2010年私的エロ漫画10選(五十音順)

坪井産婦人科医院物語快楽出産のススメ (XOコミックス)

坪井産婦人科医院物語快楽出産のススメ (XOコミックス)

 同人時代から多彩でマニアックな属性*1の作品を描いてらっしゃいましたが、商業でもその姿勢は変わらず、むしろ研ぎ澄まされていってる印象が。この本でも、産婦人科を舞台に医療行為の体を装った雑多なプレイの数々が織り込まれており、ニッチな性癖を持った変態紳士諸氏のハートを鷲掴み。中でも、多人数同時水中出産シーンは圧巻の一語に尽きます。何気にサブヒロインが女装青年(not少年)なところも高ポイント。
アナルエンジェル (SANWA COMICS No.) [アダルト] [コミック]

アナルエンジェル (SANWA COMICS No.) [アダルト] [コミック]

 エロ漫画なのに登場人物が全員男という異色な作品・・・のはずなんだけど、全く以って違和感を覚えないのは何故なのか。安易にふたなりに逃げず、あくまでも♂×♂というシチュにこだわり、高らかに男性器への愛を謳い、その思いの丈を綴った逸品。スピンオフ作品の極北の一つであるところも見逃せない。
にょう☆どう? (MUJIN COMICS)

にょう☆どう? (MUJIN COMICS)

 こちらは、徹頭徹尾尿にこだわった作品。今や潮やら尿はエロ描写のアクセントの一つとして日常的に用いられてますが、そういった通り一遍の尿描写とは一線を画す姿勢で描かれている「飲尿アリス」シリーズが印象的。「文化として飲尿が尊ばれている国から留学してきた王女と、普通の日本の学生とのboy meets girlモノ」という奇を衒うにも程が有る設定なんですが、尿溢るる作品であるにもかかわらず読後感が爽快で良い話に思えてしまう理不尽な説得力に乾杯。もっと長い尺でじっくりと描いて欲しかったという感も否めませんが、その辺は今後の作品に期待ということで。
女の子バザー (セラフィンコミックス)

女の子バザー (セラフィンコミックス)

 昨年は1月と12月に単行本が出ましたが、1月に出た作品をチョイス。最近はNTR系に傾倒しつつあり、最新作ではそういった傾向の作品が多く収録されており、この本にも勿論そういった傾向の作品が収録されてはいるのですが*2、他にも堕ちモノやラブラブもの、ファンタジーものといったテイストの作品も収録されていて、雑多ながらもバランスの良い構成になっているところが個人的な嗜好に合った次第。印象的な作品は、イントロとアウトロを飾り、タイトルの元ネタにもなってる「バザー」。学園という閉鎖空間の中で展開される堕ちモノ、というold schoolなエロゲのバッドエンド風味な内容なのですが、All For One,One For Allなノリや、次世代にも続いていくであろう負の連環を示唆するような伏線、そして救いの無いオチという構成が綺麗にハマってて、良いカンジの後味の悪さが魅力的。
ちゅーちゅーちぇりー (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

ちゅーちゅーちぇりー (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

 同人だとふたなりや触手のオンパレードといった印象が強いのですが、商業作品だとムチムチでラブラブってカンジですよね。この本もそういった傾向の作品でまとめられています。むっちりとした肉感の描写が魅力なのですが、それが貧乳のキャラとかにも活かされてるところが良いなぁ、と。
TOILET GIRL―鬼畜の蠢き (MUJIN COMICS)

TOILET GIRL―鬼畜の蠢き (MUJIN COMICS)

 凌辱一筋二十余年。エロ漫画界のCripple Bastards*3とでも評したくなる堀川さんの最新刊。80年代の頃から基本的なテイストは絵柄的にもストーリー的にも変わってないのですが、弛まぬ研鑽&先鋭化の末、独自の個性を獲得したのではないかと。ちなみに、今回もNTR&凌辱で大惨事という全くブレのない内容でございます。個人的には、激しくlate 80's〜early 90's臭のする絵柄も高ポイント。今時の世代にはどういう風に見えるのだろうか?
母の哭く家 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

母の哭く家 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)

 近年は再販モノのリリースが目立ってましたが、これは純然たる新刊。お馴染みの人妻モノも悪くないのですが、個人的には、濃密で匂いたつようなエロ描写はそのままに、しかし軽妙な味付けで仕上げてくれた「物影堂古書店」シリーズがツボ。こういったテイストの作品も描き続けてくれると嬉しいな、と。
あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)

あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)

 コアマガで描くようになってから一気にブレイクしたって印象が強いですね。基本的な路線はジーウォーク時代から変わってないと思うのですが、ラブラブで甘々な路線に特化したのが功を奏したのか。今回はコアマガからのリリースということで、前述したような甘々でイチャイチャな作品がてんこ盛り。絵的には、やはり乳が最大の魅力だとは思うのですが、細めの腕や指、膝下の脚の描写も良い味出してると思います。アンバランスの妙っつーか。
(成)放課後ストロベリーバイブ (メガストアコミックス)

(成)放課後ストロベリーバイブ (メガストアコミックス)

 多分少女漫画を通ってきてるタイプの作家さんだと思うんだけど、そのわりには絵柄が肉感的なところが面白くもあり興味深くもあり。ちょっとひねりを効かせた軽妙洒脱な話のテイストも良い塩梅で、非常に読んでいて心地よい。今のところ短編作品ばかりなので*4、続きモノの作品も読んでみたいトコロ。
乳づくし (Mujin comics)

乳づくし (Mujin comics)

 今風とは言えない絵柄や擬音等の書き文字の粗さ*5がたまらなく愛おしい、正しく「エロ漫画」と冠するに相応しい作品。重量感溢るる肉の描写が持ち味。もっと完成度の高い作品は掃いて捨てるほどあるんだけど、Death YellとかParabellumとかに通ずる雑然かつ混沌とした地下臭が好事家=自分の心をくすぐったワケで。

*1:垂れ乳だったり腋毛だったりスカだったりNFだったり

*2:単に女性がNTRのではなく、女性が男性を弄ぶタイプのNTRという、かねてより流一本さんの作品で見受けられたタイプの作品

*3:活動歴もほぼ同じだしw

*4:単行本描きおろしは続きものだったけど

*5:字体がわりとライトなので、前半に収録されてるようなコメディ・タッチの作品との相性が良い