曲作り

 先日、ようやくスタジオに入り、幼児★旅団の4th demo収録予定の最後の1曲を仕上げることが出来ました。今回は結果的にTragedy以降のdark thrashのテンプレートに則った楽曲が半数を占めることになりそうです。まぁ半数っつっても全4曲の予定なんで実際には2曲ぽっちなんですがねw。ウチの日記を昔から読んでくださってる方やLast.fmの履歴を見たことがある方なら分かるでしょうが、あたしゃこの辺のdark thrash系ってそんなに好きなワケじゃないんですよ。にも関わらず新曲がこういう方向性になってしまったのはなんでなのか?ということをぼんやりと考えていたので、つらつらとまとまりなく書いてみます。


 最大の原因は、この周辺の楽曲の構造が分かり易い上にドラマティックに仕立て易い、という点に尽きる・・・のかな。楽曲を構成するパーツの数は他のHCと比べて大差ないとは思うのですが、叙情的でゆったりとしたイントロを筆頭とした緩急の展開を組み込み易いので、同パーツ数でも楽曲にメリハリをつけ易いというメリットがあります。また、この路線の楽曲だと、意外と初心者レベルの演奏力でもなんとかなっちゃうところも高ポイント。無論、高い演奏力があればギター・ソロや細かいベース・ラインの味つけなどで幾らでも楽曲のクオリティを上げていくことが可能ですが、イントロやメインのリフ等をきっちり作っておけば、自分程度の演奏力しかなくてもそれっぽい雰囲気を持った曲に仕立て上げることは不可能ではなかったり。4th demoの曲を作ってる途中でそのことに気付きまして、以降は意識的にそういった方向のアプローチを試みるべく、楽曲のテンプレートを基に手持ちのリフの中から合うものを選び組み上げてみた次第。その試みが上手くいってるかどうかは、後日リリースする4th demoやMySpace等で確認してみてください。


 dark thrashに限らず、楽曲をテンプレートから作り上げていく手法が自分にとって有効であることは明らかですが、これを過信すると失敗するであろうことは火を見るより明らか。普通の人よりはちょみっとだけ多めにHCとかを聴いているので、ツボを心得たテンプレートを作りやすいとは思うのですが、前述したように自分は致命的に演奏力が劣っているので、楽曲を彩る要素を盛り込むことが出来ないのですよ。なんつーか、スポンジケーキまでは作れるんだけど、それをデコレートすることが出来ないっつーか。スポンジケーキ単体なんてそうそう何個も食えるモンではないので早晩飽きがくるし、それ以前にあたしゃそこそこのスポンジケーキを延々作り続けることに意味を見出しにくいので、そこから脱却するアプローチを模索しております。まぁ真っ当な方法は演奏力を上げることなんでしょうが、真っ当すぎて面白味に欠けるし、そういう王道を自分が往く必要性は無い。じゃあどうするのかっつーと、楽曲の作り方に活路を見出そうと目論んでおります。


 Anal Brigadeはお互い三十路に入ってから楽器を始めたので、その経験&知識の無さを逆手に取る方法論を選択しました。ガッタガタの演奏&自分の音感頼りの変則チューニングをベースに、即興で楽曲を作ってはその場で録るという搦め手一択で攻めていたのですが、幼児の場合はvoxもDsもメインのバンドをバリバリやってて経験&知識が豊富な上に演奏も非常にタイトだったりするので、演奏力の差や知識のギャップが往々にしてマイナス面にしか働かない。しかも、ロックバンドのドラマーとしては文句無しなんだけど、即興には不慣れなせいか上手く機能しないので必然的に真っ当な方法論で楽曲を構築せざるをえず、即興や変則チューニングのような奇手奇策を弄するのも得策ではないことが何回か音を合わせた段階で判明したので、デモをリリースするごとに曲が真っ当な方向性にシフトしていき、遂には今回のようなテンプレート方式を導入するに至ったワケで。そして、今のところその方向性は間違ってないと思えるので、今後もオーセンティックな路線を踏襲しつつ、試行錯誤を繰り返して小さなギャップを含ませた楽曲を作り続けていき、徐々に徐々にそのギャップを大きくしていければなぁ、と。テクニック面を筆頭に様々な縛りがある状態だけど、自分のような凡人にとっては制約があるほうが思考しやすく焦点も絞り易かったりするので、そこを上手く活かしていきたい。


 「仲の良い友人たちと一緒に音を出す」以上の意味性を見出しつつある今日この頃。