10/22 @西荻窪FLAT / コード / SPY MASTER / hununhum / VOLENDAM DISEASE / ENCROACHED

 さて、新宿でANTさんと15時過ぎに別れたワタクシは、あと3時間ちょっと一人で時間を潰さねばならなくなったのでございます。購買欲はすでに十二分に満たされているので、そこらの店に立ち寄る気力も無く、あてどなくフラフラと新宿の雑踏を彷徨っておったのですが、事もあろうに雨がぽつぽつと落ちてきやがりまして、いよいよもって進退窮まる。結果、ライブはスルーして帰宅しよう!という結論に達しまして、特急に乗って新宿を華麗に脱出・・・したまでは良かったのですが、あらあら?何故か明大前でふらっと下車しちゃいましたよ?戸惑う脳を尻目に、ワタクシの身体は一路井の頭線のホームへと吸い込まれていきまして、気が付けば吉祥寺行きの車両で鎮座ましまし。こんなはずでは・・・と嘆きつつも、あっという間に総武線経由で西荻窪に到着。この地では、まだ雨は降ってませんでした。
 とりあえず、まだ開場時間までたっぷりと間があったので、近場のマックに立ち寄り、そこで日記の下書き作業に勤しみつつ時間を潰す。何気に作業に没頭してしまい、ふと外を見ると街灯は灯り、傘の花が咲き乱れていまして。ケータイで時刻をチェックすると、既に18時半を回っていたので、重い腰を上げまして、FLATに向かう。
 FLATは、旧Rinky Dink Studioの1Fのスタジオを改装したハコだそうで、FLATとなってからは足を運ぶのは初めてだったり。が、行ってみてビックリ。改装らしい改装なんかしてなくて、以前よりも機材とミラー・ボール等の装飾を若干アップグレードさせただけという代物。新たな機材のおかげで、むしろ以前よかフロアが狭くなってる気がするしw。これでチケ代¥1000+ドリンク代¥500も取られるのは、相当納得いきません。おまけに、持込のアルコール類とかは一切禁止らしく、何人も注意を受けたりしてて*1、居心地も悪い悪い。以前のスタジオ形式の時のほうが、遥かに居心地が良かったよ・・・。
 てなカンジで、知人らと談笑しつつも微妙に腑に落ちなかったのですが、トップのコードを観て溜飲を下げる。vox&G、vox&B、Dsのスリー・ピースで、Gは皆様ご存知のBASEの飯島さんで、Dsはex.FOODCHAINの方でした。ちと意外。サウンドのほうは、切れ味鋭く凝ったリフのカッティングと、大胆にうねりまくるベース・ラインがシンプルなビートと絡み合い、そこにGとBが吐き捨てるような歌を交錯させるという、ドライヴ感満点のパンク・ロック!特に弦楽器隊の充実っぷりが光ってまして、ともすればギターなんてDC系辺りにも通ずる*2パーカッシヴなテイストを醸し出していたし、ベースもやたら滅多らブイブイいわせまくりで、えっらいカッコ良かったー。punk/HC界隈のドコに行っても受け入れられそうな、普遍的なカッコ良さを有したイカサウンドでした。また観たい。
 お次は、SPY MASTER。いつも高値安定でハイ・クオリティなライブを見せてくれるSPY MASTERですが、この日はちょっと演奏がラフ*3。特に序盤はベースの鳴りが悪く、珍しくサウンドのバランスに苦慮していたような印象。中盤以降は安定してきたかと思いきや、何故かDsのハットリさんが暴発しまして、意味不明な破滅的テンションで鬼神のようなドラミングを披露しだして、一同唖然。表情もかつてないほどにディストーションが効きまくっており何かキメ(ry。ラスト2曲くらいでようやく憑物が堕ちたのですが・・・。ちなみに、どれぐらいはっちゃけてたかというと、メンバーから終演直後に「速い速い!」とたしなめられるぐらいの勢いだったワケでw。
