あらきひろあきさんの個人サークルの久々の新刊は、あるイミ「らしい」仕様となっておりました。ジャケからして一目瞭然なんですが、ほとんど描き殴りに近い超プリミティヴな仕上がり。初めの2ページだけ写植なんですが、それ以降の手書きの激しくラフな字の方が、今回の作品にはマッチしてる気が。ネタはあらきさんお得意のさくら(カプコンのね)とナコで、投薬&拘束で凌辱されるさくらの映像を観ながら、ふたナコが手淫するという恒例の監禁スタイル。トーンはおろかベタもない、筆ペンかマッキーとかのマジック系による殴り描きっていうのはあまり誉められた手法ではないでしょうが、個人的には極めて痛快だったり。こういうカオティックでワケ分かんねー初期衝動に満ち溢れたノリっていうのは嫌いじゃないです。本来なら出さなくてもいいし、百歩譲ってコピー誌ならまだしも、これをオフセで出すっていうのはほとんど自爆に近い。そんなコトしなきゃなんない必然性なんてドコにもないんですが「それでも出すんだよ!」的な逆ギレにも近い情念に、根こそぎもっていかれます。rawでポンコツエロマンガ好きな好事家向け作品。俺は好き。

  • BEBE「Creole 3 架空の宴」

 鈴木みちさんがかねてより告知してたマリみて本第4弾、瞳子×祐巳本が遂にリリース。瞳子の愛憎入り混じった祐巳と祥子様への狂おしい想い。祐巳の祥子様への献身的な、しかし届かぬ想い。祥子様の祐巳に対する憧憬にも似た想い。それぞれの満たされぬ想いが交錯し、傷つけあいながらも愛するが故にそれを甘受していく様が切々と描かれています。綺麗事だけでは済まされないドロドロとした内面を描写するコトによって、それぞれのキャラが秘める想いに対する覚悟が感じ取れる。若干の拙さや思い入れが強過ぎる部分もあるけど、真にマリみて好きな方ならなにかしら感じる部分が必ずあるであろう力作。マリみて同人誌の一つのマイル・ストーン。素晴らしい。
ex.>id:PIG-M:20030926、id:PIG-M:20031015

 今回初チェックしたぺんてる工房。構成メンバーは数名いらっしゃるようですが、マンガ描いてるのはわらぶきいらかさん。まぶらほ本なんですが、まぶらほのパロといえば凌辱モノと相場が決まってるワケで(ぉ。この作品も基本に忠実な凌辱モノとなっております。夕菜が玖里子と凛の陰謀により輪姦されてしまう、というStraight Forwardな内容。割と救いが無いGloomyなノリですが、いちご100%とかと同様、原作が原作なんでこれで良し(ぇ。ベタもトーンも無い(ペン入れはしてある)仕上がりですが、エロさは及第点以上かと。Power Violence風味なショート・カット・エロが潔い作品。

 黒須嗣載さんの個人サークルの新刊はこころナビ本。シンプルで愛らしい絵柄とは裏腹に、どうにも80's風味漂うオールド・スクールなオチを多用するギャップが面白かったりするんですが、今回もオチがプラモ狂四郎・・・。流石は俺と同い年というべきか。結局近況マンガが一番面白いっていうトコもいつもどおりで、安心して読めたり。某炉の偉い人がゲスト参加。