• EROSION "Ⅲ"CD.(WE BITE RECORDS/1-095-2)

 1987年から2003年*1にかけてドイツで活動していたThrashcore。このアルバムは1992年にリリースされた3rd。このバンド、90年代に足しげく中古盤屋や輸入盤屋に通っていた方なら、なんとなく見かけたコトがあると思うのですが、実際に音源を持ってる方ってあんまいないんじゃなかろうかと。かく言う俺も、なんとなくスルーしていた一人だったのですが、今から10年近く前にたまたまBOYでこのアルバムがかかってまして、速攻購入したのがきっかけだったりw。
 実際聴いていただければ早いのですが、なんでこんなカッコ良いバンドがろくすっぽ評価もされずに埋もれているのか理解に苦しむぐらい、イカす粗暴なThrashサウンドを聴かせてくれます。そのサウンドの根幹は、なんといってもジャーマン臭ムンムンなw突貫Thrash Metalな楽曲。これはヤバい!LIVING DEATHとかWARGASMとか、ああいう男気やさぐれ路線でゴリゴリ突っ走りまくり。でも、ミッドできっちり聴かせる曲とか、ギターがなにげに泣いたりしてて、かなりの技巧派でもある。本来ならメタルのフィールドで評価したいトコなんだけど、この気合入りまくりな野獣下品voxは紛うことなくHCのそれ。楽曲がコンパクトなのも、その印象を強める要因になってたり。
 無論、メタル比率が高いのは言わずもがなですが*2、ラフでザラついたサウンド・プロダクションは間違いなくHCの系譜だったり。でも、ここまでカッコ良いとメタルだHCだなんて瑣末なコトなどどうでもよろしい。要はコレを聴けば暴れたくなるぜっつーコトです。個人的にはABC DIABOLOやSYSTRALの源流はここかなー、とか思ったりもするんですが*3。ともあれ、Tharsh Metalが好きでコレを聴いてないっつー方は、かなりの損失を被ってらっしゃるんで、すみやかに近所の中古盤屋のセール・コーナーに直行せよw。たいがいドコでも捨て値で売ってると思うんで・・・_| ̄|○。でも、ジャケとかすげー微妙なんで、しゃーないっちゃーしゃーないんですがねw。

  • HOOTON 3 CAR "Monkey Mayor"CD.(RUMBLESTRIP RECORDS/RSTR 008 CD)

 U.K.はSunderland*4の4人組。たしか1997年頃のリリースだったと思う。このHOOTON 3 CARやBROCCOLI、CHOPPER、TRAVIS CUTあたりがLEATHERFACE解散後のUK Melodicシーンを牽引していたと思うのだけど、個人的には当時この辺のバンドってあんまピンとこなかったんだよね。基本的にlate 80's〜early 90'sの頃のサウンドを踏襲してるだけだったし、当時すでにemoの猛威は吹き荒れており、個人的にそういうサウンドにどっぷりハマっていたので、旧態依然としたこの辺のバンドはあんま真剣にチェックしてなかった*5。だもんで、なにげに買っててもあんまシリアスに聴いてなかったネタが多いんだけど、今となっては素直に楽しめたりするんだから人間なんて勝手なモンだよねw。
 前述したように当時ちゃんと情報仕入れてなかったんで、細かい情報とかは割愛。単純にこのアルバムに対してのみ、思うところをつらつら書いてみたり。ここで聴けるサウンドは、これがもう典型的なUK Guitar Punkノリ。全体的に中音域重視なサウンド・プロダクションを軸に、ドライヴする線の細い奔放なギター*6、テクニカルではないんだけど、クセがあって耳に残るベース・ライン、妙にペタペタいってるキックの音がなんかイイ味出してるドラムw。演奏自体は並なんだけど、肝心の楽曲がなかなかナイス。いかにもUKらしい、どこか垢抜けないいなたさを感じさせる、でも確実にフックの効いた翳りのあるメロディ。前述したようにemo全盛期だったにも関わらず、我関せず的なスタンスを貫いているトコが、不器用なれど愛おしい。そんなメロディを歌い上げるのが、線の細い若干不安定なvoxっつートコがもう!もう!!たまんねーぜ畜生!sad系好きには堪えられませんな、コレは。曲によってはLEATHERFACEやDRIVEなんかの影響がモロバレだったりするのも許しちゃうw。ま、ぶっちゃけB級なんですが、その煮え切らなさこそが肝要だったりするんで、これで良いのだ。「地味で良質」を地で行く一枚。店頭から消える前に、2枚組の音源集も買ってこにゃー。

*1:そんな最近までやってたとは知らなかった・・・

*2:バスドラはドコドコいってるしなw

*3:ちょっと褒めすぎかな。でも、ラストの大曲"Dead Europe"は、sludge風味すら感じさせるdarkでgloomyな残忍テイスト。NEUROSISやCATHARSISあたりが好きな方も納得の凄まじさに震える!

*4:LEATHERFACEのFrankie先生と同郷ですな

*5:ついでに言うなら、同系列のサウンドならSNUFFY系の日本のバンドの方が面白かったし

*6:かなりLEATHERFACEの影響下にあり