10/9 "Asakusa Extreme vol.6"@浅草KURAWOOD / BUTCHER ABC / Su19b / FUNERAL MOTH / COFFINS / GALLHAMMER / CORRUPTED / ASUNDER

Su19b

ABC4レポの続き

 食事を終え、しばし放心した後、KURAWOODに向かう。閑静な街並みの一角に黒い服を着た怪しげな集団がたむろってるのが目印となり、無事にKURAWOODに到着。まだ時刻は16時過ぎとはいえ、KURAWOOD周辺にはバンド関係者しかいないというw。ちなみに、黒い集団の正体は、COFFINSとかFUNERAL MOTHとかの中の人たちでした。そこで驚きの情報が続々ともたらされまして。まず、現時点でCORRUPTED & ASUNDER御一行は、現地入りはおろか東京にすら辿り着いていないという。なんでも、朝の6時まで名古屋で打ち上げしてたそうでw。ヒデェw。それと、今回のCORRUPTEDは選任のベース抜きのトリオ編成だという話。いろんな意味でスリリングな展開。
 そんな話を咲かせつつ、近所のコンビニに酒を買いに行きまして。で、戻ると同時に、HTさんやNMさんらが相次いで合流し、完全にいつもの小岩な面々が集いまして。人気*1が無いのをいいことに、KURAWOOD近くの自販機前で7人ほどの集団が路上で座って怪しい話に興ずるという、どうにも最悪な状態に突入。NMさんは、ANTさんから貰ったエロ同人誌を広げて読み出したりしてるし、もう最悪w。どこの世界にインキャパのTシャツ着て路上でエロ同人誌を貪り読む輩がいるのか、とw。
 てな具合にアホなコトをやってるうちに開場時間となったので、入場。結構デカいハコと聴いていたのですが、意外とこじんまりとしたサイズ。PinkNoiseと同クラスな印象で、ERAほどではないにしろ、かなり小綺麗な部類のハコでございました。ついでに言うと、予想に反して客の入りが悪い。CORRUPTED効果で立錐の余地なしという事態も覚悟していたのですが、ちと拍子抜け。楽屋にエロ同人誌の詰まった*2バックパックを置かせてもらい、身軽になってライブに備える。
 トップは、BUTCHER ABC。以前から名前はよく見かけていたのですが、未聴&初見。vox&G、vox&B、Dsのトリオ。血糊の付いたエプロン着用という出で立ちで登場。DESTRUCTIONの影響下にあるバンドなのかしら・・・?しかしてその音は、意外なまでに隙間が多く、かなり面食らう。もっとノイジーでうるさい音かと思ってました。この音の鳴らせ方は、90年代初頭頃のGARLIC BOYSとかに近いような。楽曲的には欠片も似てませんが。楽曲のテクスチャーは地下メタル風味*3ではありますが、voxの声質が完全にHC系なので、過度にメタルっぽくなくて、なかなか良い塩梅。ラストは、フロアにいた元voxを呼び込み、一緒に演奏。このvoxが典型的なデス声でして、一気にdeath metalっぽくなってフィニッシュ。ルックスとかジャケのイメージから受けるbrutalさやgoreっぽいテイストとは無縁で、聴き易かったです。
