1992年〜1998年(6/24に解散)まで、NYはAlbanyを中心に活動していた、Brutal Grind Straight Edge Bandのディスコグラフィ。ちなみに4人組。一応オフィシャル(CDのブックレットにもそう書いてあるし)では1998年で解散したことになってるけど、その後も微妙に活動(というほど大袈裟なものではないが)してた模様(音源とかはリリースしてない)。
 MONSTER Xがユニークだったのは、やはりその音楽性によるところが大きかった。まがりなりにもStraight Edgeを標榜しておきながら、そのサウンドは所謂ティピカルなYouth Crewマナーとはかけ離れていた。絶叫やデス声とも一味違う、押し殺した咆哮vox、Positive Youth風味とメタル・テイストを踏まえつつもオリジナリティのある凝ったリフを聴かせるG、オーソドックスなBにバタバタして微妙に不安定wなDs。それらが渾然一体となり、Youth Crewなサウンド・プロダクション(音の鳴りはあくまでもハードコアなんだよね。これで音もGrindぽかったら、こんなに面白い音にはならなかったと思う)の基に吐き出されると、世にも奇妙なOne & Onlyなスタイルが確立されていたのでした。このクセのある楽曲は、ホント病み付きになりますよ。
 元々は真っ当なYouth Crewサウンドを演りたかったらしいんだけど(アルバム最期に収録されてる"P.M.A."の初期verで確認出来ます。俺、嫌いじゃないケド)全然ダメだったらしく、結局こういったスタイルが一番しっくりいったそうな。Youth CrewとFastcoreとかだったら前例はいくらでもあるし、わりとポピュラーな方法論ではあるんだけど、Grindっていうのが斬新。だってGrindっつったらガンジャ&ドラッグに溺れたダメ人間が巣食うハードコアの世界の極北みたいなトコ(メタルの場末とも隣接してるw)だからね(偏見風味で申し訳ないが、そういった連中もいるのは事実。皆が皆そうじゃないから、誤解の無きように)。そんなスタイルのサウンドにPositive Youthな精神を融合させようっていうんだから(なんせP.M.A.なんて曲もあるぐらいですよ?)その破壊力たるや、推して知るべし。ま、いうほどGrind全開ってなワケでもないんだけどね(voxの咆哮が尋常じゃないだけで)。
 メンバーのその後。voxのJohnは、今回このCDをリリースしたHate of Godを運営中。GのNathan(aka Nate)は、LAST IN LINEやCUT THE SHITなどのリリースでお馴染みのGLOOM RECORDSを運営。THE OATHやDEVOID OF FAITHなどにも参加したりしてました(これは活動中ともかぶるが)。BのDevonはDROPDEADへ。現在も在籍中。DsのJeffは不明w。つーか、解散の原因はこの人ですw。
 とりあえず、何故かライナーの裏ジャケでは無視されてるw"To The Positive Youth"7"は、いろんなイミで必聴。80年代後期の第二次Straight Edge Movementの超有名バンドの名曲の数々を中心とした(以前も話題にしたBOLDの"Nailed to The X"をはじめ、UNIFORM CHOICEの"Use Your Head"やNO FOR AN ANSWERの"Without A Reason"。他にもYOUTH OF TODAY、CHAIN OF STRENGTH、STARAIGHT AHEAD、THE ABUSED、UNIT PRIDEをカヴァー。THE ABUSEDはちょっと時期がずれますが)爆裂カヴァー。Brutal過ぎで、クソカッコ良いですよ?ともあれ、USHCの歴史の中にあってもかなり特異なバンドだったので、これを機に是非御一聴くのほどを。俺は、今でも好きです。