先日、ひょんなことから昔のコミケのカタログを発掘しまして。それは、1988年の夏コミのカタログ(C34)。ワタクシにとっては4度目のコミケ参戦にして初の晴海来訪となった思い出深い回でございまして、ウワサに名高かったガメラ館を目の当たりにしたときの感動は筆舌に尽くし難いものがありました。当時はまだ地方在住の身だったのですが、中1までは東京在住だったおかげで都内に友人が点在してまして、コミケのシーズンになると友人宅を渡り歩きながらコミケと西新宿のレコ屋街を堪能するというステキな夏季・冬季休暇を満喫。なけなしの資金の使い道に四苦八苦したものです。同人誌3冊買うかLP買うか、みたいなw。今なら迷わず同人誌の一択ですが、当時はまだまだピュアだったのですよ?1989年からは東京に復帰したので、コミケ事情も大幅に改善・・・のはずだったんですが、ちょっとおかしなコトになってしまいまして。大都市圏に転居&大学生という環境&身分の変化に伴い、地方で細々とバイトしてた高校時代よりも金銭事情が圧倒的に好転したせいか、後先考えない金の使い方をするようになってしまいまして。
 東京に帰ってきたとはいえ、住居は都下。始発で出ても晴海に着くのは早くても7時半頃というお寒い環境。そんな状況を打破すべくワタクシは取った行動は、都心のホテルに宿泊するという手法。それだけでも相当イタいですが、一番狂ってた頃はもっと凄くて、22時頃にチェックインし、ひとっ風呂浴びて即就寝。そして3時頃にチェックアウトし、ホテルからタクシーで会場に向かい、C館最後尾に陣取るというスタイルを実践。我ながらツっこみどころが多すぎて、なんと言っていいものやら・・・。とりあえず、当時のワタクシはどうかしていた、とw。
 ところが、ある時ふと気がついたのですよ。
「ホテル代とかを同人誌購入の費用に回せば、もっと買えるんじゃね?」
 そのコトに気付いてからは「終電で出かけて喫茶店で夜を明かし、始発で会場に向かう」というスタイルがデフォとなりました*1。特に89年の冬コミからは会場が幕張メッセになったおかげで、自宅から始発ってな選択肢は事実上消えまして、コミケの度に新宿の喫茶店で時間を潰すという行動がデフォとなったのですが、これが意外と辛くてねぇ・・・。最大のネックは、この頃は一人で行動してたってコト。単身、普通の喫茶店で深夜に数時間時間を潰すっていう行為の無為さっぷりときたら、これまた筆舌に尽くし難いモノがありますw。とは言え、当時は終夜営業してるマンガ喫茶なんて無かったから、他の選択肢は皆無に近かったんだよねぇ・・・。進学や就職のせいで都心在住の友人がいなくなってたっていうのも痛かった・・・。
 つーか、今にして思うと、よくもまぁたった一人で開場までの10時間を耐え抜いていたなぁ・・・と感心。まだケータイも一般的な時代じゃなかったから、開場までの時間ってホント他者と接点が無くなっちゃうんだよねぇ。だから、当時は周囲の人とコミュニケーションを取りながら時間を潰してました。そこから友人の輪が広がって・・・ってなドラマティックな展開は皆無で、ほんのひと時を共有するだけだったんだけど、それが結構楽しかったりしたのよねぇ。なんせ基本的に同好の士だから話も弾みやすいし。最近はサークルで入場するケースが大半だし、一般の場合も友人らと一緒だから滅多に他者と交流する機会には恵まれないケド、年に1〜2回くらいは外周サークルの列に並んでるときとかに、なんとはなしに周囲の人と話したりするコトがあったりして、それが密かな、そしてささやかな楽しみになってたり。「袖触れ合うも・・・」じゃないけど、そんな機会を活かしてみるのも、また一興。無論、中には当然イタい方なんかもいらっしゃるので、そこら辺は自己責任でお願いしますw。
 でも、即売会の楽しみの一つには間違いなく「交流」っていうのがあると思うんで、ちょっとした縁を大事にしてみても損は無いんじゃないかなぁ、と。好きなサークルの本を買うときにちょっと一言*2添えてみたり、気になるTシャツを着てる一般参加の方にサークル側から声をかけてみたりw。勿論臨機応変に空気を読まないと「単なるキモい人」って認識されちゃうケド、まぁそれはそれでw。あとでその作家さんのblogとかを見て凹むのも善哉善哉w。
 冗談はさておき、表現する側としては、ほんの些細な反応でも励みになったりするもんだから、お気に入りの作家さんに社交辞令的な一声をかけるだけでも好いんじゃないかなぁ、と。せっかく会場にまで足を運んでるんだから、ショップみたいに黙々と買うだけじゃつまんないし、勿体無いんじゃないかしら?その一言が表現者の明日の糧になったりすることもままあるので、侮ることなかれ。

*1:徹夜組からも卒業しましたw

*2:前の本の感想とか