 お次は、楽しみにしていたSu19b。観る度にfastなパートが減っていきますが、この日もご多分に漏れず、7割以上はsludgeな陰惨残虐パートに終始。ガテラルに近い独特の咆哮と妙なタイム感を持ったリズム、そして奈落へと誘うような地を這うリフが交錯する残虐鈍重サウンドは強烈。そこにいきなりワンフレーズだけファストなパートが混じったりするという屈折テイストが織り込まれているものだから、始末が悪い。もはやCROSSED OUT直系とかPower Violenceという枠を超え、独自の世界観を構築しているような。個人的に大好きな、深く深く沈みこんでいくようなリフが印象的な曲とかも聴けたし、音響も良かったしで、文句無しのステージでございましたよ。
 3番手は、FUNERAL MOTH。これまた知らないバンド。vox&B、G、Dsというスリー・ピース。なんでも、COFFINSの前のBの方が在籍してるバンドだとか。Gは7弦、Bは6弦という期待を持たせる楽器を所持していたので期待してたのですが・・・。音的には、Funeral Doomっていうんですかね?スローなテンポをベースに、音数を削ぎ落とし、音の鳴りや余韻とかの機微を愛でるスタイル。だもんで、一音一音の精度が非常に重要な意味合いを持ってくるのですが・・・。とりあえず、Gの音の精度が低すぎて、全然楽しめず。サステインの音がブレまくりなもんで、ムードもへったくれもなかった・・・。それと、どうもリズム隊と乖離してた印象が。Dsは悪くはないけど、けして味のあるプレイではなかったし、vox&Bが孤軍奮闘風味。でも、専属のvoxを加入させたほうが良い気はしましたが。1曲が長かったので*4、1曲終わった時点でフロアを後にしました。その際、Gがヘルプとかなんとかいうアナウンスが聞こえたような。だとしたら、納得。
 4番手はCOFFINS。実は初見。昔の音源を聴く限りでは結構doomでヘヴィなイメージだったのですが、いざ目の当たりにしてみると、あんまへヴィって感じは受けなくて、意外なまでにオーセンティックで、Punk/HCを通過したメタルってな印象。シンプルなんだけどグルーヴィで、実に心地良いDs、ギターとユニゾンしたリフを弾いたりするドライヴ感溢るるプレイを軸にしつつも、要所要所でテクニカルなフレーズを挿しこんでくるB、ナチュラルなデス声風味な咆哮を上げつつ、意外と端整にリフを刻むGは、アームを駆使した味わい深いソロが印象的。演奏はけしてノイジーではないし、楽曲も基本的にはシンプルなのですが、前述したように細かい部分で凝ったコトをしてるので、曲が長くても全然飽きずに聴けちゃうトコが、なかなか良いなぁ、と。ベースの機材トラブルなどもありましたが、総じて満足のいくステージでございました。
 お次はGALLHAMMER。未見&未聴。全員女性のスリー・ピース暗黒バンド。とても女性とは思えないドスの効いた咆哮を軸に、シンプルな暗黒サウンドを展開。1曲1曲はけして悪くはないし迫力満点ではあるのですが、演奏にさしたる機微が無く、良くも悪くも単調なので、長丁場になると、ちとキツかった・・・。とは言え、周囲の評価は高かったので、そっちが正当な評価かと。
 さすがに疲労困憊となったので、ステージに腰掛けてぐったりしていると、その背後でやたらめったら機材が搬入され始めまして。あれ?もしかしたらCORRUPTED?当初の予定ではASUNDERが先のはずだったのですが・・・といぶかしんでるトコに、御馴染みの良く通る声が聞こえてきまして。
「あれ?マスターどこー?」
 声の主がHTさんとBBさんだったこともあり、一抹の不安は禁じえなかったものの、思わず「此処此処ー」と手を挙げてしまったのが、運の尽き。次の瞬間、BBさんの屈託の無い発言が炸裂。
「あ、マスターあんなトコにいたよー。
こっち来て、アニメの話しましょうよー!」

