HARVEST vol.20@代々木公園

@陸橋の柱

 今日は、珍しくヒップホップ系のイベントに足を運んでみました。今回のイベントは、ベルリンのアーティストとの文化交流やコラボレーションがテーマだそうで。しかも、都公認のイベントだとか?なにやらテーマとかバックボーンは色々ありそうなのですが、ぶっちゃけ現場でそれを実感する瞬間は少なかったなぁ・・・。
 数日前にmixiでイベントのコトを知ったのですが、とにかく情報が少ない・・・。出演アーティストも、名前だけは錚々たるメンツが挙がっていたのですが、「出演交渉中」とか「脈アリ」などという注釈だらけ。タイムテーブルも、結局mixi経由でしかチェック出来なかったし。
 そんなカンジで、微妙に不安の残る印象だったのですが、天気も良かったし無料だしっつーコトで、冷やかし半分で行ってみたのでした。
 数年ぶりで原宿で下車し*1、代々木公園目指して・・・と、いきたいトコなのですが、代々木公園の場所がよく分かんねぇw。とりあえず、オリンピックプール方面に向けて当て所なく出発。苦笑いを禁じえないヴィジュアル・バンドのデモンストレーションを横目に進んでいくと、RAWKUSのショルダーバックを持った方を発見。助かったーw。小走りで駆けていくその方の後を、追尾追尾。
 長い直線道路だったおかげで、見失わずに済みまして。道中、「アレグリア」会場の横を通過。アレグリアって、ホントに開催されてたんだw・・・などと感慨に耽ってたら、遠くからヒップホップのビートが聴こえてきまして。ちょっとした屋台村を抜けて行くと、会場に到着。
 正午から始まってまして、俺が到着したのが13時半前なんですが・・・意外と人が少ないぞ。会場は幾つかのブロックに別れてまして、メインステージのlive zone、ランプが設置されているskate zone、エアロゾール・アートを自由に楽しめる*2Graffiti体験Workshop zone、BreakerたちがBreak Danceを披露していたB-Boy Battle zone、そして、サブステージといった位置づけのHip Hop 最高会議zone、といった具合。さらに、方々に屋台が乱立ってなカンジでしたね。
 とりあえず、俺の目当てであったZZ PRODUCTION*3、VOLCANO POSSE、DOSMOCCOS、GAGLEとかが13時半頃から15時頃に集中して出演するんで、メインステージに移動。幸か不幸か人が少ないんで、労せずして最前線を確保。フロアとステージの間は結構な距離が離されてました。安全の為なんだろうけど*4、前で観てても、ちょっと距離を感じてしまって、イマイチな印象だったなぁ。
 ほどなくして、ZZ PRODUCTION登場。以前から名前は知ってたんですが、初見&初聴。jazzyでキャッチーなトラックの上を、一言一句きっちりと聴き取れる、滑らかで歯切れの良いラップが舞う。結構ナニをラップしてんのか分かんないラッパーって多いんだけど、初めて聴いてもライムを聴き取れるラップっていうのは、なかなかのスキルなんじゃないかしら?なにげにライムがemoかったりするのも、個人的にはポイント高かったです。音源もチェックしてみよう。
 やたら元気の良かったDMR All Starsを挟んで*5VOLCANO POSSE登場。餓鬼レンジャーの"ばってんlingo"でその存在を知って以来、お気に入りにMCの一人となったKEN-1-RAWが在籍するグループなのです。ナマで聴くバウンス・ビートは新鮮だったけど、あんま場内のリアクションは芳しくなかったな・・・。まぁバウンスって地味っちゃ地味だからねぇ。でも、KEN-1-RAWの小気味良いフロゥとバウンスが絡むサウンドは、結構好き。
 VOLCANOのステージは数曲で終了してしまい、短いなーとか思ってたら、餓鬼レンジャーポチョムキンが登場し、DOSMOCCOSに移行。"ばってんlingo"なノリを期待してたんだけど、バウンス系なれど、意外と地味でシブいサウンドを聴かせてくれました。
 次いで登場したGAGLEは、jazzyでmellowなトラックが、やっぱ素晴らしい。ラップも安定してたし、素直に楽しめましたが、如何せん短かった・・・。ショウケースってなカンジでしたよ。
 とりあえず観たいアーティストは観たので、ここで一端ステージを離れ、知人とかを探しがてら場内を巡回。先ずは腹ごしらえ。つーか、好天に恵まれてはいましたが、メインステージは思っくそ日陰だった上に、折からの強風が吹き荒んでいまして、体感気温は結構低めだったのねで、燃料補給しないと、軽くヤバめ。たこ焼きや焼きそば、お好み焼き、ラーメンなど、よりどりみどりな屋台が出揃ってましたが、俺は焼きそばとケバブをチョイス。このケバブの店の店舗を兼ねた車の車体には「マネーの虎でマネー獲得!」的な宣伝文句が踊ってましたよw。番組が無くなっても、あの文句は残しておかねばならないのか・・・。ちなみに、なかなか美味しかったりw。
 そんなケバブを貪りつつ、スケートやらブレイキンやらエアロゾール・アートを眺めたり。メインステージは思ってたよりも人が少なかったのですが(序盤は、ね)、意外と場内は人出がありまして、銘銘が好きなトコで盛り上がってた印象。個人的には、ナマでエアロゾール・アートを描いている瞬間が見れて、面白かったなぁ。ブレイキンに関しては、コミティアで何回か拝見させていただいた、某作家兼ブレイカーの方のムーヴのほうが断然カッコ良かったぞw。
