• おおうそ「似非壱 憑姫」

 藤八尋さんの個人サークルの新刊は月姫と「僕とネリーとある日の午後」のエロパロ。月姫はまだしも「僕と〜」はシブいチョイスだ(森薫の単行本「シャーリー」に収録)。「僕と〜」のパロは藤さんらしいねっとりとした静かなエロさが光る小品。セリフの写植の冒頭部にハンコっぽいフォントが使われてまして、作品の雰囲気には合っているのですが、如何せん時間切れらしく大部分は手書き文字を使用。諦めて全部手書きとかに統一した方が良かったかも。月姫の方は反転秋葉モノ。独特の退廃的なムードは良いんですが、全体的にちょっと荒いか。昔の作品に比べると原稿の処理の仕方とかが雑に見えますが。相変わらず良くも悪くも余計なテキストをほとんど入れない造りなので、真意のほどは不明。一時期活動のペースが落ちた時期があったんですが、そのときに何かあったのかな?

  • くれじっと「首スジを噛むと歯グキから血が出ませんか?」「夜遊び」

 「首スジ〜」はいつものメンバーによる月姫合同本。あきかんさんの作品はさっちんと翡翠さんメイン。コメディ・ベースなノリながらもちょみっとemo風味なんかも効かせた小粋な仕上がり。NALさんの作品はレンをダシに使った猫マンガ。ネコ好き必読かw。無一文さんはシエル先輩とセブンのギャグ。セリフやネタのデリヴァリーが冴えていて、ショートながらもキレのある作品。シエル先輩の雑な性格がナイス。ベンジャミンさんは志貴と琥珀さんのイチャイチャもの。適度なemoさが心地好い甘酸っぱいテイスト。やはり原作をプレイしてると、作品の面白味が倍増しますな。月姫好きは要チェック。
 ベンジャミンさんの個人誌はレン・シオン・志貴のラヴラヴ3Pモノ。ベンジャミンさんにしては珍しく行為自体に焦点が絞られていて、いつものemoテイストは控えめ(そこはかとなく漂ってはいますが)。その分えちさはいつも以上なんで、それはそれで良し。
ex.>id:PIG-M:20030904、id:PIG-M:20030924

 希有馬さんにしては珍しい、タイトルどおりの炉作品。エロっ!とにかく理屈ヌキでぶっちぎりのエロさを満天下に誇示されてますなぁ。登場するキャラはvol.2の桜木下明日(ツンデレ風味がナイス。勿論スク水です)vol.1の尾道観音(誘い受け淫乱ょぅι゛ょ。前から後ろから、今回大活躍w)そして青村崎春雨(誘い受け風味なM。当然割烹着(給食着?)。今回は観音ちゃんがヤられちゃってるトコを見ながらの自慰のみ。そこをお兄ちゃんに見透かされて・・・!というトコで終わり)。ページ数もたっぷり使って、丁寧にねっとりがっつりとエロを刻み込んでいく姿勢には感服します。ただ、惜しむらくはせっかくのょぅι゛ょネタなんだから、もう少し幼児言葉などのテキスト面での特化が欲しかったかな。無論悪くはないんですが、ここまで徹底的に絵の方面で炉にこだわったんだから、そこにも気を配って欲しかったのですよ。ともあれ、欠片でも炉属性がある方なら家を質に入れてでも買え。大推薦。Buy or Die。
 で、なんとこの夏には彩色済みのフィギュア同梱同人誌を刊行するらしいですよ?狂ってるよ、アンタ・・・。その資金調達の一端を、この本を買うコトによって我々も担うのだw。なんつーかもうカッコ良すぎです。
ex.>id:PIG-M:20030825

  • サークル空想実験「空想実験-vol.5-」

 宗人さんトコの久方ぶりの新刊はワンピースのナミ本。分かるっちゃあ分かるチョイスですが、また微妙なトコ突いてくるよなぁ。ココの特徴であるパイズリ・フェラ・輪姦・凌辱といったテイストは漏れなく盛り込まれておりまして、とにかく延々ヤり倒しまくるというなんともDroneでGloomyな仕上がり。わりと救われないオチもまた良し。vol.4よか鬼畜度は下がりましたが(や、充分鬼畜っつー気もしますが)この圧倒的なヴォリューム(全108P!)でvol.4ばりの鬼畜だったらさすがにしんどい。ココのサークルはショップ中心(つーか初期以降は大きなイヴェントには出てないと思う)の展開をしてるせいか、寡作なれど丁寧かつこだわった作品をリリースしているので、読み手としても待つ甲斐があります。別にショップ中心だからといってSell OutやMake Moneyなattitudeとは無縁なサークルもあるんだぞっつーコトで。唯一気になったのが、紙面全体に薄墨というかモアレというか、妙なエフェクトがかかってるトコ。元の原稿の問題か、はたまた印刷の問題か・・・おかげで、ちょっと読みにくいのが玉に瑕。

  • ジ○トピア「青楼〜ゆうかく〜」

 やまと将臣さんトコの新刊は江戸開府400年記念本wだそうで。テキストを廃した遊郭モノの様なマンガとイラスト。この遊郭モノがなんとも意欲的な作品と申しましょうか、女のコはいつものやまとさんらしい愛らしい造形なんですが、絡みの男の方が浮世絵風味っつーかw(ちょんまげだし)。このクロスオーヴァーは、なんかスゴいなぁ。テキストが無い分、余計気だるさや物悲しさが浮き彫りになるというか、なかなか味わい深い作品。イラスト関係はいつものノリですが、やはりこちらも時代劇風味。無限の住人のイラストは新鮮だ。ムーディで統一感もある、趣味性溢るる一冊。ナイス。