引越し当日の後編ですw。今回もphotoのページと併せてご覧下さい。
 新居に到着し、まずは下準備として廊下や壁、恐らくはエレベーターなどにも*1保護用のシートを張り巡らせる。そして搬入作業がスタート。ダンボールは大雑把に色テープ梱包が下の階、それ以外は上の階の和室から埋めていくという指示を事前に出していたので、まずは安心して見ていたのですが、問題は家具。以前の我が家には本棚とCDの棚*2が全部で9基*3ありまして、事前の予定ではほぼ全てを上の階に搬入する予定だったのですが、
 ほ と ん ど 上 に 入 り ま せ ん 。
 階段の幅が思ったよりも狭く*4どうにもならない風味。・・・この事態は想定してなかった。一番デカいサイズ*5のは無理としてもレギュラーサイズ*6の本棚は入ると思ってただけに、これは大誤算。急遽事前に図った寸法等を再確認し、次善の策を講じようかと思ってたのですが、ここで業者のチーフの方から思いもよらぬ提案が。
「吊りましょうか」
吊りキタ━━━ヽ(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)人(∀゜ )人(゜∀゜)人( ゜∀)ノ━━━!!!! ってマジっすかー!?だってウチ10階ですよ?そんなの聞いたコトねぇ!とか思ったのですが、実際普通は一戸建ての家の2階にピアノを入れたりするときとかにやる手法だそうで、あまり団地ではやらないそうなんですが*7幸いにもウチは二階層構造。上下の部屋とも俺んちなんで、そういった折衝の手間は不要だし、下の共用通路から荷物を送り、上の部屋のサッシを取り外してそこから受け取る事は充分可能とのコトだったので、お願いする事にしました。でも、スタッフの方々から驚きの声が上がってましたよw?
 そうと決まれば、早速スタッフの方々が手配に入りまして、にわかに現場に緊張感が漂い始めました。だって、一歩間違って本棚とか下に落とした日にゃーヘタしたら大惨事ですよ?そりゃあピリっともしようってなモンで。基本的には上下階に分かれ、巨大なたすきのようなものをかけたブツを下から上に引き上げる、といった寸法。掛け声をかけながらタイミングを合わせ、下から上へと荷物を送り出した途端、手の空いたスタッフが上の部屋にかけつけてヘルプするという、なんともスリリングな現場。ある程度まで引き上げてしまえば、窓枠を支点とした「てこ」の原理で一気に室内に運び入れることが可能。デカい本棚がグイっと持ち上がってくる瞬間は、なかなか壮観ですよ?そんな調子で本棚等を6基+押入れ用の衣装ケース*8×2を吊るしまくりw。
 こうして無事デカいヤマを踏みw、後はどんどこダンボールを搬入しまくり。なんやかんやありましたが、お昼過ぎには無事引越し作業が終了。総じて問題の無い働きっぷりでしたので、お代に心づけを足して清算。業者の方々が引き上げるのを見送って、ようやく一息。しばし余韻に浸ります。なにかとゴチャついてますが、これからここで新生活を始めるのだと思うと、それなりにテンションも上がろうってなモンです。そんなテンションのまま2階に上がってみたのですが、その惨状を改めて目の当たりにして、激しく萎えw。だって6畳間にみっしりとダンボールが詰め込まれてるんですもの。しかも、平面だけでなく高さも180㌢ぐらいにうず高く積まれてるしw。これを切り崩していく工程を思い浮かべただけで「おうちかえるー」と泣きじゃくりたくもなろうってなモンですが、悲しいかなおうちはココなのねんw。しゃーないので、粛々と山の切り崩し作業に着手。カッター片手にガムテの封を切り、中の緩衝材を抜き、本やCDを空いてる棚に片っ端から詰め込んで、ダンボールを解体という作業を延々と続ける。初期〜中期に梱包したダンボールはその辺で貰ってきたモノが多いので、作りがしっかりしたものが多く*9勢い解体するのにも手間がかかりまして、精神力と体力の両方が削られていくのを実感w。やー、素でしんどいやね。ついでに言えば、めっさ手が荒れたw。
 そんなカンジで悪戦苦闘してるところへ、エアコン工事の業者さんが到着。我が家がなかなか妙ちきりんな構造になっているっつーハナシは何度か書いてますが、それは建物の構造だけではなく、内部の設備に関してもツッコミどころが満載だったりするのですよ?その最たる例がエアコン設置設備とTV端子、並びに電話端子等でして、エアコンは1Fにしかスリーブが開いてなかったり。そのくせ、TV端子は2Fのみにあって1Fには無し。かててくわえて電話端子は玄関付近の天井についてるという、かなり理解不能な構造。つーか、リニューアルするときに前の住人はツっこんだりしなかったのかw。
 で、とりあえず2Fのメインの居住スペースと定めた部屋にエアコンが無いという生活はありえないので、鉄筋コンクリートの外壁をブチ抜いてエアコン用のスリーブを確保しようってな寸法。とりあえず現場を確認していただいてから工事開始。それを見届けてから俺は作業再開。ドリルが外壁を突き破っていく鈍い駆動音をドローン&インダストリアル系のノイズと見立てて楽しみつつw*10再度トランス・モードに突入して解体を進めていったのです。
