黒須嗣載さんトコの新刊は、過去にリリースしたCCさくら関連の作品をコンパイルした内容。3作収録されてるのですが、前後編の話があるので、実質2話収録風味。
 1本目は1998年にリリースされた3way split本からのテイクなんですが、なんか物凄い狂ったcrossoverネタになってまして、個人的に狂喜乱舞っつーか。小ネタでいろんなパロディのネタが交えてあるのですが、メインとなるネタが「ドクター秩父山」っていうのは、どうなのwww?ケルベロスケロちゃん=ケロタンという三段階スライド方式の下、さくらと共にケロタンが行動してまして*1、さくらにやらしいコトをする・・・という、如何ともし難い不条理系エロコメ。黒須さんの描くキュートなさくらと、リアルに模倣されたケロタンとの視覚的な対比が強烈で、なんつーかMELT BANANA風味っつーかw。
 ちなみに、オチはcrossoverらしく、ケロタンと入れ替わったケロちゃんの行く先は・・・?ってなカンジ。1998年っていうと、ちょうど「ドクター秩父山」の続編である「ドクター秩父山だ!」が連載されてた頃なんで、ある意味、当時としてはタイムリーなネタだった・・・のかw?
 もう1作は、真っ当なエロコメで、小狼、さくら、知世がメイン。この作品の前編は2001年夏リリース、後編は2001年春にリリースされたsplit本に収録されてました*2crossover系のテイストも織り込みつつも*3、基本は原作のテイストを踏襲してまして、さくらを意識する小狼と、それに気付かないんだけど、ナチュラルに好意を寄せるさくら、そして、そんな二人を視姦する知世ってな図式。
 後編は、ちょみっとえちぃテイスト。夜、宿題を忘れたさくらが教室に取りに戻るのですが、そこに偶然、やはり宿題を忘れた小狼が入ってきて・・・ってカンジで、まさに「暗闇にドッキリ!」っつーかw。えちぃ部分も悪くはないのですが、やっぱそれ以外の部分が面白いよね。
 キュートでソリッドな作画が魅力なんですが、そのわりには、なんか妙に読みにくいっつーか屈折したテクスチャーになってまして、その辺の感覚は、THE ACT WE ACTとかelevationみたいな、現代のno wave系HCとかにも連なる気がしたりしなかったりw。
HP>http://www.mcnail.info/
ex.>id:PIG-M:20040128、id:PIG-M:20041202

*1:無論、ん〜・・・やらしい・・・とかしか言わないしw

*2:Rengaworksとのsplitで、凝った美麗なデザイン&ノート風味な本の造りという、特殊装丁本でした

*3:細かいネタは、黒須さん本人が作中で解説されてるので、割愛