• KID DYNAMITE "Cheap Shots,Youth Anthem"(JADE TREE)

 Philadelphiaの4人組のコンピやsplit等の音源を集めたアウト・テイク集。KID DYNAMITEといえばex.LIFETIME(90年代初頭〜中期にNew Jerseyで活動していたバンド。2ndと3rdは死んでも聴け)のDan Yeminのニュー・バンドということで、LIFETIMEが死ぬほど好きだった俺にとってはその系譜のバンドの復活!ということで、当時はアルバムのリリースを心待ちにしていたものです。
 98年の10月下旬、いつもの様にレコードを掘りにBASEへと赴いた際、ついにKID DYNAMITEの1st"Kid Dynamite"と出会った。さらにはあのex.JAWBREAKERのフロント・マンBlake Schwarzenbackの新バンドJETS TO BRAZILの1stも同時にリリースされており、狂喜乱舞して帰路についたことを今でもはっきりと覚えている。帰宅していそいそとCDを聴いたその時の喜びは筆舌に尽くし難い。1曲目の"Pause"で瞬殺。その後はマウントからの小刻みなパンチの連打で極楽大往生。速攻で周りの友人たちに聴かせまくったり番組でかけまくったりして布教に勤しんだものです。2ndが出たときなんかは、番組収録前にふらっと寄ったレコ屋でたまたま入荷してて、それを速攻ゲットしてスタジオで曲を入れ替えて急遽KID DYNAMITE特集を組んだりと、色々な思い出があるバンドでした。そんなバンドだっただけに解散の報を知ったときはホント悲しかった(オリジナルSNUFFが解散して以来のヘコみっぷりだったよ)。
 そのサウンドは、キャッチーでありながらパワフルかつタイト、そして何より抜群にエネルギッシュで間違いなくハードコアだった。当時、俺は番組で紹介するときに「タイトなGORILLA BISCUITS」って表現してたんだけど、そんなカンジなんじゃないかと。今聴いてもそのサウンドは色褪せるどころか、燦然と輝いたままである。俺自身彼らの残した2枚のアルバムはいまだに愛聴してるし、この先も聴き続けることだろう。解散した後でもベネフィット・ライヴとかで何度かステージを行ったりしてるし、こうしてアウトテイク集なんかも発売されるぐらいだから、俺だけではなく皆に愛されていたのだろう。多くの方に聴いていただきたい、素晴らしいバンドでした。大推薦。
 

  • VERBAL ABUSE "Just An American Band/Live in '84"(BEER CITY)

 CARIFORNIAは San Jose(結成はTEXAS)の4人組の超名盤1stがボーナス・トラックを追加した仕様で初CD化。しかもレーベルはBEER CITY(Skateブランドとしての方が有名だが、実は通好みのマイナー・パンク・バンドの音源を数多くリリースしているレコード・レーベルでもある)ってコトで色んなイミで納得のリリース。VERBAL ABUSEといえばその圧倒的なまでの凶暴さや狂気にヤられた奴は数知れない、USHCを代表するバンドの一つであり、俺みたいな三十路過ぎのHC好きにとっても欠かせないバンドだ。シンプルでソリッドな楽曲、軽いが焦燥感たっぷりの演奏、そしてvoxのNickiの凶暴なLyricと歌。怒りと憎しみを吐き出しまくるサウンドは10代の俺にとってはどうしようもなくフィットしたのを覚えてる。タイトル・トラックはあのGRAND FUNK RAILROADのカヴァーなのだが、ファニーでありながらもシニカルさが伺えてただの初期衝動のみのバンドではない側面が垣間見れる。
 liveトラックは84年12月@N.Y./Ritzでのもので、競演がなんとRAMONESRAMONESはVERBAL ABUSEがお気に召さなかったそうなw。時期的に丁度THRASH化が進行している過程で、微妙に後のクロスオーヴァーっぽい感じなのだが、これが妙にカッコ良いバランスになっている。イントロのTHRASHノリから一気に"Verbal Abuse"へと雪崩れ込んでいく流れで昇天。アルバムとは一味違ったアグレッシヴさに満ち溢れていて、これだけの為に買っても損はしないだろう。とりあえずUSHC好きでこれを聴いてないヤツは100%モグリなんで、手近な同人誌を売っ払ってこのアルバムを買え。とか高圧的に迫りたくなる一枚です。ちなみに音質的には問題無い(liveはレヴェルがバラけてますが)んですが、なんだかアナログのノイズが入ってますよ?もしかしてマスターが無くてリプロ盤仕様なの?