• FIDO'S BRUNCH "CDR"CD-R.(FB-CDR001)

 東京で活動していたBASSRAT(FIDO'S BRUNCHみたいなファニーなノリはなく、Thrashテイストが強かった)のG,voxだったSATOSICK13さんが、地元福島に帰ってから結成された4人組の1stデモ。2002年リリース。メンバーはvoxがBSさん(外国の方です)、GがNITTAさん、BはSATOSICK13さん、Dsは現在は片平ズックさんですが、この音源時はM666さん(女性)でした。
 以前"Deny The Report 4"のreview(id:PIG-M:20031022)とかでも触れましたがやっぱカッコ良いですな。デモというコトもあり、かなりペナペナな音質なんですが、それがまた良かったりするのですよ?世間的によく言われてるように、やはりアメハー・テイストが基本なんですが、そこに初期80'sの頃のLAパンクな風味や、80's後期UKHC、ファニーなノリ(近年蔓延しているパーティ系とか青春パンクみたいな軽薄なのと混同しちゃダメ。もっと屈折してるっつーか、歪んでるのねんw)、チープでポンコツなテイストなんかを美味くブレンドして、ただの当時の焼き直し的な懐古趣味性だけに止まらない、現代のバンドとしての新鮮さを醸し出しているところが高ポイント。
 この音源は最初の音源というコトもあり、まだまだ整合感には欠けるきらいは否めないのですが、こういうサウンドの場合はそれすらも魅力となってしまうんで始末が悪いw。voxは叫ぶでも吼えるでも歌い上げるでもなく、メロディを基調にしつつも喚き散らすといういまどき珍しいタイプ。適度にだらしないところが実にカッコ良くw、このバンドの「パンク」を体現してるといっても過言ではないかと。Gは、かなり芸が細かい。良いイミでメタル風味なソロやフレーズとかを随所に挿し込んできていて、楽曲の幅を広げている。しかもGのトーンはあくまでもハードコア・パンクなので、あまりメタル・テイストを感じさせないのもミソ(一歩間違えると、クドくなる)。Bは、このバンドのキモ。テクニカルでヒネたフレーズやリフを連発しており、楽曲を通してかなり印象に残る。でも、シンプルで実にパンクなフレーズなんかもきっちり奏でており、そこら辺のさじ加減なんかは絶妙。で、Dsがまた絶妙。適度にモタってつんのめってる感じが、このサウンドにマッチしてる。こういうのはヘタというのではなく、味というのですよ?
 でもって楽曲なんですが、ここが判断の分かれ目かなぁ。正直、誰が聴いても一発で気に入るってタイプじゃありません。明らかに、ある程度パンクやハードコア(しかも現行の主流でないタイプ)を聴いてきた人じゃないと、ちょっととっつきにくいかと。まぁウチの日記をチェックしてる方なら、きっと一発で気に入りますがw。個人的には、超大好き!素直になれないリフの展開、はしっこいのにポップで、しかしねじくれ曲がった楽曲のテクスチャー、NEO HARDCORE TAILの頃を彷彿とさせるコーラス・ワーク、ひとなつっこくて疾走感丸出しで、愉快痛快。しかも、音はあくまでも軽く、薄く、しかしザラついて歪んでいる。アメハー好きの琴線に触れまくり。この味わい、そこら辺のガキには出せないぜ。
 こういうテイストって、ホント近年失われつつあるよね。いまどきのメロディックとかは勿論大好きなんだけど、やっぱこういうのには幾つになっても弱いにゃ〜。聴きながらニヤついちゃいますよ。とりあえず、試聴出来るんで、是非とも一度聴いてみて!特にジジィは聴いとけw。ぜってーピンとくるって。6/5に地元仙台PARKSQUAREでlive。6/12東京は武蔵境のSTATTOで、なんとフリー・ライヴ(ドリンク・チャージはありですが)を敢行予定なんで、お近くにお住まいの方は、是非。つーか、俺6/13に納骨なんですがw、それでも突貫する所存(大雨降ったら考えちゃうケドw)ですが、なにか?今回reviewした音源も上記のサイトで購入出来る(\300!)んで、それで予習しましょ。好き嫌いははっきり分かれると思いますが、俺は大好き。