• cota「てぐるまみ」

 商業誌で活躍中の田中浩人さんトコの新刊は、全28Pながら内容充実で読み応え満点な仕上がり。オリジナルの短編と、もはやお約束の感もあるラめんちゃん&日記マンガの実録ショート・カット・チューンを収録。短編は、痛みや哀しみが散りばめられた切ないテイストが全編を覆っています。絶望的なまでにやりきれない閉塞した想いを丹念に、しかし抑えたトーンで描いていて、それはあたかも砕け散った硝子細工の微細な粒子が煌めいているかの如き美しさ。近親相姦というインモラルな設定も、この悲しい物語には相応しいかと。語るべき物語と意味のあるエロがしっかりと融合した、極めてレヴェルの高い「作品」。本当に素晴らしい。
 そんな激emoテイストを堪能しまくった後は、テキストや日記風味なマンガでchill out。お気楽風味に描かれていても、根の真面目さは隠せないっつーかw。短いながらも興味深いコメントが数多く含まれているテキストは、田中さんの魅力の一つだと思う。一連の夏コミ新刊群の中でも、個人的に是非ともチェックしていただきたい本です。
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  • 酸欠集「あなのはな」「しのぶぶくろ」「お天道様が見てる」

 さんずいさんの個人サークルでは、なんと新刊オフセ2冊&コピー誌の計3冊同時発刊という大盤振る舞いw。「あな〜」は何故か今頃カスミン本。最近再放送してるせいかと思ったのですが、本来なら2年前にリリースされるはずだったそうでw。ゲストのmakotoさんとヒメノさんを迎え、実質3人誌な構成。ゲストのお二方は極めて真っ当なwパロディ(notエロ)なんですが、さんずいさんは相変わらずPedoでGoreでBrutalなテイスト全開w。お約束のスカや放尿、切断、ニードル(あいにくと矢追町さんみたく局部じゃないんですがw)軽い人体改造などのお約束な展開を披露してるんですが、根本的に陰惨な絵柄じゃないせいや軽妙なテイストもあいまって、楽しく読めちゃいますw。
 「しのぶ〜」と「お天道〜」はニニンがシノブ伝本。こちらは珍しくほんのりえち風味でStraight Forwardなパロディ。攻めの忍と誘い受け風味wな楓がイチャイチャしつつもラストで音速丸の妄想大爆発!みたいな流れで、かなり真っ当なパロです。特筆すべきはテキストのセンスでしょう。原作ばりの大量かつ豊富なデリヴァリーを武器に、イカパンチラインを量産w。特に音速丸のキレっぷりは最高。テンポや間、デリヴァリーのセンスが思いっきり音速丸してて、俺の脳内では若本規夫が喋りまくりですよw。なにげに原作の評論なんかも織り込みながら、グイグイ押しまくってくれてて痛快極まる仕上がり。ま、ラストで普通に雅のアナル拡張〜スカル・ファック(つーか音速丸が入っちゃうんですがw)なんかもありますが、気にすんなw。ちなみに、コピー誌ではマリみてプリキュアのネタを絡めてます。
 ラストの拡張ネタさえなければ、広く薦めたいトコなんですがw。でも、シノブ・ファンなら試してみる価値アリです。個人的には常にオススメのサークルさんですんで、一度は試していただきたいですな。
ex.>id:PIG-M:20030913、id:PIG-M:20030928、id:PIG-M:20040227、id:PIG-M:20040407、id:PIG-M:20040627