6/21 "NO-YARD presents "NO-YARD&TRIKORONA SPLIT 7 inch RELEASE PARTY"@高円寺20000V

 どうせ会場で友人・知人らには会うから、特に誰とも待ち合わせたりせずにお出かけ。経由駅の新宿で一旦下車し、いつものようにとらへ。買い逃してた同人誌をちょこちょこ買い込んでから高円寺に向かいまして。高円寺到着後、まず向かった先はサンレイン・レコーズ。以前から気になっていたレコード屋さんなんですが、なかなか出向く機会に恵まれず、ようやく来店出来る運びとなったワケで。場所は、かつて高円寺を訪れた際には必ず立ち寄っていた牛丼屋さんが入ってたビルの3F*1。馴染みがある場所だったので迷わず辿り着けまして。けして広くはない店内ですが、素敵な音源が揃ってて、眺めてるだけで心が躍る。じっくり品定めしたいのは山々でしたが、今回はあんま時間もなかったので*2事前に決めてた音源だけを購入し、店を後に。nnさんが以前言ってたけど、この店の袋はクリア・ブルーでとても綺麗なので、その袋欲しさに又来たくなっちゃうっつーかw。LPサイズの袋もあるのかな?だとしたら、そのうちLPも買ってみよう。


 せっかくだからBOYBASEにも寄ってみたかったのですが、開場時間が迫っていたので、寄り道せずに20000Vへ。入口付近には知り合いはいなかったけど、地下に潜っていくと馴染みの面々の姿が。開場時間が押したのは難でしたが、話し相手には事欠かなかったので退屈せずには済みまして、18時半前に入場。立錐の余地無しとまではいきませんでしたが、なかなかの動員。それに、全体的に和気藹々とした雰囲気で良い感じ。ピリピリした緊張感に満ち溢れたライブも良いけど、あたしゃこういう雰囲気のほうが好きです。


 で、開演。どのバンドも持ち味を発揮していましたが、中でも印象に残ったバンドについて少々。遂に待望の新譜のリリース時期を発表したDance With Me*3は、バンドとして円熟期を迎えつつあるような充実したライブを披露。絶妙なバンド・アンサンブルと熱い歌声が織り成す極上のguitar punk soundに酔い痴れた客は、拳を突き上げシンガロングで応戦。おそらく新曲と思しき曲も後半に演奏されたんですが、1回聴けばコーラスのパートを覚えられ、次からは一緒にシンガロング出来ちゃう様なキャッチーさが印象的な素敵な楽曲でした。早くアルバムで繰り返し聴きたいよw。こんだけ発売が待ち遠しいアルバムは近年記憶にないな。一日千秋とは、まさにこのこと。そんな新譜への期待が否応無しに高まる素晴らしいライブでございました。


 この日最大の盛り上がりを見せたのは、Cosmic NeuroseEncroachedTrikoronaの3連荘。まずCosmic Neuroseですが、この日は何故かメンバーがDanzig的メイクで登場。voxのデスロウ君はヘアスタイルをdevilockでキメてたりして普段とはひと味違ったムーディな佇まいだったのですが、スタートと同時にデスロウ君がフロアに雪崩れ込んできて、咆哮しながらモッシュしまくり。それに呼応し、フロアも一気に沸点を迎えて上を下への大騒ぎ。でも、演奏は熱く激しく、しかしタイトに炸裂してるし、voxはフロアとステージを縦横無尽に行き来しつつもきっちり歌い上げてるしで、いつも以上に音が胸に刺さってきました。まさに「怒涛」としか言いようの無い凄まじいライブ・パフォーマンス。凄かった!


 こんなライブを先にやられちゃうと後続のバンドはしんどいよねー、なんて話を友人としてたのですが、お次のEncroachedも魅せてくれやがりまして。なんと、voxのマエダさんが初手からフロアにダイブしてきて大暴れするというまさかの幕開けに愕然*4。余り客を煽ったりするようなバンドじゃないんですが、この日はメンバー全員「前へ!前へ!」といった気迫が漲ってて、凄いことになってたなぁ。そんなステージングを目の当たりにした客が黙ってるはずもなく、またしてもモッシュとダイブの雨あられ。モチヅキ君のギターが変わってたり新曲を披露してたりもしたのでじっくり聴いてみたくはあったのですが*5、とてもそんな余裕はなく、呆気なく断念w。ライブで叩き上げたバンドのみが放つ凄みを感じさせるステージでした。素晴らしい。


