言わずと知れたNYのバンドの、1996年産4th。かなり世間的にも広く知られてるバンドだと思うんだけど、とにかく物議を醸したよねー。個人的には初期のBIOHAZARDをHCにカテゴライズするのは如何なものか?って思ってたんだけど(つーか俺、New School系嫌いだったし、ロックにヒップホップ的な要素を加えたサウンドも好きじゃなかったし)世間的には支持されたようで、少なくても2ndまでのBIOHAZARDの勢いは認めざるをえないものがあった。実際、2nd"Urban Dicipline"には何曲かキラー・チューンが収録されてたし(アルバム自体は、名盤扱いされるほど良いとは思わないが)。
 でも、気が付いたらモダン・へヴィネス系のバンドの台頭により、あっさりとBIOHAZARDは居場所を失ってしまう。元々HCのシーンからは毛嫌いされていたし、メタルのサイドではモダン・へヴィネスの登場によって(KORN以降と言うべきか。奇しくもKORNの1stとBIOHAZARDの3rdって1994年にリリースされてるんだよね)よりへヴィなサウンドへと嗜好がシフトしてしまい、BIOHAZARDはダサく見えてしまった感は否めないだろう。
 なんつーか、当時BIOHAZARDをもてはやしてた連中って、BIOHAZARDというバンドのファンではなく、そのスタイルのカッコ良さに惹かれてたミーハーな印象が強かった。ミーハーなんで当然、よりカッコ良いと思えるスタイルが出現したら、そっちに鞍替えしちゃうのは当たり前なワケで。勿論真剣に好きだった人も大勢いただろうけど、個人的にはサウンドの魅力っつーよかメンバーのタトゥだらけのルックスとか、微妙にいなたいギャングスタ風味な雰囲気とかにヤられちゃった人が多かったような印象(当時、それっぽい人がいっぱいいたからねぇ)。
 そんな感じで、なんか90年代中期以降一気に影が薄くなってしまったんですが、地味に悪くないアルバムなんかもリリースしてまして、今回紹介するこの4thも、なかなかどうして意外にイケる内容です。
 元々4人編成のバンドなんですが、このアルバムではトリオ編成。それが影響したのかどうかは定かではありませんが、このアルバムはサウンド・プロダクションも含めて、従来のメタル風味が随分軽減しています。楽曲のテクスチャーもコンパクトになり、Dave Jerden特有の中音域重視の音の鳴りと相まって、メタリックな曲でもダレることなく聴けますし、従来あんま聴けなかった真っ当なHCチューンなんかも織り込まれ、アルバム通して楽しめる内容になっております。個人的にはBillyのvoxが増えたのが好印象。Billyのvoxって、すげーはすっぱでチンピラっぽくてイイ雰囲気持ってるんだよねー。Evanのvoxが薄いんで(声の味がね)バランス的にも良いかな(ま、どのみち薄いコトには違いないんですが。実は粘っこく歌うとEvanの声って味があるんだけどね)。
 余計なメタル臭さがスポイルされ、良い意味ですっきりしたサウンドに仕上がっていて、単純にラウド・ミュージックとして心地良く楽しめるかと。でも、従来のファンには物足りなかったのか、一時期中古盤屋で掃いて捨てるほど売られてたっけ(つーか、多分今でもそうだと思うw)。ま、初期のファンからすればなんだこりゃってなモンでしょうが、逆に初期のもっさいイメージを引きずってる方にはオススメしたいところ。どうせ安いだろうしw。