今年の8月にリリースされた1st。ウチの日記を継続的に読んでくださってる方ならお分かりでしょうが、俺は昨年I'veにハマるまで、こういった声優系の類の音楽ってほとんど聴いてこなかったのですよ。でも、件のI'veを知って以降はなんとなく声優系とかの音楽にも耳を傾けるようになってきまして、ちゃんと聴けば良い音楽もあるというコトに気づきまして。で、友人・知人の方々に色々ご指導ご鞭撻を賜りまして、田村ゆかり千葉紗子などの現在お気に入りの音源にも出会えたのですが、中でも特にストライクだったのが、この植田佳奈
 聴くきっかけは友人がくれたMDでして、最初は「植田佳奈って誰?」ってカンジだったのですが、件の友人が「PIG-Mさん*1マリみて好きでしょ」的なコトを言われまして、そこで初めて祐巳の中の人だと気づきましてw。でもって聴いてみたら、これが意外なほど良くて。"No Name"、"シンデレラ・エスカレーション"、"地球Merry-Go-Round"の3曲を入れてくれてたのですが、どれもなかなかの粒揃い。元気があるんだけど、どこか落ち着いた印象のあるアイドル・ギター・ポップ風味なサウンドが心地良かったので、思わずこのアルバムを購入してしまったのですが、アルバムは予想を上回る出来だったのでした。
 まず意外だったのが、楽曲に携わってる人数が多かったこと。つーか、全12曲で作曲者12人て!*2にも関わらず、不思議とアルバムにはきちんとした流れがあり、そのカラーも統一感がある。要因は幾つかあって、まずはアレンジの方向性。全体的に、前述したようにギター・ポップ系のサウンドを基調としており、アコースティックなテイストを随所に盛り込むことによって、適度な上品さを醸し出している。そういった楽曲を中心に据えつつも、1stらしい元気なアップ・テンポ調やjazzyでクセのあるアレンジの楽曲なんかも織り込んでおり、小技もしっかり効かせて飽きさせない工夫も施されている。
 もう一点挙げるなら、植田佳奈の存在感だろうか。祐巳のイメージしかなかったし、最初に聴かせてもらった曲がイメージどおりの元気な曲だったせいもあり、てっきりそういった方向性で勝負してると思ってたのですが、意外や意外、アルバム後半に顕著なんですが、シンプルなミッド・テンポのギター・ポップ系の楽曲とのマッチングが絶妙。特に"南十字星"や"あいのうた"辺りは、中期以降の森高千里を彷彿とさせるアイドル・ギター・ポップの王道を征く、シンプルでセンス抜群な楽曲。ここら辺は編曲の関淳二郎*3の業も光ってるかと。Say A Little Prayerとかにしてもそうなんだけど、こういう適度にアイドル風味が入ったギター・ポップには滅法弱いのですよw。このアイドル風味っていうのがミソで、植田佳奈もそうなんですが、微妙にvoxが不安定なんですよね。でも、そんなゆらぎが良いアクセントになるのですよ?ここら辺の感覚は、実はアノラック系のギター・ポップの妙味*4にも通ずるものがあると思うのですよ。
 あと、これまた超意外だったのですが、植田佳奈って作詞や作曲もするのね。作詞は3曲*5、作曲は1曲してるのですが、前述した"あいのうた"は植田佳奈の作詞・作曲。・・・これはかなりの才能ですよ?つーか、この方向性で普通に活動してたら、アーティストとして充分やってけるでしょ。こんな才能を秘めた方だったとは・・・恐るべし、植田佳奈。とりあえず、ギター・ポップ化以降の森高とかが好きな方は、騙されたと思って一度聴いてみることをオススメします。俺的には、今年購入した全音源の中で5本の指に入るぐらいの評価。素晴らしいです。
 ただ、すげー後悔してるコトがあって、11/23に1st liveがあったのですが、俺がそれを知ったのは11/25・・・_| ̄|○<バカバカ!俺のバカ!!事前に知ってりゃーヤフオクも辞さずに突貫したっつーのに。次回があれば、万難を排して臨みたいですなw。

*1:当然、実際は本名で言われてるんですがね

*2:作詞は9人、編曲は7人

*3:サスケとかうたいびと はねとかの編曲を手がけてる方だそうで。どうりでアコースティック系のサウンドの捌きがこなれてるはずですな

*4:BRIGHTERとかHEAVENLYとか。SARAH RECORDS系っつーか

*5:"涙日和"、"風にのせて"、"あいのうた"