 こんな苛烈極まる2バンドの後では鶏もさぞやりくかろう・・・と思いきや、Gのコレエダ君はともかくBのモンマ君までもが悠然とアホみたいな数のエフェクターをステージ上に広げだしたので、要らぬ心配などせず安心して見守ることに。セッティングが終わる頃になると、ふらっとvoxのコヤマ君がステージ上に登場。程なくしてホーミー的な歌声を朗々と響かせ始め、そこに楽器隊も加わってきてしばし幽玄な音を聴かせた後、本編に雪崩れ込む。弦楽器隊は、前述したように多数のエフェクターやペダル類を駆使しながら細かくトーンやニュアンスをコントロールしてるし、ドラムもタイトで切れ味抜群。でも、どのパートも一般的なPunk / HCのフィールドに留まらないジャンルのエッセンスを感じさせるフレーズを織り込んでいて、個別のパート毎に聴いてるだけでも興味深い。そんな曲者揃いなバックを従え、voxのコヤマ君がステージにフロアにと縦横無尽に這い回りながら咆哮しまくるという異形のPower Violenceを展開してるんだから悪かろうはずもなく、むしろ、以前よりもノイジーさが減った分、楽曲の特異性が鮮明になっているので、良い意味で分かりやすく万人にアピール出来るようになったのではなかろうか。今までの鶏のライブって「凄いことをやってるのは漠然と理解出来るんだけど、何がどう凄いのかはよく分からない」ってな感想を抱く人が多く、明快に盛り上がるコトってあんまなかったんだけど*6、最近は誰が聴いてもピンとくるような音を出すようになったので、必然的にライブが盛り上がることも増えてきまして、この日も当然Cosmic NeuroseやEncroachedに負けず劣らずフロアはしっちゃかめっちゃか。かくいうワタクシも久方ぶりにモッシュの輪に加わり大はしゃぎ*7


 そんな中、聴き覚えの無い繊細かつ流麗なフレーズが聴こえてきたので、思わず聴きいる。鶏にしては異例といえるようなド直球なemoフレーズで始まる曲で、そこからいつもの屈折Power Violenceへと雪崩れ込み、再度冒頭の綺麗なフレーズでシメるという楽曲だったのですが、静〜動〜静という曲の構成も鶏らしからぬ感じだったので凄く印象に残りまして*8。こういう意外な懐の深さが面白い。駄菓子菓子、余韻に浸ってる間などあるはずもなく、暴動は続く。終盤、いつものようにvoxのコヤマ君がフロアからいなくなったんだけど演奏はお構い無しに続けられていたので、皆がマイクを奪い合って絶叫しまくり。中でも、P.S.Burn This Letterのカサヌマ君のマイク占有率が高かったような・・・w。普段ならこのまま混沌の中終了ってトコなのですが、この日はサプライズが。なんと、消えたはずのコヤマ君が再度戻ってきてvoxに復帰w。当たり前っちゃ当たり前なように思われるかもしれませんが、鶏としては異例中の異例*9。思わぬ展開に面食らってたら、終わっちゃいました。鶏の本領を如何なく発揮したライブだったと思います。


 言及しなかったバンドも持ち味や実力を発揮してたし、フロアの雰囲気や盛り上がりも良いカンジで、ワタクシのような色んな意味で腰が重い人間でも否応なしにはしゃがざるをえなくなるような、なんとも素敵な企画でございましたよ。楽しかったなー。

*1:件の牛丼屋は無くなってた・・・。

*2:ついでに言うと、ちょっと店内が暑くて長居するには不向きだったw。

*3:花火大会の頃って言ってたから、今夏中には出る模様

*4:ライブ後に話を訊いたんですが、Cosmic Neuroseに触発されたそうで。さもありなん。

*5:ミッド・テンポの曲が渋くて印象的。HCバンドのセンスってミッド・テンポの曲で問われるよなぁ。

*6:ライブの内容が悪かったから盛り上がってなかったわけでは、けして無い。

*7:その結果、先週1週間は腿を筆頭に身体の節々が痛んでおったワケですがw

*8:後日メンバーに訊いたところ、ベースとなった曲は鶏の前身バンドであるKorona時代の曲だそうで、作曲したのもKoronaのメンバーだとか。さもありなん。

*9:個人的にはレコ発だから戻ってきたんかなーぐらいに思ってたのですが・・・。真相は、本人に直接お尋ねくださいw。