白門GIG vol.3@中央大学多摩校舎サークル棟中庭/EYESORE/LOST TERROR/MAD MANIAX/DEATH FROM ABOVE/NK6/TASKE/TANTRUM/TRIKORONA/PALUKA/GROANING GROOVE/FAMILY MAN

GROANING GROOVE

 ウチから結構近いコトもあり、電車〜モノレールと経由して、12時過ぎに中央大学に到着。改札を出るなり、THE HIGH-LOWSのチケットを求める難民の姿が・・・w。やっぱ人気あるんだにゃー等と思いつつ、フライヤーの地図を頼りに、サークル棟を目指す。
 幸い、モノレールの駅の間近が会場だったので、迷わずに到着。サークル棟中庭は、中庭らしく日陰になっておりまして、意外とひんやり。うわっぱりを持ってきて正解だった・・・。
 会場は人影もまばらで、閑散とした空気・・・w。知人と会話したりしつつ時間を潰していると、トップのEYESOREの面々が登場。vox、G、B、Dsの4人組なんですが、なんとGはGROANING GROOVEのBの方だし、DsはTANTRUMのvoxの方という、なにげに豪華なラインナップ。俄然期待は膨らんだんのですが、ここから延々とPAによるサウンド・チェックが始まってしまいまして、トーン・ダウン・・・。大事な作業だとは思うけど、事前にやっとこうよ・・・的な感は否めない。ま、学祭らしいっちゃらしいですがね。
 そうこうしてると、なし崩し的に演奏開始。サウンド・チェックの一環なのか、本番なのかの判別が難しく、場内も微妙な空気に包まれる・・・。サウンドは、straight forwardなearly 80's USHC。シンプルな楽曲も過不足なく、個人的には好きなタイプ。ただ、やっぱ全体的にテンションが低め。終盤は盛り返しましたが、惜しかった。
 次に登場したLOST TERRORは、学生バンドだったのですが、これが超掘り出し物。vox、G、G、B、Dsの五人組。ブラスト・パートを多用し、deathrash系ばりな突進力を有しつつも、ブレイクの部分でクリア・トーンなサウンドでお洒落なフレーズなんかを挿し込んでくるセンスなんかも隠し持っていて、一筋縄ではいかないカンジ。
 voxは終始咆哮しまくり、激しく動き回ってて、かなりいいカンジ。一方、バックは中盤くらいまで、かなり動きが固く、ステージ慣れしてない感じがありありと窺えましたが、演奏力は極めて高く、そのアンバランスなギャップが面白かったり。ベースが結構味のあるフレージを奏でていたり、ドラムがタイトだったりと、リズム隊も安定してたし、Gもキレのあるリフや、凝ったサウンドなんかを聴かせてくれてまして、総じてレベルが高い。
 楽曲のほうも、前述したような特色の他に、叙情性のあるフレーズや、BURST辺りに通ずるミッドな曲とかもあったりして、かなり楽しませてくれました。でも、やっぱ基本はブラストで圧しまくるアグレッシヴな曲が一番ハマってたかな。
 まだデモテープも無いし、細かい問題点は色々ある*1バンドですが、継続して活動していけば、きっと話題の存在になっていくと思います。とにかく、解散しないで活動してくださいw。ともあれ、このバンドの今後には、要注目です。
 MAD MANIAXを経て登場した、DEATH FROM ABOVEも面白かった。G&vox、B&vox、Dsのトリオなんですが、GはKREATORのツアーT*2、BはBAD BRAINSのTシャツを着用という、なんだかよくわからないセンスw。しかしてそのサウンドは、Thrash Metalよりのcrossover系ってカンジ。クランチの効いたリフとフラッシーなソロで攻めまくるGを軸に、交互に吼えるvox*3と機関車系の突貫リズム隊とが渾然一体となって、終始走って走って走りまくる直情径行丸出しなサウンドを構築。味も素っ気も無いモノトーンな楽曲も心地良く、やりたい放題やっちゃった印象w。なかなか面白かったです。
 NK6に続いて登場したのは、急遽参戦が決定したTASKE。一部では有名な方らしいのですが、それも納得なステージングを披露してくれました。今回のメンバーは3人で、メインはキーボード&歌の男性。この方、うっすらとメイクなんかも施しつつ、上半身は、袖をカットオフしたネルシャツ風味なベスト一枚で、半分裸みたいなカンジw。下は、カットオフ・ジーンズ&黒のストッキング。足には鈴を巻いてたりw。そのサイドを、奇天烈な出で立ちをした女性ダンサー*4と、ドカチン+近藤房之助なルックスの方が固めてました。機材設置用にセッティングされた机の上には、でんでん太鼓やらマネキンの首やらアフロ犬やらカンパ箱やらの有象無象が軒を連ねてまして、否応無しに高まる期待w。
