• 楓のはらわた「The DAY AFTER」

 武藤礼恵さんトコの夏の新刊は、ご自身がシナリオを手がけたタイトルである「シス×みこ」の、いわばオフィシャル・ブート的な作品。ちなみに「シス×みこ」に関してはこちら参照↓
http://www.xanadu-soft.org/miko_sys/top_miko_sys.html
 ゲーム本編は双子の姉妹と義兄とを巡る恋のお話でして、この作品では妹が義兄と結婚したっていう設定になっております。でも、義兄への想い*1が断ち切りがたかった姉は、その想いを義兄にぶつける。すると、義兄からは意外な返答*2があった・・・ってな導入でして、そこから緩やかに堕ちていく物語が紡がれていくワケで。
 義兄の便所奴隷*3と化した姉の日々の調教を軸に話は進行していくのですが、この調教の件にたっぷりと尺がとられており、執拗なまでに丹念な調教の過程がこれでもか!ってなぐらい描かれてます。授業中にも関わらず、男子トイレでねっとりフェラ&飲尿とかは日常茶飯事ってなノリなのですよw?しかも、前述したように尺は長いので、いつもの武藤さんの同人作品よりも会話やプレイの濃度が濃ゆい濃ゆい。義兄の言葉責めもいいカンジで、冷静さと下品さを併せ持ってるかの如き好印象っぷり*4が眩いw。また、随所に「臭い」という隠し味を効かせており、より下品で淫靡なテイストを強化。
 調教は徐々に佳境を迎え、アナル開発からふたなり化へ。ここら辺から汁気描写にもドライヴがかかってきますw。便所奴隷とは言いつつも、基本的には「愛」がベースにありますんで、義兄が生えてしまったちんこの扱いを入念に指導。無論手コキのみならず、しっかりお口に咥えて、咥内射精もしてあげちゃったり。こういう歪んだ「愛」をしっかり描くことにより、両者の絆の深さとかも計り知れます。そして、そういったことの積み重ねがオチの破壊力にも起因するのです。巧いなぁ。
 姉がすっかり出来上がったところで、いよいよ妹の登場。妹も当然義兄によって調教されてます*5。妹と義兄が絡んでいるところで姉が登場し、そのまま姉妹レズ・シーンへと雪崩れ込んでいくのですが、姉があまえんぼ系の口調なのに対し、妹は理性的な口調。そんな性格付けを踏まえたエロテキストが交錯する様は、活字ならではのエロさを堪能させてくれる瞬間ですな。姉妹での濃密な絡みから義兄も交えての3P。ここで一気に孕ませへと畳み掛け、妹から姉へと連続膣内射精。そして、妻である妹すらも便所奴隷へと貶めてしまう・・・*6。この件で、三者の狂気じみた痴態をがっつりと描き、darkでgloomyな末路を示唆してますねー。
 そして、結末。8ヶ月後、見事に姉妹揃って孕み、ボテ腹状態。それと共に狂気にもしっかりと蝕まれてしまいまして、義兄は、そんな姉妹をクラスメイトたちの便所奴隷へと貶め、穢される様を撮影して興奮する始末・・・。姉妹も嬉々としてそれを受け入れる、という救い難い陰惨なラストを迎えてしまうのでした・・・。
 序盤の「愛」が緩やかに変質していき、見る影も無く歪んだ「愛」へと変貌していく様を見事に描ききってまして、力作と呼ぶに相応しい充実した仕上がり。惜しむらくは、妹の調教の過程や、ラスト・シーンの部分など、削ぎ落とされてしまった部分も読んでみたかったなぁ、と。でも、ラスト・シーンとかを描いちゃうと陵辱テイストが濃くなってしまい、肝心の「歪んだ愛」のテイストが薄まってしまう気もするので、これで正解なのかも。
 内容、ヴォリューム共に、武藤さんの同人作品の中では3本の指に入るクオリティじゃないかしら?*7元ネタがマイナー*8ではありますが、↑のサイトに体験版とかもあるんで、それをプレイしてから読んでみてください。何度か書いてるケド、活字だってエロいんじゃぜー?小説だからってスルーするなんて勿体無いですよ?当然オススメ。excellent!*9
HP>http://kaede-no-harawata.com/
ex.>id:PIG-M:20031013、id:PIG-M:20041112、id:PIG-M:20050107、id:PIG-M:20051010、id:PIG-M:20050403、id:PIG-M:20050427、id:PIG-M:20050626

*1:精神的にも肉体的にもw

*2:便所奴隷としてなら抱いてやる的な返答

*3:ちなみに、輪姦されちゃう方面の「便所」では無いのですよ?あくまでも義兄限定の「便所」。この点が実は結構重要なファクターだったり

*4:甘い言葉を囁きつつも、キッチリと退路を塞いでいき、結果的に拒否させないようにしちゃう、という

*5:アナル開発。妊娠が怖くて前はあんまり使いたがらないってな具合

*6:さらにふたなり

*7:どうでもいいですが、個人的な武藤さんの同人作品のベストは、To Heart3部作

*8:スンマセン・・・

*9:©Beck女史