1/28 "Toxic Punk Waste vol.95"@西荻窪Rinky Dink Studio Fst./ILLEGAL SUN/EXTRUDERS/JETLINERZ/DANCEBEACH/IDEA OF A JOKE 

idea of a joke

つーワケで、昨日はToxic Punk Waste@西荻Rinky Dink Studioに行ってまいりますた。このスタジオに来るのは、昨年9月の惨劇以来w。でも、今回は場所は同じでも使う部屋が違ってたのが幸いかw。
 18時半開始の予定だったので、18時20分過ぎに到着するも、まだリハ中。故に、スタジオ内のベンチに座ってまったり。Toxicだから、誰かしら知り合いがいるかと思ってたんだけど、誰もいやしないw。
 そんなこんなで、結局30分弱押して、19時頃にスタート。トップは、ILLEGAL SUN。スリーピースのHCパンクバンドで、vox&G、B、Dsという編成。一切の無駄を削ぎ落とした、シンプルでザラついた感触の、early80's LA Hardcore Punk風味なサウンドを聴かせてくれました。
 サウンドのキモはギターで、ロッキンなフレーズを随所に散りばめているのですが、サウンドがシンプルなだけに、そういうちょっとしたフレーズが映える。リズム隊はシンプルなんだけど、丁寧にフレーズを反復するベースが、なんかカッコ良い。
 前半はちょっとしっくりきてなかったんだけど、後半になるに従って、vox&Gの方の表情にいいカンジのディストーションが効いてきまして、尻上がりに良くなった印象。終盤に演った、後期BLACK FLAGを思わせる曲が、かなりカッコ良かったです。ちょっとぶっきらぼうな感じも心地良い、苦みばしったサウンドがステキでした。
 二番手はEXTRUDERS。G&vox、B&vox、Dsのスリーピース。ちょっと落とし気味の照明の中、ほとんど動きも無く、ただ佇んで音を紡いでいたのですが、その音が尋常じゃない。事前にGANG OF FOURJOY DIVISION、ハンマー・ビートなどのキーワードを聞かされていたのですが、そういった要素は確かに内包されてました。でも、それだけの、懐古趣味なサウンドに止まらず、二歩も三歩も先を行く、現代ならではのエッセンスもしっかりと散りばめられていました。
 まず、耳をひいたのがドラム。ハンマー・ビートの由縁たる、パワフルで手数の少ないタイトなドラミングも聴かせてくれるのですが、基本的にはかなりダンサブルなビートを叩き出してまして、センスの良いプレイが光ってました。無論、タイト。ベースは、ヒネくれてるんだけど、印象的でメロディアスなフレーズを連発。ギターは、キレの良いパーカッシブなリフを刻んだり、ハーモニクスとかを上手く活かしたりと、多彩なプレイスタイル。細かいミスとかもあったけど、それを上回る印象的なプレイを披露。voxは、二人とも同じような声質なのですが、シンプルに普通に歌ってるんですが、それがサウンドとマッチしてて好し。
 楽曲は、短めの曲が多いのですが、どの曲にも工夫が施されており、押し並べてクオリティが高い。ヒネくれた展開も多々あるのですが、なにげに全曲フックを感じさせる要素を持ち合わせていて*1、並じゃないな、と。
 前述したように、GANG OF FOURJOY DIVISIONとかの空気感を漂わせつつも、SST系やBLACK FLAG辺りにも通ずるテイストもあり。シンプル故に、「間」とセンスの良さが光まくり。しかも、会場の空気を支配するような緊張感が漲ってまして、実際、場内は静まり返ってました。だって、曲が終わっても緊張感が絶えないんで、拍手するのさえためらってしまう・・・(笑。別に、メンバーが威圧してるワケじゃなく、自然とそうならざるを得ないような音を紡いでいたワケで。
