• EXCREMENT OF WAR "Cathode Ray Coma"CD.(FINN RECORDS/Finn Rec.007)

 1990年代初頭〜中期にかけて活動していた、U.K.Crustiesの1994年産1st。ボーナス・トラックとして"The Waste and The Greed"7"とDISCHANGEとのsplitの音源も収録。一般的にはex.DOOM、EXTREME NOISE TERRORのStickが在籍してるコトで知られてますが、個人的にはsplitの多いバンドとの印象が。しかも、大概splitの相手がカッコ良かったりしてwどうも印象が薄かったのですが、今回まとめて聴いてみたら意外にカッコ良いじゃねぇか、と。
 今回改めて聴いて驚いたんですが、初期に残っていたE.N.T.っぽさが完全にDISRUPT以降のUS Crustの影響下にあるサウンドに変貌。この辺は、やっぱLeigh & Magsの男女ツインvoxが加入したせいかな?以前のvoxはかなりE.N.T.っぽかったんだけど*1このコンビは押し殺した野獣系の歌唱法じゃなくて、もう少し人間っぽいからねw。普通のCrustよか2、3割増しで加速するスピード感覚と、湿り気のや暗さのないRaging Thrash風味な疾走感。サウンドのプロダクションも完全にUSノリで、特にこのDsの抜けの良い音造りは完全にその影響下だよね。個人的にはU.K.〜Euro CrustよかUS系のCrustの方が好きなんで、これは意表を突かれた。ただ、そのDISRUPT自体E.N.T.の影響下にあったワケで、そう考えるとex.E.N.T.のStickがいるんだから、このサウンドの方向性も納得か。
 で、楽曲なんですが、これがもう純度100%のPure Crust。Crust以上でも以下でもない、恐ろしいまでにストイックなCrustサウンドを追求してまして、最近の叙情派Dark Thrash以降の流れに辟易している俺みたいなジジィにはたまらん、モノトーンで荒涼とした殺風景サウンドに大興奮。Stickのタイトに突貫するDsを推進力とし、色気のないユニゾンでひたすらザラついた音を吐き出しまくるGとB。そして男女ツインvox*2がPoliticalなstatementを吐き捨てる。絵に描いたようなCrustサウンドですが、その範疇でしっかり凝った展開も聴かせてくれる。基本は突貫なんだけど、ちゃんと押し引きも踏まえた展開も仕込まれており、一本調子のワン・パターンにはなっていない*3ので、アルバム通して楽しめました。初期音源の曲とかもアルバムの曲とは若干テイストが異なるんで、良いアクセントに。あぁ・・・Crust、かくあるべし。最近の叙情派系やNoisecoreっぽいのに慣れてる若い衆には、ちょっと地味かね?でも、若いコが今のバンドを聴くのはとても良いコトなので*4ある程度とうのたった方にオススメっつーコトで。
 在庫があれば、VINYLのセール品のコーナーで¥500で買えますw。

*1:その声とUS Crustっぽい疾走感の対比っていう構図も面白かったんだけどね

*2:男の方がちょっと声が高いぞw

*3:あくまでもCrust的には、だけどね

*4:つーか、現役のバンドは現役で活動してるシーンにいるコがサポートしなきゃダメでしょ?