 一通り巡回も終わったのですが、知り合いがいない・・・。しゃーないので、mixiで動向をチェックしようかと思ったら、mixiがトラブってて繋がらない・・・orz。にっちもさっちもいかない状態に追い込まれ、いささか途方に暮れているところに福音が。知人のKさんが現場に到着した、とのメールが!すぐに合流しまして、ひとしきり談笑。Kさんの友人の方と共に再度場内を巡回してたら、Hip Hop最高会議zoneで、素敵なバンドに遭遇。PORT:SCAPEというバンドだそうで、生楽器+ターンテーブルでインスト・ヒップホップ〜jazz〜fusionを演奏。VU路線ではあるのですが、即興性も感じられて、個人的には大好きなタイプ。実は、この日一番楽しめたバンドだったりw。
 PORT:SCAPE終演時には、夜の帳も降り始めてまして、ぼちぼちMSC関連のステージのお時間っつーコトで、Kさんや途中で合流したOさんらと共にメインステージへ。MSCの面々は、流石にこなれたステージングを披露してくれまして、こういうマッシヴなスタイルは好みじゃない俺でも楽しめました。とりわけ、個々のフリースタイルのスキルの高さには驚かされましたね。ぶっちゃけ、曲よりもフリースタイルのほうが断然カッコ良かった。人気があるのも納得でしたよ。
 MSC終演後、KさんやOさんらはU.G MAN企画@Zher the ZOO YOYOGIに向かう為に離脱。俺は、以前より興味があった降神を観てみたかったので、一人現地に残留。ステージの進行はだだ遅れで、降神降臨予定時刻になっても一向に出番は回って来ず、ティピカルなラップが延々と続いたり、主宰の方のありがたいトーク*6*7があったり、日が沈んで益々冷え込んできた天候も相まって、半ば本気で帰ろうかと思っていたところに、ようやくtemple atsのDJ SHUNが登場。フロアに人が一気に前方に押し寄せ、俄然温まるテンション。そんな中、DJ SHUNがおもむろにターン・テーブルを駆使し始める。躍動感溢るるトリッキーなスクラッチが炸裂し、俺の下がりきったテンションが一気に沸点近くにまで登りつめる。こういうのを待ってたんだよ!場内のヴォルテージも最高潮に達しようかというところで、MCの片割れ*8が登場。
 抑揚を巧みに駆使して放たれる言葉は、ある種の呪術性を秘めているというか、独特の存在感に満ち溢れていて、その一語一語に圧倒される。繊細なトラックは勿論好みなんだけど、ラップから意識を逸らすことが出来ないので、どこか遠くで鳴っているかの如き錯覚を覚える・・・。
 そんなカンジで、一発目から圧倒されてしまったのですが、相方である「なのるなもない」が登場することによって、さらなる深遠へと突き落とされる。フリースタイルというには、余りにも奔放すぎる「歌」のフリースタイルが炸裂し、マイクリレーが繰り広げられる。パっと聴きには無邪気で稚拙な歌にも聴こえるのだが、どこか神々しくもあり・・・歌声が月夜に吸い込まれていくような神秘性を感じたのは、俺だけだったのだろうか・・・?
 そして、二人揃っての曲が。・・・あぁ、俺はなんで彼らの音をチェックせずに今まで過ごしてきてしまったんだろうな。リリカルで繊細なトラックの上を奔放に、歌うようにラップする2MC&1DJの奏でるサウンドは、本当に心地良い。これは話題になるよね。不勉強な自分が恥ずかしい・・・。今度買います。
 最後の最後で素晴らしいものが観れたので、なかなかご満悦ではあったのですが、元々の企画の趣旨に沿ったイベントだったかどうかは、結構微妙かも?ベルリンから来たヒューマン・ビート・ボックスのアーティストとかも出てたけど、刺身のツマ的な位置づけだった気が。エアロゾール・アートとかを手がけたのかもしれないけど、それは現場で窺い知るコトは出来ないしなぁ。一応特設ブースっぽいのはあったけど、もう少し派手にアピールしても良かったのでは?
 あと、物販スペースは欲しいよね*9。その場で観て気に入ったアーティストの音源って、結構勢いで買っちゃうじゃん。収益アップにも繋がると思うんだけどね。
 ともあれ、俺みたいな部外者にとっては、色々と物珍しく、刺激的なイベントでしたよ。
 ・・・どうでもいいけど、オーセンティックなヒップホップのコール&レスポンスって、声優系とかに通ずるものがあるよねw。意外と動きのリアクションが限定されてて、ちょっとビックリでしたよ。

*1:Peter Saville展を観に行って以来だな

*2:様々な色のスプレーが用意されていて、自由に使える

*3:サイプレス上野とロベルト吉野Steruss

*4:各種映像画像のシューティング用のスペースとして機能してた印象

*5:結構高速のフロゥを聴かせるラッパーがいて、その人が印象的だった

*6:内容云々以前に、マイク使ってない&腹から声が出てなかったので、全然聞こえなかったんですが・・・。しかも長かったし

*7:それはそれで良いんだけど、6時間以上聴いてると・・・ね

*8:初見&初聴だったんで確証はもてないけど、多分、志人

*9:Hip Hop最高評議会zoneではちょろっと売ってたケド