• COLD WORLD "So Far So Fast"CD.(SOUND POLLUTION RECORDS/POLLUTE:15)

 80年代末〜90年代中期にかけてAustriaで活動していた4人組の、1993年にリリースされた1st+αのCD。久々に発掘されたから聴いてまして、B級なんだけどwやっぱカッコ良いな、と。とりあえず、ジャケだけ見たら完全にマチズモ全開なjockってな印象ですが*1サウンドあにはからんや、ちょっと妙なFastcoreってな趣。
 このアルバムには1988〜1993年の音源が入ってるんですが、細かい部分で変遷はあるものの、終始一貫してその楽曲のテクスチャーの特異さが光ります。そのサウンドを牽引しているのは、なんと言ってもベース。途中でパート・チェンジをしているにも関わらず*2全編通してテクニカルなフレーズを連発。こういうFast系のサウンドでここまでベースが凝ってるのも、ちょっと珍しい。で、そんなテクニカルなベース・ラインを奏でていたDierkはGを弾いても、やっぱちょっとヘン。そんなテクニカルなメンバーを抱えているせいか、曲のテクスチャーも独特のものがありまして、パっと聴きには普通のFastを踏まえたHCに聴こえるんですが*3、よくよく聴いてみると相当妙ちきりんなテクスチャーとなっておりますよ?なんというか、VISUAL DISCRIMINATIONと97aとHERESYをグチャグチャに混ぜ合わせたかの如き歪さ。でもって、サウンド・プロダクションも一癖あるんで*4一層そのいびつさに拍車がかかっております。・・・当時はB級って思ってたけど、今聴くとえらいカッコ良いぞw。
 前述で「細かい変遷〜」と書きましたが、最も顕著にそれを感じられるのはvoxでしょう。最新音源ではティピカルなFast系らしくシャウトするスタイルになってますが、それ以前の音源では基本的に歌ってます。ここら辺のセンスってlate80's UKHCっぽいよね。つーかHERESYの影響受け過ぎですw。ま、実際HERESYのカヴァー*5も演ってるしね。ちなみに、他にもSIEGE*6、SEPTIC DEATH*7のカヴァーとかも演ってます。あー、なんか分かり易いチョイスかもw。
 一時期は中古盤屋に掃いて捨てるほどあったような気がしましたが、知らないうちに廃盤になってたようで。ただ、SOUND POLLUTIONのサイトを見るかぎりでは再発されたようなので、入手は容易かと。あんま真っ当に評価されてるとは思えないバンドですが、確実にカッコ良いんでオススメ。ちなみに、1994年にLOST & FOUNDから"None of Your Business"というアルバムをリリースして、以降音沙汰無し。その後を知ってる方はご一報をw。

*1:ジーンズ&タンクトップ姿のいかつい出で立ちの3人組が、バット片手に仁王立ちw。確信犯でやってるコトなんですが、レーベル主宰のKenも苦笑いしたというエピソードもアリw

*2:初期はDierk RossiwallがB、Erwin NimmervollがG & voxだったのですが、DierkがGにパート・チェンジ、Erwinはvoxに専念するようになります。このアルバムの最新音源ではGerhard WieserがBとして加入

*3:実際、どっかで聴いたようなフレーズも聴けるしなw

*4:ラスト4曲の4tracksで録られた音源のrawっぷりは超カッコ良い!

*5:"Consume"

*6:"Conform"

*7:"Terrorain"