LOW VISION /ANGEL O.D. split CD

LOW VISION /ANGEL O.D. split CD


 LOW VISIONはちゃんと聴くのは初めてだったのですが、Youth Crew系をベースにしつつも、爆裂Fast Thrashなテイストがてんこ盛り。楽曲自体はキャッチーなんだけど、荒々しいサウンド・プロダクション*1や、パワフルで熱い演奏のおかげで、甘さは無し。
 voxは、ちょっと声が高いタイプで、このテのサウンドにはぴったりの声質。気合乗りも満点だし、日本語で歌うスタイルもナイス。ミッドな曲でのベース・ラインとかも味があるし、ギターのフレージングやリフのキレも良いカンジ。ドラムもワイルドで、適度なバタバタ感も好し。これは、近いうちに一度ライブを観に行かねば。
 ANGEL O.Dは、やっぱ音源でも凄い。RiEさんとDEATHLAWさんの絶叫は、スタジオ音源でもライブ同様の気迫と狂気が交錯する凄まじい情念が迸っていて、壮絶極まりない。絶叫系のvoxって、結構スタジオ音源だと威力が減衰してしまうコトがあるんだけど、この二人に関しては、そんな心配も杞憂だったようで。
 そして、やっぱ楽曲が良いなぁ。こうやってスタジオ音源でじっくり聴くと、良く練られた楽曲のテクスチャーを堪能出来ます。目まぐるしく音の表情が変化していくのですが、それらが1曲の中でしっかり結実しています。速いパートも、ミッドでうねる展開も、じっくり聴かせるパートも、全てが有機的に絡み合ってるっつーか。あと、なにげにオーセンティックなHCのエッセンスも感じさせてくれるトコもミソ。新世代のHCサウンドを踏まえつつも、しっかりと過去に先達たちの影響も窺えるサウンドのバランス感覚が素晴らしい。
 そんなサウンドを牽引しているリズム・セクションは、かなり強力。つーか、俺はPOISON IDEAの匂いを感じるんだが、どうか。シゲタさんのドラミングは実にパワフルで、けしてテクニカルというワケではありませんが、良い味を醸し出していて、個性があります。ところどころ、Thee Slayer Hippieを彷彿とさせるんだよなぁ。
 04WDさんのベースは、とにかく、うねりまくるサウンドが素晴らしい。特に、ミッドな曲とかでのプレイ・スタイルが印象的。"コドクノテリトリー"でのプレイなんかは真骨頂って感じかと。不穏なベース・ラインが超カッコ良いのです。"Golf"でのプレイも良いなぁ。
 King-Changさんとフティムラさんの両ギターのプレイも、当然ナイス。切れ味鋭いリフをキメつつ、不協和音を活かした凝ったフレーズとかを連発。細かくヘンな音とかをいっぱい鳴らしてて、かなり練られたスタイル披露。
 ちなみに、今回の音源に関して言えば、前述したようにかなり細かい音の細工が為されてまして、そこら辺も聴き所。結構スペーシーなテイストもアリ。
 楽曲単位では、"Golf"か"コドクノテリトリー"が俺的なベストかにゃー。ANGEL O.Dの美味しいトコが詰まった楽曲かと。
 もう少し長い曲も聴きたい!とも思いますが、敢えてこの短さにまとめてる気もするので、そこら辺はライブで期待ってカンジかしら?
 両バンドとも全くスタイルが異なれど、クオリティは抜群に高い、好split。俺的には、どっちのサウンドもツボだったんで、ワタクシご満悦ですよ?

*1:EXCLAIMのアルバムに通ずるテイストね。スタジオ同じだし