじんわりと攻めてくるんですが、まずはM-4で昇天。たまんね〜!!なんだ、この甘美なまでのホワイト・ノイズの渦は。あぁ、蕩けそうそうだよ・・・。静謐なM-5を挟んで、徐々にサイケデリックに高揚していくM-6。ストリングスの調べが美しいM-7、ピアノの旋律に少しづつ打ち込みや電子音が絡み合っていくM-8、そして官能のM-9。コンプ効きまくりなドラム、共鳴するノイズ、螺旋の様に堕ちていく感覚・・・素晴らしい。敢えて難を挙げるとするなら、曲が短いこと。1曲20分くらいでお願いしたいものです。今年のベストに限りなく近い一枚。当然大推薦でございます。

  • POISON THE WELL "You Come Before You"(ATLANTIC)

 フロリダの5人組の3rd。古巣TRUSTKILLからメジャーに移籍しての第一弾。このバンドは元々ニュー・スクールの系譜で括られていたが、前作"Tear From The Red"でぐぐっと台頭してきたサウンドは、もはやニュー・スクールの範疇では収まらないスケール感を漂わせている。昨今の安易なscreamoとは一線を画する本物の絶叫カオティック・ハードコア。絶叫&歌唱の使い分けもより鮮明になり、若干アグレッシヴさは減退したかもしれないが、よりメリハリが効いたサウンドの破壊力は全く衰えていない。ときにムーディなテイストすら醸し出していて、より凄みを増したといえよう。プロデュースにはREFUSEDも手掛けた(「Songs to Fan The Flames of Discontent」とか)Pelle Henricsson & Eskil Lovstromを迎え、磐石な仕上がり。いま最もライヴが観たいバンドの一つ。カッコいいっす。

  • YELLOWCARD "Ocean Avenue"(CAPITOL)

 カリフォルニアの5人組のメジャー移籍第一弾。インディ・ロック〜ポップ・パンク系なんですが、ちょっと面白いのがヴァイオリニストが在籍してるトコ。演ってることはギターと変わんないんですが、ヴァイオリンのトーンがこのテのサウンドのなかにあっては新鮮に響いて、ポイント高いです。俺は"One For The Kids"リリース時に初めて購入したんですが(無論国内盤未リリースの頃)、当時からお気に入りのバンドでした。当時やってた番組でも頻繁にかけてたし。その頃のサウンドは今よりちょっとチープだったんですが、楽曲のクオリティは高かったし、勢いもあって今でも愛聴してる一枚です。それ故に今回のメジャー移籍も当然の事として受けとめています。今作で聴けるサウンドは、前作よりもより楽曲を聴かせる方向にシフトしていて、間違いない一枚。ポップでキャッチーな楽曲のオンパレードで、実に爽快感溢るる仕上がりです。voxの歌いっぷりもナイスなんですが、ギター&ヴィオリンのストリングス隊の充実っぷりも特筆モノ。無論疾走するナンバーも健在で、M-8の痛快っぷりは前作ファンも納得のカッコよさ。今回のアルバムも長くお世話になりそうな、大推薦盤。