5/24の記憶

 先週の土曜は、Lemmyのレコーディングを見学してきましたよ。


 実は、当初の予定ではレコーディングに顔を出すつもりは無かったんだけど、数日前にLemmyのvoxであるゴウから電話を貰いまして、その際の真摯な姿勢にちと感心したせいもあって、つい「レコーディングも顔を出せたら出すよ」的なコトを口走ってしまいまして。口約束だったし確約してたワケでもなかったんだけど、最近のLemmyの充実っぷりを各方面から聞き及んでいたから、その成長っぷりを我が目と耳で確かめるべく、スタジオに足を運ぶことに。どうせなら昼過ぎから行こうかと思ってたんだけど、就寝前に旧友から電話をもらっちゃって寝るのが遅くなってしまったせいもあって、家を出たのは14時半過ぎ。スタジオ近くの酒屋で買うよか安いからっつー情けない理由から近所のスーパーで差し入れの酒やソフトドリンクを買い込んだ結果、小1時間の道中5キロ以上の荷物を抱えるハメになってしまい、微妙に後悔しつつ一路新宿へ。結局、スタジオには16時頃到着という体たらく。ちなみに、録音は 17時までの予定だったりw。一刻も早く重い荷物から開放されたかったので、到着早々酒とかをテーブルに並べると、周囲の面々から「差し入れっすか?」的微妙なリアクションを返される。・・・いい年こいたおっちゃんになると、色々気を使うようになるんだよw。


 レコーディングは、既にリズムトラックを録り終えており、残すはvoxとコーラス、ギター・ソロのみ。せっかくなんでvox録りの時に中で見学させてもらう。勢い重視なのか、音源は音源でライブとは別物として捉えてるのか訊くのを忘れたので、最低限気になる部分のみにちょこちょこ言及してみたり。レコーディングという特殊なシチュエーションのせいか、ゴウは初レコーディングだったんで当然といえば当然なだけど、ちと硬かったかしテンパってたかも。でも、スタジオ内が良い雰囲気だったんで、最終的には満足のいくテイクが録れたっぽいので、コーラスの録音に移行。行きがかり上ワタクシが歌詞カードを持つことになったので、必然的に皆がワタクシの方を向くコトになったのですが、なんつーか、エサを求める雛鳥の集団風味な光景っつーかw。ちなみに肝心のコーラスなんですが、ゴウがトチったり、録音出来てなかったりといった素敵なアクシデントがあったので、失敗。そしてタイムアップ。無論、ギター・ソロの録音も出来ずじまい。この時点で時刻は17時。朝の10時から始めてたし慣れない作業の連続で結構疲弊してたと思うのですが、ここでGのサトシ君がすぐさま空いてるスタジオを探し始め、別のスタジオを19時から2時間押さえることに成功。かくして、2時間の休息の後レコーディングを再開することと相成ったのでした。休息中は食事組と下北散策組の2班に分かれたのですが、ワタクシは当然食事組に帯同。ちなみに食事組はht君、サトシ君、Bのノガミ君、ワタクシの 4名。せっかくだから豚珍館に連れて行こうと思ってたんだけど、2時間近く時間を潰す必要があったので、長居出来る浜勝に落ち着く・・・前にソフマップでワタクシが

プリンセスラバー!  初回版

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の予約をしたのは、ココだけのヒミツだw。例によってグダグダと愚にもつかない会話を繰り広げつつ、鼻からカツが溢れそうになるくらい喰らったところで店を後にし、次なるスタジオ目指して移動移動。


 今度のスタジオは、新宿書店跡地の向かい側にある某所。当初は6畳の部屋を押さえてたのですが、空きがあったし値段も劇的に変わるワケでもなかったので10畳の部屋に変えてもらったのですが・・・これが大失敗。なんとこの10畳の部屋は真ん中に太い柱がそびえ立ってるせいでデッドスペースが発生してたり圧迫感があったりで、体感的には6〜7畳クラスの居心地。この事情を知ってたら絶対借りねぇ(笑。ともあれ、愚痴をこぼしつつもセッティングに取り掛かり、再度コーラスを録音。ant君とyy君が離脱したけどtk君が新たに加わったので、さほどパワー・ダウンした感はなく録れたのではないかと。