 が、これがなかなか終わらない。1時間経てど2時間経てど、一向に終わる気配が見えない。始めは「鉄筋の壁だから手こずるのかな?」ぐらいにしか思ってなかったのですが、なにやら頻繁に電話などでやり取りをしていたり機材を持ち込んだりと慌しいご様子。流石に3時間経ったところでいぶかしみはじめまして、ちょっと様子を覗いてみたのですよ。すると作業員の方が一心不乱に作業をしておりまして、なんとなく声をかけるのも憚られる雰囲気だったので、もう少し様子を見るコトに。この時点ですでに時刻は18時を過ぎており、元の住処の後片付けを残してる身としては心中穏やかではございません。そんなカンジでやきもきしているうちに時刻は遂に19時を過ぎ、さすがに苦言の一つでも呈しに行こうかと思ったところ、作業員の方が半泣き状態でやってきまして。
「随分手間取りましたねー」
「・・・」
「お疲れ様でした」
「・・・」
「・・・?何か問題でも?」
「・・・実は機材トラブルが・・・」
「と言うと?」
「穴は開いたんですが、ドリルのヘッドが抜けなくなってしまいました」
「・・・は?」
 想像を超えた事態に思考が追いつかなかったので、とにかく現場を見てみるコトに。・・・うわ、外壁にドリルが生えてますよーw?そのシュールな光景にしばし呆然。業者さんの話では後日増員体勢で再挑戦を試みたいとのコトでしたのでそれを了承し*11今日のところはお開きに。ただ、後日というぼんやりとした日程では困るので、明日の午前中に来てもらうコトに。
 書類などを書きながら、こういった事態がよくあるものなのか訊いてみたのですが、そもそも外壁に穴を開ける作業自体がレアで、いわんやこんな事態をやっつーワケでw、極めて稀なケースな模様。いつもならネタをゲット出来たコトを喜びたいトコなのですが、如何せん引越し当日にこんな事態に襲われましても、流石のワタクシでもトホホ感は否めないワケでw。
結局、なんだかんだで業者さんが帰ったのが20時半頃。後を追う様に俺も駅へと急ぎまして、元の最寄り駅に辿り着いたのが21時過ぎ。またしても昨夜から23時間ほど水しか飲んでない状態なうえ、精神的にもかなりダウナーになってきていたので、とにかく景気付けにメシを食ってリフレッシュ。俺は単純なんで、メシを食うと気分がアガるのですよw?なけなしのテンションをかき集め、住み慣れた我が家へ向かう。ま、住み慣れた〜とか愛着を示しつつも現場に着いたら土足でズカズカ上がっちゃうワケですケドw。正直疲労はピークを迎えており、階下の方への配慮もへったくれもない愚行なのは重々承知の上での蛮行。すまんのぉ・・・。
 あ、さて。室内の照明器具は備え付けのモノ以外は全部処分しちゃってたので、玄関、廊下、台所、洗面所などのピンポイントの照明を点けながらの作業。とりあえず残していったゴミ袋に手当たり次第にゴミを放り込んでいったのですが、なんかもうダンボールとかを解体する気力も体力も残ってなかったので、ベランダに全部放り出してスラムダンス風味なステップで潰しまくりw、そのままゴミ袋にポイ。このときは、完全にイっちゃってましたねーw。
 一通り踏み潰した後で、ほっと一息。このベランダからの夜景もこれで見納めかと思うと、ちょっぴりおセンチ気分。しばし感傷に耽ったのち、お馴染みのゴミ捨て場へのルートを数往復。なんとかラストのゴミ出しを終え、余ったガムテやゴミ袋なんかを回収し、ガスの元栓を閉め、電気のブレーカーを落とし、玄関に鍵をかける。階段の踊り場にある水道の元栓も閉め、郵便受けのネーム・プレートを外し、管理事務所の郵便受けに鍵を封入した封筒を挿し込んで、退去手続きの全てを完了。
 実にほぼ丸16年住んだ我が家とも、これでお別れ。ここに越してきたときは、まだ10代だったんですよw?今じゃ34だけどネw!前も書いたケド、俺が一番長く住んでいた家だし、ホント感慨深いです。駅への道すがら、通い慣れた歩道の端々に思い出が刻み込まれていて、そんなスポットの傍らを過ぎ行くたびに様々な光景が脳裏をよぎっていきます。階段脇の金木犀の香り、桜並木の見目麗しい景色、対岸に見える綺麗な団地の明かり。いつもと同じ眺めなんだけど、明日からこの眺めは俺の日常の一部では無くなるワケで。新居周辺で、また新たに日常の景色の機微を堪能していく日々が始まるので、それはそれで楽しみなんだけど、やっぱちょっと寂しいよね。
 帰りは電車〜タクシーのコンボに決めていたので、通いなれたスーパーでトイレットペーパーとかのかさばる品々をしこたま購入しまして、タクシーを有効活用w。ま、電車の乗り降りが多少めんどかったんですけどねw。結局、帰宅は23時を過ぎました。さすがにしんどかったですよー?ヘトヘトになりつつも新居初入浴を堪能し*12事前に確保しておいたダンボールの山の隙間に布団を敷き、早々に就寝。なんか「見慣れぬ天井」wを地で行くテイストで、ホント微妙に落ち着かないんですけど、あんまつらつら想いに耽る間もなく速攻寝落ち。こうして、怒涛の引越し当日は幕を閉じたのでした。

*1:俺は先行して部屋に入ってたので、外の様子は見てないのです

*2:いずれも高さ180㌢、幅が60〜118㌢

*3:台、か?本棚の単位なんて知らねぇw

*4:階段途中で本棚の向きを変えられない

*5:幅118㌢

*6:幅90㌢

*7:だって、普通は他人の部屋を間借りしなきゃならないワケだし

*8:これも階段を上がれなかったw

*9:金具で底が塞いであるタイプね

*10:録音しとけばよかったw

*11:だってこれ以上遅くなったらマジ困るし

*12:なんか風呂釜がやたら深いんですケドw