12/1 "漫才バカ一代 第19幕〜年忘れスペシャル!漫才万々歳!!2006〜"@なかのZERO小ホール / アミ・ボロロク・ホエ・デシェ・ジェテ・チャイ / ぽってかすー / 東京ペールワン / ペイパービュウ / サンドウィッチマン / U字工事 / POISON GIRL BAND / 米粒写経 / 西麻布ヒルズ / マキタスポーツ

 件のメシ屋は北口なのですが、会場である「なかのZERO小ホール」は、南口。直線距離だと短いんだけど、北口〜南口間を縦断するルートが無いので、一旦駅前まで迂回して会場を目指さねばならないという、なかなか不便な道程を経て到着。場所は公民館風味な建物で、なんつーかオンリー系即売会とかで使われて沿うな雰囲気っつーか(笑。1Fがガラス張りになっており、煌々と灯りが灯っているせいか、ブレイカーとかが練習してたり。
 そんな建物の中には、既に入場待ちの行列が出来ていました。まだ開場まで30分弱あるというにも関わらず、なかなかの人出。なんでも、前回は400人収容のホールで立ち見も出たというコトなので、想像以上の人気&動員っぷりを目の当たりにし、驚嘆。
 開場までの暫しの間、UDさんと談笑しているトコに、仕事終わりで飛んできたHTさんが合流。これで役者が揃いましたw。やがて時刻は19時となり、開場。全席自由ってコトもあるので、物販スペースを覗く前に席を確保すべく、ひとまずフロアに向かう。フロアの内部は、さながら映画館といった風情の上質な座席が用意されており、列の間隔こそ狭めですが、段差が結構ついているので、前の席に人が座っても問題無くステージを拝めるという、好印象な構造。
 ステージ前方付近の中央に陣取り、遅れて入場のHTさんの席もキープし、準備万端。そうこうしてる間に続々と席が埋まっていき、中央部に位置してるが故に席を離れるのが困難な状況になってしまい、若干の尿意を堪えつつの開演となってしまったのですが、これが後々尾を引くコトに・・・。
 それはさておき、まずは前説のアミ・ボロロク・ホエ・デシェ・ジェテ・チャイが登場。冗談みたいなコンビ名ですが、バングラディッシュ人と日本人という異色のコンビ。のっけからパンチが効いてますが、このコンビが前説らしいコトを一切せず、普通にネタをやってたのが笑えたw。しかも、移民をネタにしたブラックな笑い全開だったので、個人的には結構ツボで楽しめました。でも、過激になればなるほど場内の笑いが薄めになってたのが、気になったといえば気になった。意外とモラリストな方々が集ってらっしゃったようで。
 そんな前説が終わると、出演者紹介を兼ねたOPムービーを経て、本編に突入。間断無く、速射砲の如く芸人が続々と出続けるスタイルは、同じライブとはいえ音楽のそれとは全く違うテンポで、それが実に新鮮。総じて面白くはあったのですが、印象的だったコンビを幾つか。まず、ペイパービュウ。ツッコミの三平×2*1と、ボケの「見た目が邦彦」のコンビで、三平×2西口プロレスでも活動してたり、同人サークルでも活動する筋金入りのオタだったりってな具合の、否応無しにワタクシの琴線に触れるタイプの芸人さん。今回の「漫才バカ一代」でも米粒写経サンキュータツオと共に「司会ズ」として仕切りをしていたのですが、仕切り役としてもツッコミとしても、かなり高いスキルを持ってまして、なんでアンダーグラウンドに甘んじているのか分らないってなカンジの芸人さんなのですが、その最大の原因と思われるのが、相方の見た目が邦彦
 このお方は、見た目は文字通り若かりし頃の三田村邦彦を思わせる昭和の時代の男前ってな風情だし、腹筋も割れてるしで、ルックス的には文句無しなのですが、中身のほうは江頭2:50ハウス加賀谷といった系譜に連なる、色んな意味でギリギリなカンジだったりするワケで、大川興業所属っつーのが激しく納得っつーかw。
