• NODES OF RANVIER "S/T"(FACEDOWN RECORDS/FR034)

 South Dakotaというかなりレアな州で活動を続けるN.O.R.の、昨年リリースされた2nd。全く知らないバンドだったんですが、レコ屋のアオリの「POISON THE WELL〜HOPESFALLみたいなサウンド」という文句を話半分に眺めつつも、セール品で安かったので購入。
 確かにその辺のバンド名が挙がってもおかしくない印象で、New School風味なメタリック要素が全編に効きながらも、メランコリックなギターのフレーズやメロディなんかが随所に顔を覗かせています。ツイン・ギターの音の絡ませ方なんかがいかにもNew Schoolっぽくてカッコ良かったり。静と動の対比の仕方なんかも考慮されているし、細かい音の鳴らせ方や散らし方なんかにも工夫が見えて好印象。
 カオティックにまで至らない曲のテクスチャーのおかげで、かなり聴き易くなっているかと(良し悪しはさておき)。これをHardcoreと言うには抵抗がありますが、なかなか優良なヘヴィ・ミュージックであるコトに間違いはないかと。思ってたよりも全然良かったです。

  • WALRUS "光のカケラ"(TEICHIKU/TECN-30683)

 知られざる日本の誇る爆裂ギター・ロック・バンドの2000年産の2nd。98年のデビュー・ミニ・アルバムで衝撃を受けて以降、かなりのお気に入りのバンドなのです。つーか、こんなカッコ良いのになんで真っ当に評価されないのか?WALRUSの特徴は、なんといってもそのサウンド・プロダクションにあると言っても過言ではありません。とにかくギターやベースの音が爆音&極太(ここ意外と重要)仕様。その爆裂っぷりはこのアルバムでも健在、というか悪化してましてw、1曲目のイントロが鳴った瞬間、思わずなんかDubのバンドの音源かけたのかと錯覚しちゃうぐらいの肉厚サウンドが。先生!明らかにやり過ぎです!
 このバンドのもう一つの魅力は、繊細で情感豊かなメロディなのですが、繊細なメロディと濃厚リズムと轟音ギターの暴雨風が渦巻くオリジナリティ溢るるWALRUSサウンドは、歪なサウンドが大好物な俺にとっては極上この上ないごちそうなのですよ?
 そんなWALRUSの魅力が文字どおり炸裂してるのが、シングル・カットもされた"トネリコ"とかなのですが・・・改めて聴いてみると、ホントこれやり過ぎだよなぁ(誉めてます)。だって明らかにレコーディング・レヴェルオーヴァーしちゃってて、意図的だかなんだか分かんないぐらい音がひずんじゃってるもん。これはなんぼ曲が良くても、一般のリスナーはおろか普通のロック・ファンにもキツいだろ。
 そんな印象を実証したかの如く、このアルバムをリリース後TEICHIKUとのディールを切られてます(切ったのかもしれんが)。さもありなん・・・。
 駄菓子菓子、このいびつさこそがWALRUSをWALRUSたらしめているのですよ。ちょっと考えれば、こんなサウンドのリリースを続けていけばどうなるか、なんてコトは分かりそうなモンですが、あくまでも自分らのサウンドを貫き通したその姿勢は、リアルにハードコアだったと。
 てっきり解散したと思っていたのですが、アンダーグラウンドで頑張ってました。1月には新譜もリリースされたようです。4月には自分らの企画liveなんかも演るみたいなんで、ちょっとそそられてます。この爆音、ナマではどんなコトになっているのか。
 世間的な知名度は相当低いかと思いますが、ホントにカッコ良いんです。emo系とかシュー・ゲイザーw周辺のサウンドが好きなら間違い無いと思うし、広くギター・ロック・ファンにオススメしたいのねん。問答無用でこの音圧に粉砕されてみて欲しい。
 EXTRAから音源とかチェック出来ます。聴いてみて!>