8/21 "THE AMBER JETS Japan Tour 2006"@初台WALL/DICKERVE/REFINE/radio active/DANCE WITH ME/VELOCITY/THE AMBER JETS

THE AMBER JETS

 今日は同人ショップに寄る気にならなかったので、18時頃、素直に初台に到着。オペラシティを抜けて地上に出ようと思ったら、不意に声をかけられまして。「???」と思い、呼ばれたほうに目を向けると、ENCROACHEDのハセガワさんの姿が。他にも、DANCE WITH MEのクボさんやGの方、RINTOのナカムラさんなどがテーブルで酒を酌み交わしてらっしゃいまして。聞けば、リハをパスして呑んでるトコだとか(笑。せっかくなんで、ワタクシもその場に加わらせていただきまして、暫し談笑。でも、なんでハセガワさんやナカムラさんがこの場にいらっしゃるのかしら・・・?と疑問に思うも、聞けずじまい。が、この疑問は後に氷解することとなる。
 それはさておき、そこにENCROACHEDのモチヅキさんも加わりまして、なにやら豪勢なメンツに。結局、開演時間を過ぎまでグダグダしてしまい、トップのバンドのステージの大半を見逃す・・・。トップは、DICKERVEというスリー・ピースのバンド。2曲しか観てないので、全体的なサウンドの傾向は分からないのですが、ちとemoな雰囲気の楽曲と、往年のハイスタを彷彿とさせる疾走感のあるナンバーを聴かせてくれました。ハイスタ・フォロワーみたいな浮ついた雰囲気は無く、真摯でひたむきな姿勢が心地良かったので、デモとか買っちゃいましたよ。今度は、ちゃんと1ステージ観てみたいです。
 2番手は、REFINE。これまたスリー・ピース。このバンド、まだまだ未完成で荒削りなれど、なかなか面白くなりそうな可能性を秘めているサウンドでした。なんつーか、LIFETIMEをベースに、screamoの絶叫成分弱めなテイストを加えたようなスタイルとでも言えば良いのだろうか。やたらめったらフラッシーなプレイが光るギターを軸に、かなりガタガタなれど味のあるドラム*1と、これといって特徴の無い中庸なベースとが絡み合う、非情に歪なサウンドをバックに、叫んだり歌ったりするツインボーカル風味なvoxが載るという、どうにも妙ちきりんなサウンドは、なかなか個性的。
 ただ、現状ではマイナス面のほうが目に付くのが実情。まず、時折メタリックで攻撃的なフレーズなんかも飛び出し、全体的にハードコアを意識した展開が目立つわりには、致命的なまでにvoxの迫力が不足してる点。結構叫んだりしてるのですが、明らかに適正が無いかと。ちょっと荒々しく歌うパートのほうが明らかに無理を感じさせず、楽曲にも映えるようなスタイルだったので、そっち方面を押していったほうが良いような気がしましたが。
 あと、良くも悪くもギターの音の線が細いので、楽曲の骨格が今ひとつ不明瞭っつーか。フラッシーなプレイを主体としてるので、致し方ないとは思うのですが、それならギターをもう一人増やすとか、リフの際に小まめにエフェクトをかけて音のメリハリをつけるとか、何がしかの工夫が必要かと。個人的には、voxとGを増やしたほうが、面白くなりそうな気はしますが、はてさて。
 お次は、radio active。年寄り的には、EXTREME NOISE TERRORとCHAOS UKのsplitを想起してしまうようなバンド名なワケですが、そんな音とは全く無縁なバンドでしたw。vox&G、G、B、Dsという4人組。1曲目を聴いた感じでは、日本語で歌う、ちょっとダークなemoかと思ったのですが、2曲目でぶっ飛ばされる。骨太なリフとキレの良いリズム、そして男臭く歌い上げるvoxとが見事に絡み合い、実にカッコ良いギター・ロック・サウンドを聴かせてくれまして。以降の楽曲も、所謂ベタなemoとは一線を画しつつも、そっち系の琴線にも触れるようなサウンドを展開。なんつーか、サウンドに品格が感じられて、個人的には、ちょっとTEXAS IS THE REASON辺りを彷彿とさせられちゃったり。良い意味でメジャー感があって、かなり良かったですねー。
 radio active後、フロアをうろついてたJohn "Apples" Telenko先生を発見。うお!STIFF LITTLE FINGERSのTシャツ着てるよ・・・つーか、意外にデカいぞ!?優に180センチ以上はあるだろうし、結構骨太。もっとモヤシっコなイメージがあったんで、そのギャップに驚く。
 と、Johnがこっちの方に歩いてきまして、ワタクシの着てたDAG NASTYのTシャツに反応。「そのバンド好きじゃぜー?」的なコトをのたまってきたので「ワタクシもSLF好きですよ?」的なニュアンスをなんとか伝え、コミュニケーション成功*2。うむ。DAG NASTYを着てきて正解だったな。
 お次はVELOCITYというバンドのはずだったのですが、メンバーが来てないかなんかで、急遽DANCE WITH MEが繰り上がって演奏するコトに。前述したオペラシティで訊いたときは、今日は5人編成というコトだったのですが・・・あら?なんかステージ上に見慣れてるんだけど、このバンドには本来いないはずの方々の姿が見えますよ?なんと、DsにENCRAOCHEDのハセガワさん、BにはRINTOのナカムラさんの姿が・・・。うわ!さっきオペラシティで会ったメンツは、実は全員DANCE WITH MEだったのか(笑!余りの意外な展開に、暫し絶句。ライブ後に聞いたところ、「正式なヘルプ」というスタンスだそうで。なんじゃそりゃ(笑。