 で、演奏が始まったのですが、打ち込みのチープなトラック*5+キーボードでのリフ+歌というスタイルで、両脇のメンバーはダンサーだったらしく、終始無言で出来損ないのラジオ体操チックなムーブを披露。特に、男性のほうは明らかに振り付けを覚えていなくて、女性のダンスを見ながら、見よう見まねで動きをぎこちなくトレース。しかも、途中でケータイの着信かメールをチェックするという、素敵すぎる大技を披露してくれまして、場内の喝采を浴びていましたw。
 妙ちきりんなんだけど、微妙にキャッチーさのあるメロディを、フリーキーかつエモーショナルに歌い上げるvoxが強烈すぎ。明らかに大事なネジが5、6本抜け落ちてるとしか思えないストレンジな世界観を構築いてまして、現代版のlo-fi系なのかなぁ、とか思ったり。メインの方は、REYNOLSとかCAROLINER RAINBOWとか、ああいうガチな方々と同じ地平にいるお方ですな。なんか・・・凄かったよw。
 次いで登場したTANTRUMは、ギターの方がヘルプだったそうです。個人的には、LOGICAL NONSENSE辺りに通ずる、San Franciscoの地下HC臭を感じました。
 そしてTRIKORONA登場。相変わらず、各メンバーの機材が所狭しと並べられていく様は、圧巻。それを観てる観客のざわめきも、やっぱいつもどおりw。この日のステージでは、voxのコヤマさんとGのコレエダさんの調子が良く*6、いつもよりも動き回り、キレのある演奏や咆哮を披露。ノモトさんのシンセ・モジュールは、以前よりも緩急をつけたスタイルで鳴らしていたのですが、ちょっと控え目だったかも?ダイケンさんのベースもうねってていいカンジだったんですが、ちょっと音が埋もれがちだったかも。ハットリさんのドラムは、怪我の影響*7もあってか、ハットリさんにしては若干おとなしめだった気が。
 ドス黒い情念のこもった激音を撒き散らすTRIKORONAを目の当たりにして、大部分の客は呆然としてたのが印象的。どんどん異形の存在になっていくなぁ・・・w。
 次いで登場したPALUKAも又、現行のHCの世界では異彩を放つバンド。燻し銀のハードコア・パンクを聴かせてくれるのですが、芳醇なロックのテイストをカンジさせる、インスト・パートの充実っぷりに益々磨きがかかってきてまして、凄みを増してました。テクニカルだったりカオティックだったりってことじゃなくて、往年のブルージィな味わいっつーか。春に観たときよか速い曲が多かった印象なんですが、速い曲でも独特のねじれが感じられて、いよいよ以って熟成が進んできてるなぁ、と。
 ただ、客が無駄に暴れ始めたせいで、ちょっと興醒め。曲にあわせて盛り上がるんなら全然OKっつーか、むしろ推奨なのですが、それとは関係無しに暴れるのは無しだろう。挙句の果てには、○の入ったコップ*8かなんかを床に叩きつけて割ったりしてて、閉口。まぁ学祭だから、はしゃいじゃう気持ちも分からんではないので、しゃーないのですが、そういうつまんないはしゃぎ方を外ですると、いずれ痛いメにあうぞ、と。
 今回の企画で一番盛り上がったのが、GROANING GROOVE。相変わらず初手から飛ばしまくってるのですが、それに呼応して客も盛り上がり、お約束の"Crack"で沸点に。今度は、ちゃんと曲にあわせて周囲が暴れてたので、俺も遠慮なく混じってはしゃいじゃったりw。
 いよいよ大トリのFAMILY MANなのですが・・・あれ?voxの人が見当たらないよー?にも関わらず、演奏開始。ドライブ感のあるロッキンなナンバーで盛り上がってくるのですが、voxの方はどこからやってくるのか・・・と思ってたら、なんと自らのステージが終わったばかりの、GROANING GROOVEのvoxのオオノさんが登場!?FAMILY MANのvoxの方は都合がつかなくて来られなかったそうで、急遽オオノさんに白羽の矢が立ったそうで。思いもよらぬ組み合わせの貴重なステージが観れたのはラッキーでしたが、如何せんオオノさんは疲れてたw*9。無論気力を振り絞って充分に役割は全うしましたが、「貴重」以上のステージでは無かったですな。当たり前だけど。
 そんなカンジで、色々レアなステージが観れた、興味深い企画でした。

*1:voxの緩急とか、バックのテンションとか

*2:しかも、1993年モノ。下り坂の時期じゃんw

*3:このvoxがHCテイスト

*4:この方もTASKEの正式メンバーみたい

*5:でも、意外とビートはカッコ良かったり

*6:コヤマさん的にはイマイチだったそうですが

*7:手首とわき腹を負傷中

*8:某飲料は禁止でしたw

*9:後で話しを聞いたら、1曲目の終わりに足がつったとかw