 残すところはサトシ君のギター・ソロだけとなったので、他の面々は一気にリラックス・ムード。一方のサトシ君は微妙にテンパり気味でリテイクを繰り返す。無駄に室内に人がいたらプレッシャーになるかと思い、残り時間30分くらいのところで一旦退室して携帯の電波の入りトコまで赴くと、クラブイベントに行っていたyki君からメールが。「まだやってますか?」との問いに、「多分もう1時間延長するから、おいでませ」的な返信を勢いでしてみたり。言うまでも無く、この時点で延長は確定事項ではなかったのですが、サトシ君のテンパり具合を鑑みたり、何よりせっかくの機会なんでスタジオライブをしてもらいたかったので、6畳の部屋を1時間だけ押さえるという暴挙に打って出るw。幸いというかなんというかサトシ君のソロは時間内に録り終わったのですが、作業を終えた高揚感からか更なる延長という選択に否定的な見解が出なかったので、スタジオライブに雪崩れ込んだワケで。前半30分は、ht君がDs、el君がG、ゴウやtk君がvoxという編成の即興death〜grindバンドの演奏が主だったんだけど、 voxが高音と低音に分かれてたり、el君がリフじゃなくてメロディを主に紡いでたり、ht君がタイトなドラミングをキメてくれたせいもあって、思いのほかカッコ良かったのが印象的w。リズムギターとベースを加えれば、普通のバンドとして機能しそうだ。


 そうこうしてるうちにyki君が到着したので、いよいよLemmyのお披露目ライブを敢行。レコーディングではテンパってたけど、ライブとなったら皆別人のようにイキイキとして弾けまくり。特にゴウの、良い意味で引く事を知らない熱唱っぷりが眩い。レコーディングの際に片時も歌詞カードを手放さなかったのがウソのようだw。サトシ君のギター・ワークも、ソロでテンパってたのはなんだったのか、とツっこまずにはいられないくらい熱く、そしてメロディアスなフレーズを紡いでくれてました。そして、ナマで演奏するのを初めて拝んだノガミ君とガモウ君のリズム隊も、別のバンドでも組んでいるとはいえLemmy に加入して数ヶ月しか経ってないにも関わらず、最初っからこのメンバーで演てったんじゃないか?と錯覚させられるような一体感を醸し出していて、ビックリ。


 メンバー一同、熱い音を放ちながらも実に素敵な表情で演奏しており、メンバー全員が同じ方向を向いて、同じ志を抱いてやってるのが音からも見た目からも伝わってきたので、不覚にも胸が熱くなる。ここまでの道のりがけして平坦ではなかったことを多少なりとも知ってるので、ようやくスタート地点に立てた歓びを爆発させている皆の姿を目の当たりにしてしまうと・・・ねぇ?これからも紆余曲折があると思うけど、

とさくらタンばりの励ましの言葉を送りたい。ワタクシが言ってると思えばご利益倍増。


 客観的に観ても、大倉さんがvoxだった頃のAssaultを彷彿とさせるメロディアスなジャップコアのテイストを基調としつつも、リズム隊は US風味な歯切れの良い演奏に終始しており、voxも言葉を詰め込んでまくしたてる所や日本語を多用する面においてはジャップコアのエッセンスを醸し出しつつも叙情性とは無縁であるため、基本的に音はドライ。そのバランス感覚は結構独特で、それこそが今のLemmyの魅力だと思う。基本的にどの曲にもシンガロング出来るようなフックがあるのもポイント高め。本格的なライブ活動を前にこれだけの完成度を誇っているのは、やっぱ並ではないと思う。レコーディングを覗いた感じではまだまだ伸びしろがあるので、今後が楽しみ。


 てなカンジで、手持ちの曲*1を全部演ってライブ終了。その後は時間がちょっと余ったので、yy君やサトシ君らがやってるサイドバンド「闇討ち」のライブも敢行したのですが、本来のvoxであるbsちゃん不在だったためel君が代理という特別編成だったので、実態は今ひとつ掴めず。しかしel君がvoxしてる姿って90年代のebullitionやgravityのバンドみたいで絵になってたなぁw。

 
 そんなこんなで時間いっぱい使い切って終了。いやもう実に楽しかった。スタジオを後にしてからは、ウェンディーズで23時頃までダベってお開き。思いのほか長丁場になっちゃったけど、貴重な機会に立ち会えたので問題なし。若人たちの未来に幸あれ。

*1:未完成の曲も含む