 それはさておき、新生DANCE WITH MEの真価を問うべく、ステージに注目。以前のレイジーさを活かしつつも、明らかに骨太になったリズム隊のおかげで、サウンドの躍動感と激しさが格段にアップ。なんかギターの人はジャンプとかしちゃってますよ?以前のスッカスカなサウンドもカッコ良かったのですが、この骨太路線も全然アリアリ。対するギター×2が繊細なんで、その対比も面白いしね。
 そんなバックとは裏腹に、クボさんは相変わらず。いつもより呑みが圧倒的に足りてなかったですが*3歌のエモーショナルっぷりは流石の一語に尽きます。ワタクシも当然のようにシンガロングしまくりで、実に楽しかった!やっぱり、いつでもDANCE WITH MEは最高ですな。
 で、遅刻したVELOCITY。トリオ編成のポップ・パンク。オリジナルのバックドロップがあったり、一旦セッティングを済ませてから楽屋に引っ込み、BGMと共に登場したりするという、どうでもいい演出に軽くイラつく(笑。笑える再登場とかなら良いのですが、なんか普通にカッコ良いと思ってやってるようなカンジだったので、イラつきを通り越して苦笑い風味。肝心のサウンドはといえば、「あぁ、ALLとかDESCENDENTSとか好きなのね」というようなカンジ。しかも、ヒネたエッセンスは取り込まず*4、そのポップ・センスのみを抽出した、正しく2番煎じ風味なテイスト。それを屈託無く楽しげに演奏してるので、これに四の五の言うのはヤボだと思いまして、1曲目が終了した時点で最後尾に撤退。まだ若そうなんで、今はこれで良いかもしれないけど・・・ねぇ?
 途中、DESCENDENTSの"Thank You"のカバーをやってました。そこだけ、ちょっと盛り上がっちゃったりw。
 屈託無い若人の次は、ベテランの登場ですよ。いよいよAMBER JETSの出番。vox、G、B、Dsという4人組。音源を聴く限りでは、シンプルなギター・パンク・サウンドってカンジだったので、ライブも結構線の細いカンジかと思ってたのですが、あにはからんや、意外なまでに骨太なサウンドで、ちとビックリ。さらに驚いたのが、Johnのアクション。大柄な体躯なれど歯切れの良い動きを見せてくれまして、なにやら新鮮。勿論、歌も上手い!音を外さないというテクニカルな部分も良いのですが、伸びやかでハートウォーミングで魅力的な歌声そのものが素晴らしい。歌心にも満ち満ちていて、思わず聴き惚れる。見応え、聴き応え共充分で最高でございます。
 バックも、実にタイトでパワフル。格別テクニカルなメンバーはいないのですが、バンドとしての成熟度が高く、アンサンブルも文句無し。そんな充実したバンドが披露する楽曲は、シンプルなギター・パンク。SLEEPER/SERPICO時代よりもストレートになった曲調で、ただただ良い曲、良い歌を紡いでいます。昨今のemo〜indie rockの影響も受けず、一途なまでに己がサウンドを追求していく姿は、サウンドのテイストこそ違えど、NAVELとかにも通ずるものがあるかと。けして派手さは無いのですが、間違いなくカッコ良いし、クオリティが高いです。曲を知らなくても、サビとか一発で覚えられちゃうキャッチーさは、普通のギター・ポップ・ファンとかの琴線にも触れること請け合い。
 そんな充実のステージングに応えるべく、ワタクシもシンガロングっつーか歌いまくり。なんかモッシュするような空気じゃなかったんで、せめて歌おうかとw。けして動員は多くはなかったのですが、少数なれどホントに好きな人が集ったっていう熱気は伝わったんじゃないかなぁ。 
 そんなこんなで、文句無しに楽しいステージは滞りなく進行していったのですが、途中のMCでもワタクシのDAG NASTYのTシャツに触れていたJohnが、終盤にサプライズを披露。なんと、DAG NASTYの"Values Here"のカヴァーが炸裂。渋いチョイスに萌え。立て続けにDESCENDENTSの"Coolidge"のカヴァーがッ!!!ちとシンプルなアレンジになってましたが、よもやこの曲が聴けるとは思ってもみなかったので、昇天。シンガロングっつーか、ほぼカラオケ状態で歌いまくりですよ?たまんねー!〆はMISFITSのカヴァー。その前のDESCENDENTSでテンションが上がり過ぎてたんで、何の曲だったかは失念(笑。
 つーコトで、実に楽しいひと時を堪能。いやー、予想以上に素晴らしいショウで、ワタクシご満悦でございますよ?8/22、23と、まだライブがありますんで、未見の方は是非是非。SLEEPER/SERPICOファンのみならず、DAG NASTYやSHADES APART周辺のサウンドが好きな方は、万難を排して臨むべき。ちなみにワタクシは、ツアー・ファイナルの小岩に、もっかい観に行くですよー。

*1:惜しくも、この日が最後だったそうな

*2:多分w

*3:だって酒を溢さなかったしーw

*4:楽曲の展開もそうだけど、ベース・ラインのヒネリが皆無なんで、ALL〜DESCENDENTS系の旨味が全く感じられず、薄っぺらなポップ・パンクみたいになっちゃってまして・・・