• FAILURE FACE "Complete Failure"(BURRITO)

 FloridaのBURRITO RECORDSのレーベル・オーナー、Bob Surenが90年代中期に演っていたFastcoreバンドのディスコグラフィ。懐かしさのあまり買ってしまったのですが、未発表のlive音源以外の収録されてる音源全部持ってたよw。でも、こうやって時系列ごとに収録されてるとバンドの微妙な音の変遷が伺えて面白いね。個人的には1stシングルの印象が強いんで、後期の意外にちゃんとしてるFastcoreサウンドが新鮮だったりw。とはいえ、そこらのまっとうなFastcore系に比べたら全然ガタガタでいびつなんですが。
 このバンドははなっからFastcoreを演ろうとしていたワケではなく、80年代後期西海岸Straight Edge系サウンドをベースにしつつも結果的に加速していったっていうタイプなんで、そういったサウンドのシフトの仕方やBobの塩辛いvoxなんかもコミで、やっぱINFESTの影響を感じるよね(97aなんかと同様)。ただ、上記のバンドなんかに比べるとはるかに演奏がガタガタで(特に初期)微妙にポンコツ風味なとこが異常にカッコ良かったんだよね〜。それとやっぱBobのvox。なんかもういっぱいいっぱいで余裕ゼロなカンジがたまらなくキュートw。焦燥感は勿論あるんだけど、どこかにくめないっつーか。
 楽曲的にはいわゆるティピカルなFastcoreとは一線を画すタイプでまるまるFastな曲は少なく、マチズモ気味なEdgeサウンドをベースにしながらそこにFastパートを絡める仕様。Breakdownを多用するわりにはメタリックさがないんで、そこが面白かったりします。厳密にはFastcoreの範疇には入らないとは思うんだけど、あんま他にしっくりくる形容もないタイプなんで、細かくツっこまないでね。
 今回の目玉は今年春に行われたリユニオンliveの音源なんですが、これがまたナイス。演奏は若干安定したけど、Bobは以前にも増して塩辛い声になっており、濃ゆい濃ゆい。やっぱり洗練されてないHardcoreはカッコええのう。今も昔も変わらない"Broken Man"のポンコツ逆ギレ大爆走っぷりにニヤニヤしちゃう一枚。CROSSED OUT、INFEST、初期NO FOR AN ANSWER、VISUAL DISCRIMINATIONなんかにピンと来る方は必聴。