 でも、そういうミスとかイレギュラーな事態が起こったにも関わらず、それでもやっぱりカッコ良いよ思っちゃうのは、贔屓目なのかしら。このところずっとそうなのですが、とにかくvoxのウエムラさんのテンションが高く、躍動感に溢れているので、半ば強引と思えるぐらいにサウンドを牽引しているおかげで、演奏のラフさも「味」に変えてしまっていたような印象。たまには、こんなSPYも悪くないさねw。
 SPY後、当日着てたSCHISM RECORDSのパーカーを観客の方にツっこまれたので、ふと振り返ってみると・・・WTZさんで、超ビックリw。ここぞとばかりにYOUTH BRIGADE話とかをしちゃったり。さらに9HのNさんとかにもツっこまれてしまい、軽くパニくるワタクシw。ちょくちょくライブを拝見してるので、顔を覚えられてた模様。さらに、ロビーでまったりしてると、なんとSPYのUさんに話しかけられ、思わず挙動不審にw。本来ならSPYに対する熱い思いや80's HC話とかに花を咲かせたいトコだったのですが、なんか気を使われてしまったのか、話題が終始秋葉原に限定されてしまい*4、自らのパブリック・イメージの根深さを嘆いてみたりw。
 てなカンジで華麗にhununhumを見逃し、お次はVOLENDAM DISEASE。voxはGORDON IVY & THE JAYBIRDSのvox。ちなみに、Dsはヘルプだそうで。音源を聴く限りではヒリヒリした緊張感が心地良い、ロッキンなギターが特徴的なraging thrashってカンジだったのですが、序盤はちょっと音が「軽い」。音源のような緊張感が余り感じられず、思ってたよりもスポーティな印象で、ちと違和感を覚える。が、徐々にエンジンがかかりだし、後半は音源に近いイメージのサウンドとなってきたのですが、全5曲だか6曲だかで〆だったので、どうにも空腹感は否めず。
 個人的に気になったのは、1曲1曲の曲間がやたら空く事。曲の解説とかをしてるので、まるっきり無駄ではないのですが*5、確実にライブのダイナミズムを損ねており、個人的には疑問を呈さざるをえない。曲の解説がしたいんだったら、予め歌詞や曲の解説を書いたペーパーを用意するなど、幾らでもやりようはあるはず。raging thrashのようなサウンドで1曲1曲区切られてしまうと、観てる側はちと興醒めしちゃうなぁ、と。せっかく良い曲を持ってるんだから、もっとそれを活かす表現方法を検討していただきたいです。
 で、ラストはENCROACHED。昨日(10/21@LEVEL-3)のライブでは不完全燃焼風味だったので、この日はどうなのか・・・と思っていたのですが、これがもう凄まじいまでのステージを披露してくれまして。とにかく、初手からvoxのマエダさんの表情が尋常じゃなくて、21日とは打って変わって初手からエンジン全開で飛ばしまくり。全員アクセルベタ踏み状態で脇目も振らずに突貫しまくる様は、凄味すら感じさせる。さらに、そんな全員の気迫が相互作用を起こし、天井知らずで上がっていくテンションは圧巻の一語に尽きます。怒濤のようなraging thrashサウンドの嵐の中、ディストーションの効いた表情を浮かべつつ激しく動き、ジャンプしまくりながら咆哮するマエダさんの姿は、CITIZENS ARREST時代のDarylを彷彿とさせるものが。サウンドの分離も良く、各パートの音が音源以上にはっきりと聴こえていたせいもあり、楽曲の良さも再認識出来たりして、色んな意味でワタクシは観た中では過去最高の出来だったのではないかと。素晴らしかったです。
 とにかく、この日の企画はENCROACHEDに尽きましたね。このレベルのライブがコンスタントにやれるようになったら、凄いコトになるんじゃなかろうか。

*1:なんせフロアが狭いんで、直ぐにバレるw

*2:実際には似て非なるカンジなんだけどね

*3:SPYにしては、ですが

*4:と言っても、オタネタでは無く、「街」としての秋葉原界隈話ね

*5:どうでもいいMCとかもあったんで、ムダな時間も確実にあったんだけど