 高いスキルを持った正統派芸人の三平×2が、奔放な暴れ馬である見た目が邦彦をどう捌いてみせるかっていうトコに期待して観てたのですが、いやもう見た目が邦彦の想像の遥か斜め上を行くポテンシャルの前に、あえなく轟沈でございますよ。セリフを噛んだりするのは当たり前なんですが、その噛み方の異次元っぷりが壮絶で、さながら変移抜刀霞斬りといった趣。それの極めつけがオチでして、オチで噛む〜仕切り直そうとしてネタを飛ばす、という完璧なコンボを披露してくれまして、大爆笑。あれが計算だったら、ホント天才w。10月の苦肉祭のときに二人ともピンでは観てたのですが、やっぱコンビのほうが全然破壊力が増すなぁ。また観たい!
 トリの西麻布ヒルズも、なかなか面白かった。千太郎っていうガンビア人と日本人のハーフ*2のツッコミと、桜井市長という日本人のボケのコンビで、間違い無くTVとは無縁な、差別ネタでガンガン飛ばしまくるという凄まじい漫才を披露。その情け容赦無い差別ネタっぷりは、良識人ならずとも眉をひそめるコト請け合いの過激さで、個人的には爆笑。でも、フロアは想像以上に引いてしまってて、ステージとフロアが上手く噛み合わず、mix upしていくようなテンションにならなかったのが残念。モラル云々を指摘したくなる気持ちも分かるんだけど、「ウケりゃいいんだよ、クソッタレ!!」と言わんばかりの明日無き暴走を続ける芸人魂に敬意を表したい。今度は、もっとホームな場所で観てみたいなぁ。
 そして、この日一番安定して面白かったのが、サンドウィッチマン。結構テレビとかにも出てるらしいのですが、ワタクシは初見。コンビで揃っていかついルックスをしてるのですが、そんなルックスとは裏腹に、往年のヒロ斉藤ばりの抜群な安定感で、地に足の着いた正統派のストロング・スタイルな漫才を披露してくれました。なんつーか、骨太。ちなみに、ヤ○ザ風味なルックスだけど、酒は一滴も呑めないそうですw。
 一通りネタが終わった後は、「漫才バカ一代」のレギュラー組による企画がありまして。各々2つずつ今年を象徴するキーワードを書いたバナーを身につけまして。そのワードを使ったツッコミを入れると、そのバナーを外すコトが出来るってな寸法で、バナーが無くなった人から退出していき、最後まで残った人がダメなコ扱いされる、という微妙に内P風味な企画。
 ここでも、見た目が邦彦が大爆発。ルールも間も完全に無視した発言を炸裂させ、その余りの自由奔放っぷりに、フロアはおろかステージ上の芸人達さえをも一瞬凍りつかせるという壮絶な破壊力をまざまざと見せつけてくれました。ちなみに、肝心の企画自体は、まだまだこなれてなくて、本当に面白くなるのは何回かやった後かなぁ、とか思ったり。
 そしてオーラス。「漫才バカ一代の唄」というテーマ・ソングを歌って〆るそうで、その歌を作ったマキタスポーツが登場。かなり奇天烈な格好をしてたのですが、毎回漫才バカ一代を観てる方には分かるネタだった模様。で、意外とキャッチーな「漫才バカ一代の唄」を歌い始めたのですが、単に歌うだけで済むはずも無く、各コンビに対するイジリを絡めての歌になってまして、時節柄M-1グランプリの結果に関するネタが多く、それを天丼気味に重ねていくもんだから、否応無しに笑わされました。それを差っ引いても、芸人の弄り方が上手く、普通に面白かったなぁ。
 そんなこんなで、21時半頃に終演。終盤は猛烈な尿意に襲われていたので、微妙に集中出来なかったのですが、素直に面白かったです。お気に入りの芸人さんとかも出来てきたので、今後も折を見てお笑いのライブにも足を運んでみたいですね。

*1:みひらさんぺい

*2:築地生まれの西船橋育ちw。見た目は黒人だけど、日本語しか喋れない