 久方ぶりに衝撃的なバンドに出会ったよ・・・。
 音源のほうは、結構端整な作りになってるんで*2、なにはともあれ、是非一度ライブを観ていただきたいバンドです。本当に素晴らしい!!
 お次は、JETLINERZ。シンセ×2とDsという特殊な編成。R3-N7もそうだったけど、シンセが2人いるバンドも珍しくないご時世なのかねw。
 セッティングのとき、何故かケーブル周りかどっかから火花が散ったりしてまして、のっけから持ってかれるw。
 音のほうは、ATOM & HIS PACKAGEのHC版、とでも言えば良いんだろうか?シンセでHC的なリフを紡ぎ、Dsは普通にHCのビートを展開。で、ワタゾウさん*3が曲の途中でシンセを放棄して*4、激しく吼えまくる、というなかなか奇天烈なスタイル。つーか、ワタゾウさん、テンション高ぇーw。
 音が意外と中音域に集中してたせいもあり、あんまノイジーなコトはやってなかった。もうちょっと音圧高くても良かったかも?
 激しさの中にもキャッチーなフレーズが織り込まれており、なかなか面白かったなぁ。
 四番手は、名古屋から遠征してきたDANCEBEACH。vox&G、外人さんB、女のコDsというスリーピース。なんつーか、久しぶりにド直球な90年代DC系バンドを観た。FUGAZIっつーよか、RITES OF SPRING系の、激しくも真っ直ぐなサウンドが身上。ヒネくれ度よか、ロック度高めなサウンドの配分。結構うねってるベースが面白かったんだけど、音が小さかったのが玉に瑕。ドラムの女の子は、終始にこやかにプレイしてまして、楽しげ。時折もたってたけど、まずまず。vox&Gの人は、激しく動きながらリフを刻み、叫ぶ。演奏も熱かったし、楽曲もまずまずで、なかなか。  
 ラストは、IOAJ。今回は最初っから観れたワケですが・・・やっぱスゲェ。各々のメンバーの技量もさることながら、バンド・アンサンブルの妙が素晴らしい。しなやかで躍動感のあるソウルフルはHCパンク・サウンドは、極上のダンス・ミュージックと言っても過言ではないかと。
 Gの方は、単音弾きで印象的なフレーズを紡いだり、痙攣するようなリフを切り刻んだり。Bはヒネリの効いたフレーズを、腰の入ったプレイで聴かせてくれまして。終始にこやかにプレイしてる谷口さんは、ホント楽しそうだ。Dsは女性なんですが、性別を全く感じさせない、パワフルでグルーヴィなビートを炸裂させまくってまして、とにかくカッコ良い!
 そしてvox!全身全霊で表現する「フロントマン」と言う言葉が相応しすぎるお方。声は勿論のこと、表情*5や動き(ちょっとパントマイムっぽくもある)といった「言葉」以外の部分でも感情を体現されてまして、惹き込まれる。目が離せない。その歌声は、エモーショナル。線が細く、高い声なんですが情念がこもりまくってて、直接胸に響くっつーか。そして、インスト・パートでの躍動感。感情のおもむくまま、跳ねる様にステップを踏んだり、板も無いのに漕ぐ動作をしたりと、独特のムーブが眩い。
 それらの全てのパートが渾然一体となり、より一層の高みへと舞い上がっていく様は、筆舌に尽くし難い感覚。まさに恍惚。
 シングルの曲を全曲演ってくれたのですが、それでも赦さないw客の声に応え、二度目の"メンフィス"を演って〆。いいモン拝ませていただきました。
 押し並べて満足度の高いステージが続いたのですが、やはりこの日はEXTRUDERSとidea of a jokeに尽きました。観れなかった人は残念でした、とか言っとくw。

*1:メロディであったり、展開であったり

*2:それはそれでカッコ良いけどね

*3:この日は、ターミネーターみたいなゴツいサングラス&キャップ&革ジャン&ジーンズという男前スタイルな出で立ちw

*4:そのまま投げっぱなしのときもあれば、戻ってリフを弾いたりもする

*5:ホント、いい顔するんだよねー