• 砂々塚「あの日 あの夜 ふたりで」

 リウヰチさんトコの新刊は、2003年冬コミ・リリースの「百の夜と蝋燭と猫の尾。」の続編。このシリーズ、数年に一度のペースで続きがリリースされますねw*1
 架空の世界の物語で、女装美少年専門の娼館が舞台。同じ人を慕っていた二人の内の一人が、想い人の下に身請けされることが決まったのですが・・・ってなカンジで、愛憎入り混じった想いが交錯する、emotionalな話が展開。こういう心理描写の機微を描く作品は大好物。そのパートが若干短い気もしますが、冗漫になるよりは良いかな。
 女装してるとはいえ、ふたなりではない純然たる「男のコ×男のコ」の行為が描かれてるワケで、読み手を選ぶとは思いますが*2emoく切ないテイストが好きな方にはオススメの作家さんですんで、偏見を捨て、是非一度チェックしていただきたいものです。物語自体も、思いっきり後を引くシーンで終わってるんで、続きが気になりますが・・・年内は無理かなw。
HP>http://ssdzk.sakura.ne.jp/
ex.>id:PIG-M:20030826、id:PIG-M:20031125、id:PIG-M:20040115、id:PIG-M:20041014、id:PIG-M:20050117

  • 近傍租界「POLLUTED LOVER」

 こんもりさんトコの冬コミの新刊は、UG☆アルティメットガールのヴィヴィアン本。白絹に対する複雑な想いを払拭すべく、行きずりの男たちに抱かれるヴィヴィアン・・・ってなカンジなのですが、徹底的にハードな輪姦シーンとは裏腹に、ヴィヴィアンの切ない心情の機微がモノローグとして丹念に綴られてまして、エロいんだけど、どこか寂寥感を感じさせる、切ないテイストに彩られています。
 ともすれば、切ないだけで、悲しいラストに収束してしまいそうな内容ですが、きっちりと自分自身の想いと向き合い、傷つきながらも前に進んで行こうとするヴィヴィアンの「いい女」っぷりを描いたラストは、清清しくすらある、素敵な幕引きで見事。
 ストーリー的には文句無しですが、エロ・パートの充実っぷりも見逃せない。個人的にインパクトが強かったのが、ヴィヴィアンの乳輪の描写。白人*3独特の、色素が薄くてパフィ・ニップル系の形状なのですが、乳輪の輪郭にエフェクトを加えて、後は肌と同じ色で描写してるのですよ。最初は薄手のブラウスかなんか着てるのかと思ったのですが、これは色素の薄さを表現してるのではないか、と。一歩間違えると手抜きにしか見えないですが、他の部分の描き込みや画面の処理から鑑みるに、これは意図的な効果だな、と。巨乳輪系の表現って色々あると思うのですが、基本的にトーンとかを駆使するじゃないですか。それを、色素にこだわって、敢えて最小限のエフェクトで仕上げてきた、こんもりさんのこだわりっぷりに乾杯w*4
 かように、乳描写に重きが置かれてはいますが、それ以外の部分もパンチ効いてます。こだわりのちんこの描写は今回も健在で、皮を弄くる描写もフォロー。5Pなんで*5画面狭しとばかりにちんこが乱舞しておりますw。
 基本的に着衣シチュな点もマルなんですが、肢体の、筋肉等の表現の仕方が相変わらず魅力的なだけに、敢えて脱がしてしまって、制服に隠されてた胴回り周辺の描写とかがあっても良かったかも?この辺りの選択は悩ましいですにゃー。
 細かい字で散りばめらた擬音も、OVALとかの音響系っぽい風味で良いカンジw。
 総じてストーリーと作画の距離感が絶妙で、魅力的な作品に仕上がったのではないかと。一見すると濃い目の味付けですが、その後味は実に爽快な快作。オススメです。
HP>http://dokanhouse.com/konmori/
ex.>id:PIG-M:20041221、id:PIG-M:20050112、id:PIG-M:20050405、id:PIG-M:20050825、id:PIG-M:20051117

*1:前作のreviewでその辺に触れてます→http://d.hatena.ne.jp/PIG-M/20040115#p2

*2:ふたなりでさえ抵抗のある人が多いからねぇ・・・

*3:ヴィヴィアンはハーフだけど

*4:相対的に小さい乳首っていうのもマニアックだなぁ

*5:ヴィヴィアンvs男4人