• さくらぢま「伝説のコピー本〜だョオフセット謎盤!〜」
  • さくらぢま「Re:MEMBER妹3〜夜明け〜」
  • さくらぢま「こみパDEGO!復刻体験版」コピー誌

 バーニア600さんとマテバ牛乳さんメインのサークルとして生まれ変わった「さくらぢま」の冬の新刊は3点なんですが、これが一筋縄ではいかない本でして・・・。まずは今回最大の飛び道具である「伝説のコピー本〜」。元々は一昨年の冬コミにリリースされた、150人を超える作家陣が参加、総ページ数174Pにも及ぶ、恐らくは同人誌史上最厚の「こみパ」コピー誌*1をベースにしており*2 そこにさらに作家陣を追加した結果、総参加作家数252人、総ページ数308Pというこれまた規格外な作品となったのでした*3。これだけの参加者がことごとく「こみっくパーティー」への熱い想いを語っているという、その圧倒的なまでにピュアな情念の結晶の前には瑣末なreviewなど必要ではないだろう・・・つーかSLAP A HAMがリリースしてた"Bllleeeeaaauuurrrgghhh!"シリーズ*4同様、細かい内容云々以前に、リリースされるに至った経緯や過程にこそ意義がある。無論内容は玉石混交だが、それもまた好し。同人誌史上のマイルストーンとして評価されるべき一冊。
 もう一冊も待望のシリーズ完結編。「Re:MEMBER〜」は「3」と表記されてますが、実は4冊目*5。これまでのストーリーはid:PIG-M:20041019参照。前回も書きましたが、とにかくド熱血でド直球なYouth Crewテイスト全開。はっきりいって、ここまでやってしまうと「ウザい」と感じ拒否反応を示す方もいるでしょう。愚直なまでに理想を語り、奇を衒うことなくまっすぐな物語を描いてしまうやり方は、お世辞にもスマートではない。でも、まさに"Flame Still Burns"としか言いようの無いこの煮えたぎった情熱の坩堝の前には、こまっしゃくれた小手先のセンスなど余裕で蹴散らす情熱が漲っている。泥臭くても、青臭くても、カッコ悪くても良いじゃない。年をとるとなかなか素直にこういう作品と正対出来ないけど、幸い俺は年甲斐もなくYouth Crewとかがいまだに好きなんでw、この熱量は素直に評価したい。ラヴコメな要素も盛り込んであるし、ハチャメチャでスラップスティックなテイストもあり。構図も凝ったものが多かったりと、なにげに小技が効いてるのもポイント高いです。
 とにかく笑えて泣けて、そして熱い作品。こみパのファンのみならず、そういったテイストが好きな方には是非とも一度チェックしていただきたいナイスな作品です。オススメ。
 コピー誌はサークル発足3周年記念の、1stコピー誌復刻本。ちなみに、こみパ本です。バーニアさんの作品はすでに現在の作風のベースが出来ており、意外なほど完成度は高いです。注目は、現在はストーリー・テリング専門のマテバ牛乳さんのマンガ。拙いけど勢いのあるラヴコメで、east bayスタイル。さくらぢまの歴史が窺える、資料性の高い一冊。 
HP>http://homepage3.nifty.com/dima/
ex.>id:PIG-M:20031010、id:PIG-M:20040227、id:PIG-M:20041019

*1:オフセではなく、コピー誌w

*2:俺は買えなかったんだよ・・・orz

*3:参加作家数は過去最多だと思う。厚さに関してはid:PIG-M:20040728参照。ただし画像のリンクが切れてる上に手元の写真のアーカイヴからも消してしまってるんで、実物はご覧いただけません。実物は引越し荷物のダンボールの中。引越ししたら、また画像アップするかも

*4:90年代初頭にPower Violenceと形容されたバンド群の音源を積極的にリリースしFastcoreシーンを活性化させた優良レーベル、SLAP A HAMがリリースした名作コンピ。7"で3枚リリースされ、参加バンド数166、総曲数217という常軌を逸したヴォリューム。ゴリゴリのショート・カット・チューンがてんこ盛りで、パっと聴きではバンドの判別どころか曲の判別もつかないかもw。慣れると各バンドの個性とかが分かるようになるんですよ?

*5:Re:MEMBER妹3(前半戦)」は今作を読めば問題ない内容