• FORBIDDEN "Forbidden Evil"CD.(CBS/SONY/25DP 5342)

Forbidden Evil

Forbidden Evil

 5人組ベイエリアスラッシュ・メタル・バンドの、1988年産1st。元々はアルバムのタイトルとなっている"FORBIDDEN EVIL"という名前で活動していましたが*1アルバム・リリースを期に改名。ライナーノーツによれば、DEATH/BLACK METAL系と誤解されるのを避けるためだったとか。
 お約束のベイエリア・クランチを効かせた鋭利なリフと、やはりエッジの効いたツイン・リードのGの絡み合いの妙がポイントのバンドで、とにかくギター・ワークに当時は酔いしれたものです。無論それだけが魅力ではなく、ハイ・トーンで伸びやかに歌い上げるvoxや、後にSLAYERに参加するDsを代表とするリズム隊も悪くない。歌えるvoxがいるせいもあってか、一連のThrash Metal勢の中ではかなり聴き易い部類に入るかと*2
 楽曲的には、まぁティピカルなベイエリア・スラッシュの域は出てません。なんかVIO-LENCEっぽいフレーズやTESTAMENTみたいなフレーズなんかも飛び出してますが、それは別にFORBIDDENに限った話じゃないからなぁ。こうして改めて聴いてみると、やっぱギターのバンドだよね。とにかく奔放に弾きまくり絡み合うソリッドなギターが紡ぎ出すフレーズがカッコ良すぎ。個人的にはサウンド・プロダクションの妙も評価しておきたい。ProducerのJohn CunibertiってPOSSESSEDからJoe Satrianiまで手がけるようなレンジの広いProducerなんで、Thrash Metalの良さを活かしつつ、ギターの鳴りなんかもしっかり考慮に入れたプロダクションを心がけたんじゃないかね?いかにもベイエリア・スラッシュってな具合の音の鳴りと、適度なザラつきを残しつつも艶のあるギターの鳴りを両立させた手腕は高ポイント。
 俺は1990年産の2ndまでしか聴いてないんですが、そのアルバムでは曲のスケール感が増し、よりオーセンティックなメタル風味が強まった印象。個人的には嫌いじゃないんですが、サウンド・プロダクションも含め、やっぱこの1stの方が好きです。普通にamazonとかで買えるんで、とりあえず試聴してみるが吉。その後も何枚かアルバムを出してるようですが、そこら辺は各自調査w。

  • L'Arc-en-Ciel "Clicked Singles Best 13"CD.(Ki/oon/KSC2 334)

 なんでラルクやねん!とツっこみたい方もいらっしゃるでしょうが、あいや待たれい。ラルクをきちんと聴いたコトがある人なら分かると思うケド、脊髄反射で否定は出来ないバンドなのですよ?
 俺が最初にラルクを聴いて印象に残った曲が"Flower"でした。レコ屋をブラついてたらたまたまこの曲が流れまして、最初は「あぁ、ウザいvoxだなぁ」ぐらいにしか思ってなかったのですが、どうも耳障りが妙なのできちんと耳を傾けて聴いてみると、ナルシスティックなvoxの影で、妙に自己主張の強いベース・ラインが蠢いておったのですよ。そのどうにもアンバランスなサウンドのバランスに惹かれまして、音源こそ買いませんでしたが当時出入りしていた某局でこっそり新曲が出るたびにチェックを入れてましたw。
 どうにもこのテのバンドのvoxの典型としか言いようの無いフロント・マンの印象が強くてなかなか楽曲にまでは耳を傾けたコトの無い方もいらしゃるかもしれませんが、ベースのみならずDs*3やGなど、バックのメンバーはなかなかどうして良いセンスしてるんですよね。パっと聴きは普通のチャートものなんだけど、地味にテクニカルでひねくれてるっていうのが面白いなぁ、と。
 ただこのベースの人、ソロの曲が死ぬほど退屈だったりするので*4つくづくバンドの中でのみ機能する人なんだなぁ、とか思ったりw。
 とりあえず騙されたと思って、どんな曲でもいいからベース・ラインを中心に聴いてみてください。かなり印象変わると思うよ?まぁ曲の出来不出来は激しい気がしますがw。

*1:TESTAMENT a.k.a. LEGACYと同様のノリですな

*2:まぁ今日びのリスナーの耳には、Thrash Metalなんて全然普通に聴こえるんだろうけどw

*3:実は脱退した旧Dsのほうがテクニカルだったり

*4:しかもベース・ラインもつまらない。TVのインタビューで「ラルクと同じ事をやりたくない」的な発言をしてました