  三|三
  イ `<             ,..-──- 、         _|_
   ̄             /. : : : : : : : : : \        |_ ヽ
   ∧           /.: : : : : : : : : : : : : : ヽ      (j  )
   /  \        ,!::: : : :,-…-…-ミ: : : : :',
              {:: : : : :i '⌒'  '⌒' i: : : : :}     _ヽ_∠
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   ´⌒)    |    −!   \` ー一'´丿 \       l/⌒ヽ
    -'    ノ    ,二!\   \___/   /`丶、      _ノ
        /\  /    \   /~ト、   /    l \
       / 、 `ソ!      \/l::::|ハ/     l-7 _ヽ
      /\  ,へi    ⊂ニ''ー-ゝ_`ヽ、    |_厂 _゙:、
      ∧   ̄ ,ト|    >‐- ̄`    \.  | .r'´  ヽ、
     ,ヘ \_,. ' | |    丁二_     7\、|イ _/ ̄ \
     i   \   ハ∟       |::::|`''ー-、,_/  /\_  _/⌒ヽ

 ちょwwwwwwおまwwww。そんなデカい声で、そんな発言しちゃイヤンw。BBさんたちはステージに向かって呼びかけてたから気にならなかっただろうけど、あたしゃステージを背にして立ってたので、周囲の侮蔑の視線を一身に浴びてしまってたのですよ?なに?この衆人環視プレイ。ま、蔑みの視線は心地良かったんだけどね。
 最前列という絶好のポジショニングではあったのですが、さすがにいたたまれない気持ちになったので、逃げるように最前列を離れ、皆と共にロビーに移動。が、正直秋の新番トークを繰り広げるようなテンションじゃなかったので、元気にはしゃぐBBさんやHTさん、ANTさんらを生ぬるく視姦視姦。そんな中、ふと視界の片隅に目をやると、GALLHAMMERの方と思しき女性陣が、蟲でも見るかのような凍てついた視線をこちらに投げつけてまして。それを受け、一人ニヤつくワタクシ。もっと蔑んでくれ給えよ。
 そうこうしてると、フロアに大音量が鳴り響き始めたので、移動移動。とは言え、さすがに疲労もたまってましたので、最後尾でゆるりと観るコトに。場内が暗転し、フロアにささくれだったベース音が響き渡る・・・って、あれ?誰がベース弾いてるの?目を凝らして人垣の隙間から覗いて見ると、なんとヘビさんがベース兼任してるー!出音も、うねりっぷりも専属ベースがいた頃と全く遜色が無いどころか、音響が良い分、6月の@LOFTのときよか全然カッコ良い!無論、voxのほうも絶好調で、情念剥き出しな咆哮がフロアに木霊する。ギターも、ザラついた音色を放ちつつも機微をきっちりと表現出来ていて、文句無し。否応無しにテンションが上がるも、自制自制。が、陰惨な重低音が巨大なうねりと化していくにつれ、矢も盾もたまらなくなってしまい、そっとメガネをケースにしまってから、一気に前方へ吶喊し、大きなうねりに呑みこまれるw。いやもう蕩けるような心地良い轟音っぷりに、拙者の愚息も昇天風味ですよ?周囲の方々にぶつかるのも構わずに、ぐわんぐわんと揺れまくるワタクシ。たまんねー。予想外に早く終わってしまったのだけが心残りではありましたが、短時間とはいえ密度の濃いステージングを披露してくれたので、ワタクシご満悦でございましたよ?
 CORRUPTED終了後、完全に精魂尽き果ててしまいまして、ASUNDERを観る気力ゼロ状態。それでも、最初の1曲はフロア最後尾で壁に寄りかかりながら聴いてみたり。Myspaceで聴いた曲は、かなり叙情的だったのですが、1曲目は完全にdoom〜sludge路線。そうなると、どうしてもCORRUPTEDと比較してしまい、勢い辛めな評価となってしまいまして・・・。結局、この曲があまり芳しくなかったので、ロビーへと避難し、そこでゆるゆると聴いておりました。ワタクシが出て以降は、前述した叙情性を感じさせる楽曲や、ギター・ワークで聴かせるようなテイストの曲なんかも織り込まれまして結構気にはなったのですが、如何せん疲労がピークを迎えていたので、同じく出てきてたNMさんやANTさんらと談笑したり、COFFINSの方に話しかけたりして時間を潰しまして。でも、終演後、KRさんが絶賛してたのを聞き、ちゃんと聴けばよかったかも・・・と若干思いもしましたが、老体に6時間に及ぶライブはキツすぎでございます。その前にABC4にも行ってるしねw。
 終演後、楽屋に置かせてもらってたバックパックを取りにフロアに戻ろうとしたのですが、帰る客&物販に寄る客でロビーがめがっさ混みまくってしまい、フロアに舞い戻るのに一苦労。で、ほうほうの体でフロアに戻り、楽屋に入ると、なにやら見慣れないエフェクター・ケースが。KRさん曰く「CORRUPTEDのエフェクター・ケースですよ」とのコトでしたので、激写激写。普段はなかなかお目にかかれない機材ですので、興味深かったよ。
 とにかく、この日のKURAWOODは、バンドマン多すぎw。ABRAHAM CROSS、BREAKfAST、ENCROACHED、TRIKORONA、LOW VISION、SETE STAR SEPTなど、枚挙に暇なし。さらに、知人・友人らも大挙して押しかけてまして、久しぶりにOKさんやBOBさん、MDさんらとゆっくりお話が出来たりして、実に楽しゅうございました。たまには、こういう普段観ないようなバンドが集う企画に足を運ぶのも、悪くないやね。

*1:ひとけ

*2:ってほどでもなかったケド

*3:あんま体感速度的に速いと感じる曲は、やってなかったし

*4:体感時間で10分以上。実際は不明