まだまだ続くゲーム・バトン。

 横スクロール・シューティングの偉大なるマイルストーンであるこのゲームと出会ったのは、地方都市の場末のゲーセン。俺は中2の時に東京から地方都市に引越したのですが、その地方都市の引越し先の家から一番近いゲーセンが、件の場末のゲーセンだったのです。どんなゲーセンだったかはコチラ参照↓
http://d.hatena.ne.jp/PIG-M/20041217#p3
 最初に気になったのは「音」でしたね。コイン投入音、レーザーの発射音などの効果音系から無論ステージのBGMに至るまで、PSG音源なのに良い音が鳴ってたんですよ。しかも、なんか知りませんが、件のゲーセンでは他の筐体よか音が大きめに設定されてまして、その「音」に惹かれてプレイしてみたのです。さぁやるぜ!と思って自機を動かそうとしたら・・・遅ッ!あまりの遅さに驚きを禁じえなかったのですが、とにかくパワーアップせねばならない・・・。
 そう。このゲームの特徴の一つにゲージ式のパワーアップ・システムが挙げられます。従来だとアイテムを取ったら即パワーアップっていう仕様が多かったのですが、グラディウスはいわゆる「パーツ」的なアイテムは登場せず、敵が落とす共通のアイテム*1を取る度に、画面下部にあるパワーアップのゲージ*2が左から右に移行していき、任意のタイミングで好きな装備を強化出来るというシステムを採用していました。初手からレーザーをチョイスするも好し、上限までスピードを上げるも好し、シールドを常に仕込んでおく*3幅広い攻略や戦略を可能にしたのでした。
 そして、装備自体も独特のものが多く、中でも「オプション」の存在は画期的でした。言うなれば自機のクローンみたいなもので、自機の現状の装備そのままの性能を有しており*4常に自機の動きをトレースし続けるのです。しかも当たり判定無しで、最大4つまで同時装備可能という優れもの。このオプションのフォーメーション*5とかも攻略の鍵だったりするワケで。それと、レーザーも印象的な装備でした。このレーザー、自機の速度を上げて使用すると、俗に言うところのワインダー*6が使えまして、ある程度慣れてくると3速辺りがベストになってきます。ただ、ワインダーに夢中になってると、誰でも一度は地形かなかにブチ当たって死にますw。地上を流れていくミサイルも面白かったなぁ。
 あと、グラディウスといえば、個性的な面構成も忘れられない。火山から始まって、ストーンヘンジ、モアイ、逆火山、触手、細胞、要塞というどれもこれもクセのあるステージばかり。モアイ・ステージのインパクトは凄かったよなぁ・・・。敵の攻撃は、1周クリア程度ならちょっとシューティングが好きな人なら問題が無い難易度ですが、2周目以降は敵を倒す度に「撃ち返し弾」が発射されるようになり、急激に難易度が上がります。この撃ち返し弾が出るようになってからが真のグラディウス、と言えなくもないかも。
 そんな激しい攻撃が続くワケですから、当然やられちゃったりもします・・・。今のシューティングはやられても自機は現状から復帰&ある程度のパワーアップ・アイテムは確保出来るようになってますが、この当時のゲームは、死ねば一定箇所から最弱状態で再スタートという仕様が基本。前述したように、超遅い自機で敵の攻撃をかいくぐらねばならないワケで、ヘタをうてばどんどんやられてしまいます。ここで重要になってくるのが、このゲームの醍醐味である「復活」*7です。グラディウスというゲームは基本的にパターン・ゲームですんで、一度確たる攻略法を身につけてしまえば、復活も怖くない。
 とは言え、普通の人なら1周目の復活が関の山。何故なら、2周目以降は撃ち返し弾も計算にいれてパターンを構築せねばならないからです*8。ところが、そんな高次面での復活さえ完全にパターン化し、カンストさせる猛者は全国にいたワケで・・・。俺も新宿のゲーセンで5-6の復活を目の当たりにし、その芸術的な軌道に目を奪われたものです・・・。後にメストで復活パターンの攻略記事が連載されましたが*9スゴすぎて参考にならなかったよw。
 それと、グラディウスで忘れられないのが、X-68000。俗に68Kとかペケロッパー*10とか言われたSHARP製のパソコンなのですが、なんと本体にグラディウスがバンドルされていたのですよ。ファミコン版やPC-88mkⅡSR版に泣かされてきた我々にとって、その忠実な移植っぷりはまさに待望と言うに相応しい出来だったのですが・・・如何せん高嶺の花ですた・・・orz。
 ちなみに、客観的に見ればグラディウス・シリーズの最高峰はグラディウスⅡだと思います。実際、俺も相当ハマりましたし、元祖と甲乙つけ難かったのですが、思い入れだとやっぱ元祖なのねん。
 グラディウスって「バブルシステム」っていうシステム基板を使ってまして、電源を入れて起動するまでに2分弱ほど時間がかかるのですが、その間、「コナミ・モーニング・ミュージック」という曲が流れるのですよ。俺の休日は、この曲を場末のゲーセンで聴くトコから始まってたんだよねw。「Ⅱ」の時は高校生だったし、もう音楽とかに傾倒してたから*11そこまでのめり込みはしなかった・・・。
 音楽と出会うまで、俺の人生の中心にはゲームが位置していた。でも、1985年には

ミート・イズ・マーダー

ミート・イズ・マーダー

Low Life

Low Life

と出会い、確実に俺の人生の中心に音楽が侵食し始めてきていた。そんな音楽の侵攻を食い止め、俺を再びゲームに夢中にさせてくれたのが「グラディウス」だったのです。

*1:赤がゲージ増、青が全滅アイテム

*2:幾つかのマスがあり、左からスピードアップ、ミサイル、ダブル、レーザー、オプション、バリア

*3:パワーアップのゲージを常にシールドに合わせておくこと

*4:自機がレーザー装備ならレーザーを放つ、みたいな

*5:画面上の位置取り

*6:自機の移動によってレーザーの軌道を動かし、通常では攻撃出来ない敵を撃破する攻撃法

*7:面白いもので、復活が熱いのは横スク系が多いよね。R-TYPEとか

*8:しかも、撃ち返し弾は周回を重ねる毎に増えていくのですよ?

*9:めぞん一刻さんが手がけたんだっけ?失念・・・

*10:って言わなかった?マイナーな呼び方だったのかなぁ・・・俺の周囲ではポピュラーだったんだけど

*11:以前に書いたケド、朝イチでゲーセンに行ったとしても、ゲームをするのが目的ではなく、皆とダベるのが目的だった。音楽聴きながらくっちゃベってたほうが楽しかったからね